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分子料理学コミュの参考事例について

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マヨネーズの作り方は、卵にお酢を加えたところに、サラダ油を少しずつ加えていくんですが

ポイントは、サラダ油を混ぜるときに、泡だて器でかき混ぜること。

卵とお酢に含まれる水分と、サラダ油の脂肪分がちゃんと混ざり合うように、手を休めることなく、つねにかき混ぜることが必要。

こうして何度も何度もかき混ぜることで、油の粒を細かく、細か〜くして、水と混ざりやすくしているんです。

マヨネーズを手作りしたことがある人ならご存知だと思いますが、この「かき混ぜる作業」がとっても大変なんですよね!

だったら、最初から油の粒が小さくなった状態のものを混ぜたら、かき混ぜる手間が省けるのではないか??

そう考えたエルヴェ・ティス教授は、サラダ油の代わりに、湯せんで溶かしたバターを代用。
湯せんしたバターは、あらかじめ油の粒が小さくなっているので、混ぜるのも楽チン。
そこに卵とお酢を加えれば、バター仕込みのマヨネーズの出来上がりです。

油の粒を細かくして、卵とお酢と混ぜる、という仕組みだけをみれば、サラダ油であろうと、バターであろうと、科学的にはどちらもマヨネーズ。
マヨネーズはサラダ油から作るものだ、と思い込んでいた料理人にとっては、ビックリかもしれませんね。


料理のレシピには、「この食材を使わないとダメ」とか、「もったりとするまで混ぜること」とか、「必ず、この順番で混ぜるべし」とか、“暗黙の決まりごと”がタクサン書かれています。

でも、その“決まりごと”がなぜ必要なのか?
“決まりごと”を実践すると、科学的にどう変化するのか?
この点については、レシピを見ただけでは分かりません。

レシピに書かれた決まりごとを、科学的に分析すると、もっとスムーズに料理ができるかもしれない。
あるいは、新しい食材や別の技術をとりいれることも可能かもしれない。

こんな風に、科学的なアプローチからあたらしい料理の可能性を探るのが、「分子料理学」なんです。

コメント(10)

エルヴェ・ティス教授の分子料理学が何なのか、なんとなーく分かってきたところで、もうひとつ。
今度はフランスのデザート「クレーム・シャンティ」を例に、もうひとつ、レッスンしてみましょう。

クレーム・シャンティとは簡単にいえば、生クリームをホイップして、ふんわりさせたもののこと。

生クリームは、「水」の中に「脂肪分」がとけあって、液状になったもの。
これを泡だて器でホイップして、「空気」を含ませることで、クレーム・シャンティというものが出来上がります。

では、「水」と「脂肪分」の部分を、他のものに置き換えたら、どうなるか?

たとえば、生クリームの「脂肪分」をチョコレートの「脂肪分」に置き換えて、チョコレートに「水」を加えてみます。
そのままでは分離してしまうので、加熱してシッカリ溶かします。

「水」とチョコレートの「脂肪分」が溶けたもの、これをホイップして、「空気」を加えると、、

まるで「ホイップクリームのような食感のチョコレート」が作れるんです!

つまり、「水」と「脂肪分」に「空気」を加えれば、どんな材料を使おうとも、「クレーム・シャンティ」のようなホイップ状になる、ということが、科学的に説明されるというわけです!

「脂肪分」にフォアグラを使えば、ホイップ状のフォアグラができるし、ロブスターを炒めたあとのバターを使えば、ロブスター風味のホイップができるわけです。
あるいは、「水」の代わりにトマトジュースを使えば、ホイップ状のトマトの出来上がり!
まだまだいろんな組み合わせが考えられそうですね。
BRUTUS「21世紀料理教室」よりのレシピ紹介第一弾、

