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2026年10月31日05:43

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「コーンポケット」のCDを聞く(8451)

「森の歌」の本番前、東京混声合唱団から各パート1人ずつが指導に来られた。バスは牧山亮さんである。パート練習の際、男声4人で「雨」を歌ったCDを紹介された。その時は持ち合わせがなかったので、後日送ってもらった。

「コーンポケット」というグループである。4人とも東京藝大声楽科出身のオペラ歌手だ。オペラ歌手がアリアや歌曲を歌うのは珍しくないが、このグループは高田三郎の「心の四季」と多田武彦の「雨」を歌っている。

声楽を習う前は、声楽家の合唱なんて、と思っていた。実際、市販されている合唱のCDも、アマチュア合唱団の演奏が多かった。もちろん、その中にもプロはいたのだろうが、声楽家が集まって歌う合唱に、それほど魅力を感じていなかったのである。そう思っていたのは自分だけではない。BSでフォレスタの演奏を見ても、特に感動することはなかった。そもそもスタイルが違うのだろう。マイクを使って歌うと、こういう感じになるのかなと思っていた。

ところが、数年前、師匠が出演したびわこアンサンブルの演奏を聴いて、これは上手いと思った。一人一人の歌唱力が高いだけではない。それぞれの声が全体のアンサンブルに集約されていた。個々の声を聴かせるのではなく、声が溶け合うことで音楽が生まれていたのである。

今回のCDの「心の四季」は自分は混声合唱で歌っている。やはり、この曲の持つ世界観や音楽の広がりは、混声の方が豊かだと思う。それでも、「水すまし」の繊細さと「雪が」の強烈な表現には心を動かされた。何より、言葉が明瞭である。藝大声楽科出身のオペラ歌手が、なぜこの組曲を選んだのか、一度聞いてみたいものだ。

「雨」は男声合唱の定番である。自分もカルテットでも大人数でも歌ってきた。個人的には、ダブルカルテットくらいの編成が最も聴きやすいと思っている。

「コーンポケット」の演奏は、言葉を一つ一つ丁寧につないでいく。誰が歌っているのかを知らずに聴いたら、これがプロのオペラ歌手によるカルテットだとは思わないかもしれない。それほど、個々の声が自己主張せず、アンサンブルに溶け込んでいる。「群鳥」と「雨」は特にいい。4人それぞれが十分な技術を持ちながら、それを前面に押し出さず、一つの音楽を作り上げている。これはすごいことだ。

声楽家というと、どうしても一人一人の声の魅力や歌唱力に注目しがちである。しかし、合唱では、それだけでは足りない。自分の声をどう響かせるかと同時に、ほかの声とどう調和させるかが問われる。個人の技術を持ちながら、それを全体のために使う。言うのは簡単だが、実際にやるのは難しい。

こういう演奏を聴くと、やっぱり男声合唱がいいかなと思う。
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