正しく知ろう北方領土コミュの返還運動において、ロシア人に呼びかけてはどうか

２月７日の「北方領土の日」が迫って来た。
北方領土の日には毎年各種団体が各種スローガンを掲げるが、プラカードやたすきにロシア人に直接働きかけるメッセージを書いてみてはどうだろうか？
例えば、

　「ロシア人よ　クリル不法占拠の実態を知れ！（ロシア語で）」

などというように、少し挑発的に向うの国民に語りかけてみるのは手だと思う。

なぜ、私がこのようなことを言っているかというと、ロシア国民の多くが北方領土について誤解をしているからだ。
ロシア人たちは、スターリン時代に徹底的に「日本がドイツと組んでソ連に大損害を与えたからその代償として千島列島を手に入れた」というような嘘を教え込まれている。
これはもちろん大嘘である。
実際はこの逆であり、第二次世界大戦末期に侵攻したソ連に対して防戦するまで日本からは一発の銃弾もソ連に撃ったことがなく、独ソ戦の最中も日本は中立を守ったにも関わらず、ソ連は日米戦の終戦まじかに日ソ中立条約を破り弱った日本の領土に侵攻し、それだけではなく日本の民間人を面白半分に２０万人以上殺し領土も奪ったのである。
この部分はロシアの「暗黒史」であるのだが、ソ連時代にはひた隠しにした上で、「日本が被害を与えたから制裁をした」と嘘八百を並べた。
正しい「歴史事実」をまずは向う側にキチンと認識させることが重要だ。

その頃に嘘を叩きこまれたロシア人たちは、未だに以下に書いたような嘘を信じ堂々と胸を張って「日本の悪」を糾弾している。

https://mixi.jp/view_bbs_comment.pl?comment_number=164&community_id=35782&bbs_id=58325944
　・「北方領土はロシアがはるか昔に発見して日本より先に領有していたが、
　　　ロシア皇帝が優しかったから、後から来た日本に譲ってやった物だ」
　・「千島列島は、サンフランシスコ講和条約でソ連に正式に譲られた」
　・「千島列島領有は、米英も認めている」
　・「第二次世界大戦中、日本はドイツと同盟を結んでロシアに攻め込んだ。
　　　そのため、２７００万人の犠牲者が出た。北方領土はその代償だ！」
　・「満蒙で日本軍が無理に暴れたために民間人２０数万人を巻き込まざる
　　　をえなかった。日本人の民間人被害者は、正当な作戦行動によるもの
　　　であり、ソ連は略奪や強姦や殺戮などはしていない。それらの被害者
　　　を日本は北方領土に絡めて嘘をついてロシアを非難している！」
　・「シベリアに６０万人の軍人を抑留して６万人を死なせたことは、彼らが
　　　戦犯的行為をしたための懲罰であった。（だが、少し悪いかもしれない
　　　とは思うように変わって来た。）日本の右翼は、これらも北方領土に
　　　無理に関係させてロシアにいちゃもんをつけている」

そのような環境であるから、ロシアの政治家が北方領土について日本側に理解を示すような態度をとると、ロシア国民が激怒して燃え上がり、そういう政治家を糾弾するような状況になっている。
だから、本当に日本側に譲ってもいいと思っているロシアの政治家は声を上げられない。
また、プーチンのような老獪な政治家は、北方領土を返還する気など全くないのに「返して上げたいのだが、国民が反対するからそうできない。もっと経済援助をしてもらって結びつきが強くなれば、環境も変わるかもしれない」などというようにロシア国民の間に定着した大嘘を利用している。

ロシア人たちに北方領土についての正しい認識を持たせるためには、少し過激な言い方をしなければ、何時まで経っても状況は変わらない。
もちろん、このようなことをすれば、事なかれ主義の外務省が日本側の返還運動の現場に慌てて飛んで来ることだろう。
彼らは、昨年の民間人の北方領土訪問の時にも「現地のロシア人たちに対して、決して北方『領土』と言うな」と釘を刺していたように、事態がどうなろうが兎に角揉めなければ自分たちの役人としての任期を無事に終えることができるというように「事なかれ主義」の権化であり役に立たない。
だから、民間同士で、少し、相手の事を刺激して正しい知識を持たせるきっかけを作るようにするしかない状況だ。

こういう試みは、昔、日本の新聞社とロシアの新聞社が互いの主張を言い合って行ったことがある。
その頃はインターネットなどは発達していなかったし、ソ連は鉄のカーテンを敷いて国際社会から孤立していてロシア人たちは簡単に外国旅行などできなかった時代だった上に、ソビエト共産党はナチス並みの強権的な手段をとっていたから、ロシア人たちには一つも正確な情報が入って行かなかった。
そういう状況であったから、新聞社同士の言い合いは、ソ連側の新聞社がソビエト共産党の主張するがままの嘘を恥も外聞もなく書きまくったためにまともな議論にならなくなった。
しかし、現在ではロシア政府に反対する意見を言うと収容所に送られるなどというようなことはさすがに行えなくなって来た上に（刑務所くらいだろうか）、インターネットで情報が比較的簡単に伝わる時代になっている。
また、ロシア人たちも昔と違い、海外旅行などを自由に行える時代にもなっている。
こういう現代において、こちらからきちんとした情報を発信しないという手はないのであり、ロシアの民間人たちの「大誤解」の部分を少しつついてみることは無駄ではないはずだ。

日本政府は嫌な顔をするだろうが、民間人どうしで少しつつき合いをしてみればよいのではないかと思う。
民間人がやっていることなのであるから、政府としてもいくらでも言い訳が立つのであり、むしろ、自由主義を標榜する社会でそういう動きを規制する方がどうかしている。

あまりにもトピを放っておくと消えてしまうので、そういう意味もあって、日ごろ思っていたことを北方領土の日の前に書いてみた。