まずはダニエル・ガルシアの液体窒素料理。

■粒々マンゴー入りチョコレートスープ

材料
チョコレートスープ
 鍋に刻んだホワイトチョコと牛乳、ヨーグルトを入れ弱火にかけて溶かしたもの

マンゴー 1個


1.
発泡スチロールに箱に液体窒素を注ぐ。
マンゴーは果肉をミキサーにかけ、スポイトに入れて箱に落とす。

2.
約1分置いてから漉し器にあける。コロコロした粒上のマンゴーが完成。
(漉し器の下にも発泡スチロールをあてること。)

3.
注射器にあらかじめ作り置いたホワイトチョコのスープを入れ、グラスに注ぎいれる。

4.
2のコロコロマンゴーをスプーンで掬って、チョコスープの上からそっと加える。

冷たいうちに召し上がれ。


所感:
ダニエル・ガリシアの液体窒素料理は全般的に「味の脅威」というより、テクスチャーを変換して食感に意外性を出すところにポイントがあるのだと思っていますが、そういった視点で言うとこの料理のポイントは「コロコロのマンゴー」の食感を楽しむところにありそうです。
続いてエルヴェ・ティス教授の分子料理レシピから。


■サーモンのフィレ

Sσz(O1/W1)σz(W2/S2)σz(O2/W3)


S    ・・・レモンコンフィの薄切り
(O1/W1)・・・キンサイム
(W2/S2)・・・サーモンフィレ
(O2/W3)・・・ミルク

/は分散、
σzはそれぞれが重層的に重なり合ってると言う意味です。


<<材料4人分>>
-----------------------------------------
鮭の切り身          150g*4切れ
-----------------------------------------
済ましバター         大匙1杯
-----------------------------------------
牛乳ソース
 セロリ(みじん切り)     大匙1杯
 コンバガ(スダチ系の柑橘類) 1個分
 牛乳            4カップ
-----------------------------------------
キンサイム(バターのマヨネーズ)
 卵黄            1個
 塩、胡椒          各適量
 焦がしバター        200g
 透明な酢          大匙1杯
-----------------------------------------
レモンのコンフィ(瓶詰め)   1/2個
-----------------------------------------
フレッシュハーブ
(セルフィーユ、シブレット)  適量
-----------------------------------------

<作り方>
1.
鍋に牛乳とセロリ、コンバガの皮(おろして)を入れて火にかけ、蓋をしてごく弱火で1時間ゆっくり煮る。

2.
フライパンに済ましバターを入れてサケを皮目から入れ、まず8分、裏返して2分、弱火で焼く。
外はカリッ、中はロゼな焼き上がりとする。

3.
キンサイムを作る。卵黄をほぐして塩、胡椒する。
そこに、人肌に冷ました焦がしバターを、かき混ぜながら少しずつ加えて混ぜる。
全部バターが入ったら、酢を加える。

4.
器に2のサーモンを入れ、まわりに1のソースを流し入れ、キンサイムを載せる。
あればレモンのコンフィ(無ければレモンの皮)をのせ、ハーブを添える。




所感:
このティスの分子料理法による料理のポイントはバターメイドのマヨネーズを使ったところにあります。
相当「濃い」マヨネーズになるようなので、鮭の方はあまり油がのってない方が良い様な気がします。
ダニエル・ガルシアの液体窒素料理、第二弾はこちら。


■オリーブオイルのパウダー ガーリックトースト添え

材料
オリーブオイル    250CC
塩          少々
ガーリックトースト
 パゲット      1切れ
 ニンニク      1かけ


1.
発泡スチロールの箱に液体窒素を注ぎ、サイフォン(無ければ注射器)にオイルを入れて、中にふきだす。

2.
2分おいてから、目の細かい濾し器を通し、塩を加えて軽くゆする。
器にもり、トースト片を加える。


所感:
超簡単レシピですが、「オリーブオイルのパウダー」へのテクスチャー変換が新しいかと。
しかし「サイフォン無ければ注射器」って・・・むしろそっちの方が一般家庭にないだろw
ダニエル・ガルシアの液体窒素料理、第3弾。


