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2026年08月15日05:47

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40年分の授業記録(7988)

「和ダンスの引き出しが重いから、上に載せてあるものを整理して」と妻に言われた。和ダンスの上にはバッグ類や大きなコンテナがある。コンテナが重くて降ろせないので覗いてみると、本が詰まっていた。小分けして降ろし、紐で縛った。退職した時に段ボール箱10箱ほどの本を処分したが、残してあった希少な本などである。その中から、授業の週間予定表を綴じた冊子が出てきた。

初任でろう学校に赴任したとき、すぐに教職員組合に加入した。まだ主任制、日の丸・君が代、初任者研修などをめぐって教育現場が揉めていた時代である。授業の予定表を出すように言われたが、自分は拒否した。

「出しません。ただ、作って机の上に置いておきますので、いつでも見てください」

今考えても、新採教員としては鼻っ柱が強かったと思う。それもあって1年で異動になったのかもしれない。ところが、この授業計画表は、その後63歳で教員を辞めるまで、ずっと作り続けた。4月に時間割が発表されると、A4一枚に1週間分の授業のコマ表を作り、教える内容を書き、授業が終わると結果を簡単にまとめる。毎時間、教科書や資料と一緒に授業へ持って行き、終わると机の上に置いておく。1年で一冊になる。結局、管理職がのぞいて見ることはなかった。見てほしかったんだが。

学校行事や年休なども書いてある。これに座席表や試験の成績を重ねて見ると、どんな授業だったのか、生徒の顔とともに思い出すことができる。単なる授業予定表ではなく、40年間の教師生活の記録そのものだった。

今回のコンテナに入っていたのは4冊で、残りは別の段ボール箱に入っている。今となっては、それを誰かが見るわけではない。この際、まとめて処分してしまうことにした。ただ、コンテナの整理に時間がかかったので、段ボールの分は後日にした。

学級日誌も残っている。これも整理する。年度末に教務へ提出するのは家庭環境調査票、出席簿とエンマ帳(成績原簿)で、学級日誌は持ち帰ってある。そこには当番生徒の記録と、自分のコメントが残っている。これも開けば、当時の教室や生徒たちの顔がよみがえるだろう。しかし、これも今から誰が見るものでもない。

自分にとっては40年間の大切な記録でも、残しておけば、最後には妻が片付けることになる。もう全部処分しないと、後に残るだろう妻が苦労する。自分の人生の記録を、自分で片付ける。終活だな。
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