前の畑で家庭菜園を始めた時に、いちじくの苗木を2本買って、畑の隅に植えた。1本はすぐに枯れてしまい、もう1本も少し大きくなって小さな葉が3、4枚ついている程度。かろうじて生きている、という感じだった。
今の畑に移るとき、そのいちじくも掘り上げて持ってきた。植えた場所は浜側の隣地との境。そこには誰も住んでいない古い家があり、日当たりが悪かったので、ここでもまあ無理だろうと思っていた。
ところが2年ほどして、その古家が取り壊され、更地になった。すると、それまで日陰だったいちじくに陽が当たるようになった。それからは面白いほど成長した。どんどん大きくなり、年によっては20個以上の甘い実が採れるようになった。
ところが今度はカミキリムシに入られた。幹の中が食われて空洞になり、このままでは親木も長くはもたない。そこで、いちじくを増やせないものかと調べたところ、枝を切ってジップロックに入れ、冷蔵庫で冷やしておくという方法が紹介されていた。試してみることにした。
10日ほど寝かした20センチほどの枝を3本、離して植えた。1本はすぐに枯れたが、2本は根付いた。やがて1メートルほどに成長し、今年で3年目になる。まだ枝も細くて頼りないが、葉は広がっている。
そして、ついにそのうちの1本に実がついた。まだピンポン玉くらいの小さな実だが、食べてみると甘くておいしい。今のところ3個ほど収穫した。もう1本にはまだ実がつかない。同じ親木から取った枝なのだから、兄弟というか双子のようなものなのに、成長の速さはずいぶん違う。
一方、親木はもう寿命のはずだが、まだ元気だ。高さは4メートルほどになり、大きく枝を広げている。今年は2年ぶりに実もつけている。またカラスに食べられるだろうが、それもまあいい。
それにしても、自分の畑で採ったいちじくは、スーパーで売っているものよりはるかにおいしい。なぜかな。たぶん、完熟するまで木につけておけるからなのか。採ってすぐ食べるからなのか。
いずれにしても、まだしばらく楽しみは続く。
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