9月22日(日)。
福岡県古賀市で開催された「井上泰幸のセカイ展」へ。
会場は古賀駅から歩いて6分、リーパスプラザこが内の古賀市立歴史資料館2階ギャラリースペース。
「古賀が生んだ特撮美術の匠」井上泰幸氏の業績を振り返るもので9月7日〜10月6日の開催。
9月21日には『ウルトラQ』から『ゴメスを倒せ!』『クモ男爵』の上映とゲストの三池敏夫・特撮美術監督と井上氏の姪の東郷登代美さんのトーク(司会・坂口将史)、
22日には『巨神兵東京に現わる』(樋口真嗣監督)&メイキング、須賀川市の特撮塾生制作の怪獣映画2本が上映され、「文化として根付く特撮」のトークショーが行われた。
会場の様子。
『ラドン』に登場の西鉄電車の模型なども。
展示の目玉はラドンに破壊された福岡天神の岩田屋デパートの巨大ミニチュア。
これは井上氏が遺した資料を元に三池監督らが制作したもので、佐世保での井上泰幸展の際に作られた。
全高1.6メートルの巨大さ。
屋上の遊具や、現地ロケ当時に設置されていた工事用足場も再現。
ショーウインドーも細かく。
隣接する福岡天神駅の案内看板も再現。地名が微妙に違うのがご愛敬。
背景も素敵。
裏側はこんな風。
特撮シーンを再現できる仕組みも。
福岡市民から寄せられた岩田屋の思い出や、古賀市と井上家の関わりなど、地域密着の展示もある。
上映とトークショーは離れた大ホールで開催。
立派なホールに驚くほどの入り。
『巨神兵東京に現わる』を観るのも久しぶり。
最初のスタッフタイトルで「巨神兵 宮崎駿」と出るのが妙に可笑しい。着ぐるみではないのだが。
これ、メイキングの『巨神兵が東京に現われるまで』が最高で、これなくしては意味をなさないと言って過言ではないほど。
東京都現代美術館で2012年に開催された大展示「館長庵野秀明 特撮博物館」の為の作品で、当時存続の危機に陥っていた特撮のモノと技術を記録し保存する為のもの。
樋口真嗣監督の下、日本中のミニチュアと特殊撮影の技がありったけ込められている。
特にビル破壊の為に考案された2つの方式、テンパーグラス式と伊原式がどちらも試みられているのが貴重。
この辺を書いていると長くなるので割愛。
円谷英二の故郷、須賀川市で行われている特撮塾の作品もなかなか見る機会がない貴重なもの。
塾長に近年のウルトラシリーズで大活躍の田口清隆監督を迎え、須賀川市内の中高生を対象とする試み。
これもメイキングが付いていて、本当に一から塾生の意志と行動力を信頼して任せる方式。
中高生ならではの発想のデザインとネーミングの怪獣が須賀川市を舞台に暴れ回る。
後のトークショーでは、不登校の人もいる塾生たちに自主性が芽生え友情で結ばれる様子も語られた。
トークショーは前日と同じ坂口将史氏の司会で、古賀市長・田辺一城氏、井上氏の姪でアルファシップ理事の東郷登代美氏、特撮美術監督・三池敏夫氏、操演・中山享氏、が登壇。
田辺市長が須賀川市を訪問した際のスナップ等の投影を見ながら熱く語り合った。
トークの内容について詳しくはSNSに書かないようにとのお達しなので略すとして、1980年生まれという田辺市長の特撮で町おこしをとの意欲は本物であるようだ。
今回の展示も古賀市・古賀市教育委員会の主催。
これは古賀市の田辺市長のブログから、この日のトークショーの様子。
https://www.city.koga.fukuoka.jp/blog/item/4367
東郷氏の亡き井上泰幸氏への思いも熱く、その業績を後世に語り継ぎ、残された資料を生かしたいとの思いに胸を打たれる。パワフルな行動派の女性だ。
これは最後のフォトセッション。
終了後に別室で同時開催の古賀怪獣談話室の特撮物販を覗き、隣接するイタリアンのお店で美味しいピザを食べて帰途に。楽しい一日だった。
おまけ。可愛いはにわの顔はめと古賀市のマンホール。

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