「そんなにもあなたはレモンを待っていた」で始まる
智恵子抄の中のレモン哀歌は、詩集の冒頭に置かれた
「人に」と並んで、かつて僕の愛誦した詩です
さすがにこの歳では詩を暗誦することなどなくなりましたが
中学から高校にかけての多感な時代
まだ純真無垢でありましたから、一方では光太郎・智恵子の清冽な
夫婦愛に感じ入る年頃でもありました
「トパアズ色の香気が立つ」とか「涼しく光るレモンを」
などのフレーズに惹きつけられたものです
愛妻智恵子の臨終の哀しみの瞬間をレモンによって
永遠の愛に昇華した名作といえましょう
現実にはこのご夫妻はお世辞にも美形とはいえないので
随分イメージが裏切られるのですが
今日は智恵子の没した日
レモンの日と呼ばれているそうです
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