「フィッシング」の話ではない。発言小町の「釣り」の話である。
発言小町(読売新聞)で、いろいろな相談や意見が投稿され、それに対して読者がコメントを付ける。中には、どう考えても不自然な内容の投稿があり、「これはフェイクではないか」「コメントを集めるための釣りではないか」と思えるものがある。
多くの人は、投稿された内容を真面目な相談として受け取り、それぞれの立場から意見を書く。しかし、読んでいるうちに「本当にこんな話があるのか?」と思うようなものもある。
今回の投稿もかなり怪しい。
38歳の契約社員の女性が、結婚相手が見つからないので友人に相談したところ、「希望するレベルを下げたら」と言われた。そこで、自分はそんなに高望みなのか、という相談である。ところが、その希望する相手の条件がすごい。
年齢は20〜30歳。東大か京大卒。年収600万円以上。身長175センチ以上。バツイチ不可。喫煙不可。
38歳の女性が、20〜30歳の男性を希望する。この時点で「うーん」となる。30歳なら8歳下、20歳なら18歳下である。しかも、そこに東大・京大、年収600万円以上、身長175センチ以上、初婚、非喫煙という条件が加わる。もちろん、どんな条件を希望するかは本人の自由だ。しかし、これだけ条件を重ねれば、対象者はかなり限られる。
さらに本人の条件のレスがついた。
私立短大卒。英検準2級などの資格。年収250万円。容姿は「そこそこ」。
ここまで来ると、「本当の話なのだろうか」と思ってしまう。別に、私立短大卒だから悪いとか、年収250万円だから結婚相手を選ぶ資格がない、ではない。問題は、自分が相手に求める条件と、自分について書いている条件との落差があまりにも大きいことだ。
ひょっとすると、友人が面白半分に代わって書いたのかも、本人が最初からコメントを集めるつもりの「釣り」なのか。
真相は分からない。ただ、釣りとして見ると、ずいぶんよくできている。
38歳なのに20〜30歳。東大か京大。年収600万円以上。身長175センチ以上。バツイチ不可。そして自分は年収250万円。
これだけ材料を並べれば、「それは高望みでしょう」「現実を見たほうがいい」「自分の条件はどうなのか」と言いたくなる人が次々に現れる。コメント欄が盛り上がるのも当然である。
そして2回目のレスがまた面白い。「国家公務員の夫がいる友人に紹介してもらおうかな」また新しい材料が出てきた。そしてすぐに受付停止になった。
視聴ランキングを見ると、トップになっている。コメントをたくさん集めるという目的なら、もう十分に達成したということだろう。本当の相談なのか、釣りなのかは分からない。だが、もし釣りだったとしたら、読者が真剣に「高望みだ」「いや、本人の自由だ」と議論している横で、投稿者はコメント数とランキングを見ながら、「釣れた、釣れた」と喜んでいたのかもしれない。
そう考えると、なんだか笑える。
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