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2008年08月04日22:23

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私が愛した魔法使い。

勇敢さが人気! 好きな魔法使い1位はハリー・ポッター
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=567043&media_id=54

生まれて初めて会った魔法使いといえば、この人でした。



魔術師クーラ。

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「シンドバッド黄金の航海」の悪役です。力の使いすぎで年老いていくところとか、何か応援してあげたくなる魔法使いでしたね。

魔法使いについては過去日記でも述べておりますが、

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=81415710&owner_id=1640816

今回は「突き抜けている」ところが大好きでたまらないということで、ジャン・レイの「マルペルチュイ」に登場するカンタン・モルチュス・カッサーヴを取り上げてみましょう。

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死にかけた古代ギリシャの神々とともにゴルゴーンの娘を生け捕りにして、マルペルチュイと呼ばれる館の中にて、人間の皮を被せて生活させ、人間の若者と「神話的な恋愛」を再現しようとした男です。

その悲しくも恐るべき結末は読んでのお楽しみですが、実は過去に映画化されております。

http://www.imdb.com/title/tt0067386/

カッサーヴを演じているのが、何とオーソン・ウェルズ。



我が国では残念ながら未公開な上に、DVD化もされていないので、海外の友人の尽力で入手して観ましたが、さすがに名優だけあって、オーソン・ウェルズの怪演は見ごたえがありました。

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原作は月刊ペン社より発行されておりますが、現在では残念ながら絶版です。

http://homepage1.nifty.com/ta/sfr/ray.htm

このサイトを参考に、古本屋で根気よく探すしかありません。
ちなみに、犬神図書館には所蔵されておりますので、来館の際に閲覧が可能です。

ともかく。

死にかかってるとはいえ、神を生け捕りにしてしまった魔法使い。
カッサーヴの突き抜けた欲深さと邪悪さに、私は崇拝に近い敬愛を抱いているわけです。


おまけの豆知識)

「マルペルチュイ」に登場するゴルゴーンの娘は、首を切られてしまったメドゥーサとは違って、不死身のステンノー、エウリュアレーの二人の姉のうち、エウリュアレーの方です。
人間としての名前はウリアル。
他の神々は死にかかってるがゆえに、ゼウスやヘラでさえもボロボロの年寄りと化していますが、彼女だけは若々しく美しい。
その理由を、ジャン・レイは「恐怖こそは永遠に続く信仰なのだ」と述べております。

個人的に世界最高の幻想文学の傑作と崇めています。
必読!!
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