手元に Black CAS と書かれたカードがある。ネットで調べると、「違法なので直ちに廃棄せよ」という説明がまず出てくる。
これはかなり昔に購入したものだ。当時はまだサブスクリプション配信など存在せず、BSの有料放送を視聴するためには相応の契約と設備が必要だった。母親が脳溢血で倒れ、半身不随となってベッドで過ごす時間が長くなったため、有料放送を契約したが、月々の費用は決して安くなかった。
そうした事情もあり、このカードを5万円ほどで購入した。有料放送の多くが視聴可能になり、結果的には1年も経たないうちに元は取れたと思う。
もちろん、放送局側も黙ってはいない。違法視聴に対抗して暗号化方式を更新し、それに対してカード側のデータを書き換える──そんな「いたちごっこ」がしばらく続いた。カードの出所は台湾か香港だった記憶があるが、その後、国内でも模造品が出回るようになり、代金を振り込んでもカードが届かないといった詐欺まで発生した。そもそも違法な物品であるため、被害に遭っても泣き寝入りするしかなく、注意喚起が出ていた。
現在は、テレビに UBOX という機器を接続している。インターネット経由で世界中のテレビ番組が視聴できる、という触れ込みに惹かれて試しに購入した。屋上のアンテナが故障して以降、地上デジタル放送はテレビ脇に設置した手製のミニアンテナで何とか映るが、BSは受信できない。UBOXを通すと、BS相当の番組が視聴できることもあるものの、画質は良くない。これは回線速度の問題というより、配信方式そのものの限界だろう。
そんなわけで、映画鑑賞については半ば諦めている。YouTubeの映画紹介で「ちょっと見たいな」と思った作品があり調べてみたが、AmazonにもNetflixにもU-NEXTにもなかった。「韓国TV」系のサービスを契約すれば視聴できるようだが、一本の映画のために新たなサブスクを増やせない。
試しにUBOXで検索してみると、ここには現在上映中の作品まで表示される。権利的にはかなり怪しいのではないかと思うが、肝心の見たい作品は見つからなかった。
そうなると、残る選択肢はゲオということになる。ただ、そこまでして見たいかと言われると、正直そこまでは、という気持ちもある。
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