mixiユーザー(id:140098)

2025年03月01日17:24

18 view

吉祥寺映画祭2025・2日目(2/22)

2月22日(土)。吉祥寺国際アニメーション映画祭2025の2日目。
フォト
三鷹の森ジブリ美術館連動企画「アニメーションの世界をつくる」として14:00からプログラムA望月智充監督作『海がきこえる』上映、16:00からプログラムB細田守監督作『サマーウォーズ』上映+18:00からトークショー「アニメーションの世界をつくる」武重洋二美術監督・細田守監督トークショーが行われた。
フォト
フォト

まずは14:00からの『海がきこえる』上映へ。
フォト
『海がきこえる』は1993年、スタジオジブリ制作のテレビスペシャル。日本テレビ開局40周年記念番組。原作は氷室冴子の小説。
脚本=中村香、作画監督=近藤勝也、制作はスタジオジブリ若手制作集団名義、72分。
実は私は初見。何回か機会があったが折り合わなくて。
高知から東京の大学に進学した杜崎拓が高校時代の風変わりな転校生・武藤里伽子との思い出を辿る。
吉祥寺駅も舞台の一つとして登場する、いわばご当地映画でもある。
里伽子に振り回される主人公、二人だけの宿泊、と現在では定番になった青春エピソードだが瑞々しい。テレビスペシャルという先入観よりもずっとしっかりした作り。
里伽子を演じる坂本洋子の声はアニメ的で甘すぎる感。違う声ならもっと里伽子の大人びた魅力が出たかと思う。
近藤勝也氏のキャラクターは魅力的だが、大学生となったクラスメートの見分けがつきにくかったりした。
しかし、今となっては若手でこれだけの作品を、志を持って作り上げたということが素晴らしい。
背景を含め、大画面に耐える。劇場上映も繰り返される筈だ。

次の『サマーウォーズ』はパスして2階で行われているという映画祭の資料展示を見に。
フォト
過去のポスターやリーフレット等の紙資料のパネル展示だが、内容の充実に驚く。
フォト
メインビジュアルの作者に森本晃司、江口寿史、片渕須直、大友克洋、楳図かずお、など沿線ゆかりの大物がずらり。
フォト
フォト
チェブラーシカや、ひつじのショーンとのコラボでストップモーションアニメーションフェスティバルも行われ、
フォト フォト
叶精二氏の著書『日本のアニメーションを築いた人々』関連で小田部羊一氏を招いてのトークショーや、「宮崎アニメの原点と動きの魅力」と題して『カリオストロの城』上映&『王と鳥』上映+トークショー(ゲストに本田雄、井上俊之、島本須美)の豪華プログラム等々も行われていたのだった。
フォト フォト
2月の末という厳寒期に加え、3月のTAAFにも近いので二の足を踏んだと思われるが今からでも行きたいくらい。

その後、マルイやアトレなど吉祥寺駅周辺の商業施設に設置されている「ジブリの名場面!背景美術フォトスポット」を見に。
フォト フォト
フォト
マルイでは『哀しみのベラドンナ』原画復元計画による「深井国 美術復元原画展」も鑑賞。
フォト
フォト フォト
多くの会場が協賛していて、地域に根差す映画祭なのが伝わる。

頃合いを見て公会堂に戻り、18:00からのトークショーへ。
フォト
同じようにロビーで待つ人も数人。
トークショーは『君たちはどう生きるか』『サマーウォーズ』の美術監督・武重洋二氏と『サマーウォーズ』の細田守監督が登壇。聞き手は津堅信之氏。
当初は映画の美術を志していたという武重氏のアニメ初仕事は『オネアミスの翼』。
自身の仕事をファイリングした資料を携えて舞台上で披露。これは最前列でないとだめな回だった!
これまで大勢の人に師事したが、厳しかったのは山本二三さんだったという。
美術の仕事には大勢のスタッフの中の一人なので拘りはないと言い、背景だけでは画面として未完成なので裏方意識が強いと言う。
これには細田監督も「それは謙遜ですよ」と異を唱える。背景美術それ自体が魅力的だと。
武重氏は、宮崎監督は指示が的確、高畑監督はこうじゃないと言うがどうするかは言わないと。
話は多岐に渡り、津堅氏の巧みなリードで細田監督版『ハウルの動く城』にも及ぶ。
細田監督の口から『ハウル』には武重氏も入る予定だった、実写畑の城定(じょうじょう)秀夫氏が美術に予定されていた、などの秘話も。監督はすぐに、今は闇から闇へなのでこのくらいにしておきましょうと収めてしまったが歴史的な瞬間だった。
この日は客席とのQ&Aも行われ、女性からの美術監督と背景マンの違いは?の質問に、武重氏は美術監督ではいろいろな色を試すのが楽しい、背景マンは試すのがつらいとユーモラスに。
大量なのでトークの全部は書けないけれど、プロフェッショナルとしての細部にも及ぶ充実したいい時間だった。満足して帰途に。
6 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2025年03月>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     

最近の日記

もっと見る