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2025年04月05日07:57

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誰にでも向上の余地がある


阪急グループの創始者、小林一三氏は、日本が生んだ偉大なイノベーターと言われます。大衆都市文化を創造するというビジョンを描き、鉄道、住宅、百貨店を一体化し、システムとして展開した起業家ですが、そのシステムの一環として宝塚歌劇団をつくったことでも世に知られています。

個々の事業を独立して考えるのでなく、つながりを意識するアナログ思考がうかがえます。その小林一三氏の話の一つに、5つの「かん」と第六勘というものがあります。第六勘は戦国武将、武田 信玄の参謀であった山本勘助の勘をとった言葉です。

5つの「かん」とは以下のものです。
・観:他人の目でなく自分の目で見る。真の姿を見ようとする
・看:変化を見る。看護とは患者の容体の変化を見るという意味です
・鑑:状況を分析し、吟味する。絵画や骨董品などの美術品の真贋を鑑定する鑑です
・関:その状況と他の状況の関係を見る
・感:そして何かを感じる

小林一三氏は、この5つの「かん」があって、最後に第六勘、すなわち閃きが生まれるといいます。何もしなくて突然にすごいアイデアが開くことはないのです。IBMには有名は THINK という言葉があります。

しかし、THINK の前にやるべきことがある、というのです。それは Read Listen Observe、Discuss の4つです。過去に起きたことは本に書かれています。まずは本を読め、です。でも今、起きていることはまだ書かれていません。ですから人に聞け。

そして、興味を持ったら自分の目で見に行く。そのうえで同僚と会話する。この4つを行って初めて THINK だそうです。内容は異なりますが、良い閃き、良い思考のためにはそこに至る連続的なステップ、アナログなステップがあるということです。

ヒューリックの西浦三郎氏は、1年間で200冊の本を読むそうです。私は海外の経営者、米国や欧州、中国のリーダーと交流する機会が多いのですが、懇親会や交流会などに招かれると緊張します。

昼間の会合や講演会などでは名刺交換が中心なので何の問題もなく消化できますが、夜の懇親会や交流会になると突然、プライベートな会話になり、そこで教養の差を見せつけられることが多いのです。教養は読書量に相関します。

米国のワシントンDCにはアスペン研究所という、経営者が読書を通じて対話し教養を深める場所があります。富士ゼロックスの小林陽太郎氏の尽力で日本にも支部が存在しますが、欧米や中国の経営者の読書量は相当なものです。

このように考えると、ロジカル思考や分析思考は持って生まれた能力、頭の良さであり、努力によって大きく高まるものではない一方、アナログ思考、直感力は読書、人との会話、様々な経験の蓄積が生み出すもので、努力によって培われるものと言えます。とすれば誰にでも向上の余地がある、ということで勇気づけられます。

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