■トマトの冷え冷えポップコーン

材料
トマトウォーター*       250CC
オリーブオイル        250CC
トマト(種の部分のみ)    適量
活エビ(芝エビ等)、ハーブ  各適量


* トマトウォーター
トマト5,6個を4つ割りにし、10分間もむ。
塩を加えて固く絞ったさらしの布巾かガーゼに包み、半日ぐらい吊るしてトマトの水分を落とし、ボウルなどに受ける。
これがトマトウォーター。透明な液体になる。



1.
エスプーマ(CO2エスプーマで代用)にトマトウォーターとオイルを入れ、液体窒素に噴出す。

2.
1分間置いてから漉し器で漉す。
漉すと、ぼこぼこのポップコーン状態になったトマトウォーターができる。

3.
器にトマトの種とエビ、2.のポップコーンと好みのハーブを盛り合わせる。
出来たら上から軽く液体窒素を注いでひんやり感を演出。



所感:
ダニエルガルシアお得意のエスプーマを利用したサラダ。
上に挙げた2作品と違い、エスプーマを利用する必要があるため、若干ハードルが高い。(機材の用意という点で。)
なので、本格的に液体窒素料理に取り組みたい人にお奨め。
すみません、ちょっと忙しくしてたもので更新が遅れました。

「エルヴェ・ティス教授の分子料理レシピ 第二弾」を掲載します。

■エルヴェ・ティスの卵

[(W1/S1)⊃(W2/S2)]⊃[(S3+S4+S5)/W3]

W1/S1・・・卵黄
W2/S2・・・卵白
S3+S4+S5・・・野菜の細切れ
W3・・・ブイヨン


材料
------------------------------------
卵               4個
------------------------------------
ソース
------------------------------------
 パンチェッタ(細切り)     100g
------------------------------------
 マッシュルーム(薄切り)    200g
------------------------------------
 オイル(軽いもの)       少々
------------------------------------
 エシャロット(みじん切り)   1個
------------------------------------
 白ワイン           1カップ
------------------------------------
 蜂蜜             大匙1/2杯
------------------------------------
 粉末タンニン         1g
------------------------------------
 硝石酸(ワインの酸味成分)   1g
------------------------------------


作り方

1.
卵は67度に温めたオーブンで2時間40分加熱する。

2.
ソースを作る。
まずパンチェッタは油をひかずにカリカリになるまで炒めて取り出す。
マッシュルームも炒めておく。

3.
鍋にオイルを熱し、エシャロットを炒め、白ワイン、硝石酸、タンニン、蜂蜜を加えて煮る。
ここに2.のパンチェッタとマッシュルームを加える。

4.
器に3のソースを入れ、1.の卵の殻をむいて乗せる。


所感:
何よりもまず67度のオーブンで2時間40分という異常なレシピに驚くと思いますが、これは「卵を61度から70度で加熱するとちょうどいい半熟になる」という事をティス教授が実験で証明し、「中でも黄身と白身のバランスがちょうどいいのが67度だった」と言う事によるとのこと。

それにしても2時間40分オーブンですか。。

美食への道は険しいですね〜。
今更ですが、溶かしたバターでマヨネーズではないですが同じ原理でソース・ベアルネーズというソースはありますよ。

日本語ではよく温製マヨネーズと言われていますが。
>鳥肌小鳥さん

そうですよね。
僕も「あれ、似たようなのあったような。。。」とは思ってたんですけど。

僕自身もそうですが、多分、ティス教授はあんまり料理自体には詳しくないんじゃないですかね。w

ピエール・ガニエールとエルヴェ・ティスの対話↓ を読んで
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=22675115&comm_id=2178241

「ああ、この人はなんて(いい意味で)無邪気で子供なんだろう。」って思いました。

結局、エルヴェ・ティスの理論はあくまでも理論であって、ピエール・ガニエールのフィルターを通す事で洗練された料理として実体化するんだろうな、と思います。




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