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2025年04月08日06:47

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広島の灰の中から甦った現在


父たち同志が若かったころ、広島の灰の中から甦り、コミュニティを重視する社会として成功した日本は賞賛されました。日本が工業大国として台頭していく様子を見ながら、それでも、当初、日本の企業組織の特徴を懐疑的に捉えていた。日本の労働者たちが社歌を歌っているのを知って驚いたりもしました。

しかし、トヨタがGMを追い抜いて世界一の自動車会社になり、GMを最終的に破産に追い込むと、そのような日本的特徴の多くが実は強さの源泉であることに世界各国は気がつきはじめました。

何よりも、従業員とサプライヤーが、共通の目標を達成するために一緒に努力する、信頼できるパートナーだという感覚は、高い品質、少ない在庫、そして短いモデルサイクルの達成を可能にしました。これらの要因によって、日本企業は製造業の多くの分野でグローバルなリーダーになることができたのです。

日本のビジネスは、社員食堂に象徴されるような「仕事のコミュニティ」であり、終身雇用の想定がそれを強化しました。同じ精神で、日本人は、「場のコミュニティ」に集い、人々は互いに信頼し合っていました。日本の人口一人当たりの弁護士の数は、アメリカの20分の1でした。

欧米の企業は日本のやり方を表面的に真似ようとしたし、そうすべきだと主張する英語の本が数多く出版されましたが、言論界・学界の支配的な考えはまったく違っていました。個人主義が経済的思考と政治哲学の中心テーマとなっていきました。

経済主体は利己的で効用や利潤を最大化する個人であり、企業は人為的な仕組みであり、法的には擬制であり、その唯一の目的は株主価値の最大化でした。政治的右派は、市場がもたらすものを当然の権利と捉え、左派は連帯よりも人権を強調し、コミュニティはどちらにとってもほとんど意味を持たないのです。

次の世代が今の世代よりも良い未来を享受できるようにするための犠牲を払うことは、今の大人世代の個人的権利と快楽を優先して忘れ去られています。1980年代、レーガンとサッチャーの時代に、そのような考え方が西側のビジネスと政治を支配するようになりました。自動車や電子機器と同じように、アイデアも今では国境を越えていきます。

1990年代の初めに日本の不動産バブルが崩壊すると、日本の台頭と日本のビジネス手法を受け入れようという陶酔ムードはすっかり消えてしまいました。その次の10年間に、再び勝利を収めたのはアメリカのビジネスモデルでした。インターネットの時代が到来し、 社歌の時代は終わりました。

個人主義を称賛しコミュニティを軽視する自己中心的な思想を取り上げ、それを正当化してきた議論がもはや知的に支持できないことを示そうとしています。そのような思想が社会で支配的であり続ける限り、社会は深刻な分断と機能不全に陥るでしょう。

我々の希望を込めたメッセージは、10年前の金融危機に続いて、新型コロナウイルスのパンデミックとロシアがもたらした地政学的緊張と団結により、ついに支配的な思想をリセットできる瞬間が来たかもしれないということです。

新しいリーダーたちは新しい状況に直面しています。ヨーロッパはロシアのウクライナ侵攻に永続的に対処していかなければならないのですが、日本に目を向けると、岸田文雄元首相と国会が社会の深刻な問題に立ち向かおうとしていました。

日本は、韓国との激しい論争で身動きが取れなくなっているときに、中国による台湾への脅威に立ち向かわなければならないでしょう。同時に、政治家が数十年にわたって無視してきたために危機的状況に陥ってしまった二つの国内問題は、もはや先送りすることができないところまできているのです。

東京を除く日本のほとんどの地域が急速な過疎化に苦しんでいます。そして、日本の将来に影を落としているのが、非常に低い出生率です。人口が減少している社会は、持続可能ではないでしょう。若者の数が減少し続け、急速に高齢化する社会では、イノベーションとデジタル化を通じて経済の活性化を図ろうとする賢明な願望は実現できないでしょう。

国際的には、好戦的な中国に対して、ロシアとの協力が不可能であることを考えると、日本は共通の防衛のために東アジアの民主主義国を結集していくことを求められています。そのためには、征服と帝国の時代からの遺産である古い傷を癒す必要があるのです。

このプロセスは、それぞれの国のソーシャルメディアの残響室で煽られた有害な怒りによってさらに困難になっています。各国が相互に警戒を強める新しい時代は、憎しみを煽るパフォーマンスを葬り去る機会であり、国内のコミュニティを強化しながら、 アジアのコミュニティを構築する機会でもあるのです。

国内を見ると、東京と地方の空間的な格差は、イギリスの経験とそっくりです。イギリスでは、政治家たちは繁栄する首都ロンドンを中心に暮らし、主にその中だけで話し合ってきました。地方から社会的に切り離されていたため、地方で高まる不満、絶望と怒りに気がつかなかったのです。

しかし、地方にも票があり、憤慨した有権者たちはブレグジット(イギリスEU離脱)の国民投票と2019年の選挙の機会をとらえ、正常な政治と見なされていたものを覆した。ある意味で、日本の2021年の選挙は、同じような反乱の瞬間でした。唯一の救済策は、大都市のエリートが権力とリソースを地域社会に委譲することだと提言しています。

イギリスと同様に、日本も場のコミュニティを再構築する必要があります。ヨーロッパから見ると、日本の大きな国内課題は人口問題です。多くの日本人男性は、多くの女性がもはや受け入れることができないジェンダーの役割の古い考えに今も固執しているように見えます。その結果、結婚して子供を育てようとする日本人女性が少なくなっているのです。

国際的には、男女間の賃金格差の推計で日本は120位にランクされており、すべての主要先進国の中で最も低い水準にあります。日本の労働組合運動の新しいリーダーに初めて女性が選ばれたことは、ここでもリセットの機会を提供することになるかもしれません。若い女性たちに国に対する義務として子どもを産ませようとする試みは失敗しました。

力を持つ者が自ら犠牲を払うことなく、道徳的義務について弱い者に説教しようとする限り、失敗し続けるでしょう。それは多くの男性にとって苦痛かもしれませんが、結婚と子どもによって報われる平等なパートナーシップのほうが、今のあり方よりも魅力的であることに気づくことでしょう。

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