"The most powerful piston engine car ever built(史上最もパワフルなピストンエンジン車)"として、QUAD AL(クアッド・アル)という4輪駆動のクルマがギネスブックの1974年版に掲載されています。何と12000馬力ですと。
https://i0.wp.com/www.macsmotorcitygarage.com/wp-content/uploads/2022/07/Quad-Al-LF-600.png?resize=545%2C400&ssl=1
「アル4つ」という意味の車名は、アメリカ・インディアナ州のアリソン(ALLISON)製の液例(水70%+エチレングリコール30%)V型12気筒スーパーチャージャー付28021ccエンジン(第二次世界大戦の戦闘機用)が4基搭載されていることを表しています。下記はエンジン単体です。
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これが4基ですから、その総排気量は28021✕4=112084ccです。何と112リットル!
ボアが5.5インチ(139.7mm)、ストロークは6.6インチ(152.4mm)もあり、ボクが愛用しているナベをグッと深くした感じ(直径はほぼ同じ)です。巨大です。これが48個も!
アメリカで昔から人気の、1/4マイル(約402m)の直線をどれだけ短時間で走り抜けるかを競うドラッグレース用のマシンで、重いエンジン(約655kg)を4基掲載するために車重3175kgと超ヘビー級でしたがタイムは3.7秒ほどだろうと噂されました。
しかしその実、一度も走行していません。完成させられなかったからです。Jim Lytle(ジム・ライトル)という人がこのモンスターの構想を固めて製作に着手したのが1964年の冬。翌1965年に主要部分が完成してお披露目しましたが、走れる状態ではありませんでした。ケタ外れのエンジンパワーに耐えられるクラッチやギアボックスの開発資金を工面することができなかったのです。
そのため、ギヤボックスもベルハウジングも中は空っぽのダミーでプロジェクトは未完成に終わりました。ジムは展示用として割り切っていたとか。
直進コース用なのでフロント・ホイールはステアしません。デフ(ディファレンシャル)ケースを利用した単純なリジッドのアクスルです
https://share.google/FV681Z2flgTZ04qAs
運転する際はリヤのバンジョー・アクスルの上部に座るようです(シートは無い?)。フロントと同じバンジョー・アクスルかと。
https://share.google/0ficCE83Dpsuw3etJ
写真を見る限り、前の2基のエンジンがフロント・ホイールを、後ろの2基のエンジンがリヤ・ホイールを駆動する4輪駆動に思えます(バンジョーアクスルとエンジンと間の黒い筒はギャボックスかと。中身は空っぽのダミーに過ぎませんが)。
1965年終盤、ジムはTex Collins(テックス・コリンズ)という結婚歴16回(!)のハリウッドのスタントマン(乗馬)に未完成のマシンとトレーラーを合わせて4000ドル(現在の価値で800万円ほど)で売却しました。
https://share.google/qwmRfwLs8IzVCOMHY
因みにクルマの原価は2000ドルほどだったとか(エンジンは戦争放出品が100ドルほどで入手できたそう)。
コリンズは完成を目論みましたが、1976年(50歳)に銃殺されてしまい計画は頓挫。
現在はMike Guffey(マイケル・ガフィ)という人が未完成のまま所有しています。
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