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2026年10月26日15:36

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神社には後戸(うしろど)がある!

出口光

「神社には後戸(うしろど)がある!」

今日は日本文化の奥深さをお話ししたいと思います。
私たちが神社で拝んでいる神様の後戸(うしろど)に隠れている神さまがいる!
「え、どういうこと?」と思いますよね。
神社の本殿でお祈りをしますが、そのはるか向こうに奥宮というのがあるのを、聞いたことはありませんか。
そこに本体があると言われています。
つまり、本殿の先には奥宮という後戸(うしろど)がある。

さらにトリッキーなこともあります。
出雲大社は大国主(オオクニヌシ)を祀っています。
本殿は北を背に建てられています。
私たちは南から北に向かってお祈りをする。
しかし大国主は西に向かっているのです。
そして大国主を祀る本殿の外の柵の向こうにしかも正確に北の位置に大国主の曽祖父スサノオを祀る小さな社があります。
つまり、私たちは、北向きにお祈りをするにも関わらず大国主は西を向き私たちの祈る方向の真北にはスサノオがいるのです。
これが神道は「隠身」(かくりみ)と言われるゆえんなのです。

さらに後戸の神の先には広大な時空(幽界)が存在しています。
伊勢神宮の本殿も北に背を向けて建っています。
その後ろにある山、空、宇宙が存在します。
つまり、山が御神体であり、さらには北斗信仰(北極星信仰)が隠れています。
そこに意識を馳せると、あなたは後戸に立つことになる。
そこは幽玄の世界です。
幽玄の世界と結びついて現実世界に芸を表すことによって日本の芸道や武道は成り立っていると言ったらあなたはどう思いますか。

そして、その後戸の神の場所は特別なところばかりにあるのではなく、いたるところに偏在しています。
それは路傍の石にも、木にも。
万物に後戸があり、その先は、広大な宇宙と繋がっています。
そして、それは、私たちの心の中にもあります。
心の底には後戸があり、その奥には魂があり、その後戸を開けると根源的なスピリットが存在しています。
後戸にある広大な時空から現実の世界が生み出されています。

「ある」の世界は「幽玄(幽界)」に源流を持っているとしたらどうでしょうか。
後戸の世界を感じ、それを表現して生きるという選択肢が浮かび上がってきます。
その道を選んだ人は表面的な価値や富、権力の世界に住みながらも自らは幽玄の世界に足場を置いて生きることができます。
幽玄の世界にいて有限の世界を生きるという生き方は迷信と片づけることはたやすいかもしれません。
しかし私たちの祖先は、そこに真理を見出して日本文化の中に織り込んできたのです。
俳聖・松尾芭蕉は「虚にいて、実を行うべし」と言っています。
後戸の世界を知っている芭蕉!
すごい言葉ではありませんか。
今日はあなたも物事の奥に後戸がありその先には広大な幽玄の世界があると感じながら生きてみませんか。
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