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ラテン(イベロ)アメリカ文学コミュの木村栄一『ラテンアメリカ十大小説』(岩波新書)

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 まず何から読むべきか? 待望の作品案内

 「ラテンアメリカ文学」のイメージは、ひょっとすると、最初に手にした作品によって随分と違うのかもしれません。ボルヘスの『伝奇集』や『エル・アレフ』に収められている、短篇ながら一度読んだら決して忘れられない作品群。世界中で大ヒットしてラテンアメリカ文学大ブームの火付け役となった、ガルシア=マルケス『百年の孤独』の濃密な世界。あるいはプイグの『蜘蛛女のキス』などは、映画から入ったという人もあるでしょう。昨年(2010年)のノーベル賞受賞をきっかけに、バルガス=リョサ『緑の家』(小社文庫)を手にされた方もあるかと思います。

 さて、何から読むか。その次に何を読むか。夢と魔術と苛酷な現実とが入り乱れる、濃密な物語の大陸へと向かうにあたって、頼れる水先案内人があらわれました。著者の木村榮一氏はラテンアメリカ文学翻訳のまさしく第一人者、本書でとりあげた作家十人すべてについて翻訳があります。本書では、「物語とは何か」という問いかけを軸としながら、それぞれ違う特長をもつ(まことに膨大な)作品群をわかりやすく紹介し、その不思議な世界の一端を味わわせてくれています。

 ちなみに著者の人生を変えた小説は、ドストエフスキーの『罪と罰』、それに『百年の孤独』とコルタサルの『石蹴り』だったそうです。そうしたエピソードも数々紹介されています、ぜひお楽しみください。


■著者紹介
木村榮一(きむら・えいいち)1943年大阪生まれ。神戸市外国語大学イスパニア語科卒、同大学教授を経て、現在、神戸市外国語大学学長。専攻は、スペイン文学、ラテンアメリカ文学。
著書─『ドン・キホーテの独り言』(岩波書店)ほか。
訳書─ボルヘス『エル・アレフ』、アストゥリアス『大統領閣下』(共訳)、コルタサル『遊戯の終り』『短篇集 悪魔の涎・追い求める男 他八篇』、フェンテス『アルテミオ・クルスの死』『アウラ・純な魂』、バルガス=リョサ『緑の家』『若い小説家に宛てた手紙』、ガルシア=マルケス『エレンディラ』(共訳)『我が悲しき娼婦たちの思い出』『コレラの時代の愛』『物語の作り方―ガルシア=マルケスのシナリオ教室』、カルペンティエル『この世の王国』、アジェンデ『精霊たちの家』、プイグ『このページを読む者に永遠の呪いあれ』、ドノソ『三つのブルジョワ物語』、ボルヘス『エル・アレフ』、リャマサーレス『黄色い雨』、ビラ=マータス『バートルビーと仲間たち』、オクタビオ・パス『もうひとつの声―詩と世紀末』ほか。


 
■目次

 序─物語と想像力



1 ホルヘ・ルイス・ボルヘス『エル・アレフ』
  ─記憶の人、書物の人
   


2 アレホ・カルペンティエル『失われた足跡』
  ─魔術的な時間
   


3 ミゲル・アンヘル・アストゥリアス『大統領閣下』
  ─インディオの神話と独裁者
   


4 フリオ・コルタサル『石蹴り』
  ─夢と無意識
   


5 ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』
  ─物語の力
   


6 カルロス・フェンテス『我らが大地』
  ─断絶した歴史の上に
   


7 マリオ・バルガス=リョサ『緑の家』
  ─騎士道物語の継承者
   


8 ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』
  ─妄想の闇
   


9 マヌエル・プイグ『蜘蛛女のキス』
  ─映画への夢
   


10 イサベル・アジェンデ『精霊たちの家』
  ─ブームが過ぎた後に
   


 あとがき
 主な作品リスト/本書で言及した文献


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 以上、岩波書店のウエッブページから。

 http://www.iwanami.co.jp/shinkan/index.html

 おそまきながら、この書籍のことを知る。
 岩波書店にこんなテーマのものがはいるなんて、感無量。
 ああ、時代はかわったのだな。

 しっかり読んでコメントしなくては!

 (ちなみにこのリストにてわたしが読んでないのは、「我らが大地」と「精霊たちの家」)


コメント(4)

紹介ありがとうございます!
読みます。
 レオンさん、うめさん、コメントありがとうございました。

 この本が刊行されてまもなく、作品社と柳原孝敦せんせいとの間で興味深いツイッターがかわされていました。

 今後の翻訳をめぐっての意見交換であり、コルタサルならば『懸賞』、そしてフエンテスならば『我らが大地』も可能性があるものの、最初の長編である『空気のもっとも澄んだところ』をめぐってなどで、これはとくに翻訳著作権が切れているので、やりやすいという話。わたしも、これは読んだことがありますが、いわゆるラテンアメリカ文学ブームの起動役も担ったような作品で、ニホンでの紹介が待たれます。ただフエンテスは『老いぼれグリンゴ』があまり読書界のお気にめさなかったためか、その後、翻訳がとどこおっているようで、バルガス=リョサと比べるとだいぶ差をつけられてしまったような。
タイトルはモームのパクりっぽいですが^^;
おお〜っ!これは素敵☆ 楽しみ楽しみです。

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