mixiユーザー(id:140098)

2024年09月25日13:15

56 view

「輝け!G9+1、アニメーションの巨匠たち」

9月14日(土)の前々夜祭と16日(月祝)の当夜と続けて「G9+1の結成20周年を祝う会」の「輝け!G9+1、アニメーションの巨匠たち」を観覧。
フォト
会場は荻窪の杉並公会堂。
「G9+1(ジーナインプラスワン)」とは通称「世界最高齢(?)のアニメーション創作グループ」。
結成は2004年頃なので今年で約20周年。
結成の切っ掛けは、川本喜八郎さん発案の世界規模のオムニバスアニメ『冬の日』の参加だったらしい。
メンバーは「G9(ジーナイン)」が、一色あづる、大井文雄、吉良敬三、島村達雄、鈴木伸一、西村緋祿司、ひこねのりお、福島治、古川タクの9氏(順不同)と「+1(プラスワン)」が一番若手の和田敏克氏。
全員のキャリアを足すと800年を越えるそうだからすごい。
今回は、全員息災な20周年をお祝いしようとのアニドウ主催の大イベント。
16日が本番なのは「敬老の日」に合わせたらしい。

14日の「前々夜祭」では杉並公会堂地下の小ホールでこれまでのほぼ全作品を一挙に上映。
16日には2階大ホールで最新作のワールドプレミアに加え、メンバーの正体に迫る「これがG9+1だ!」、音楽を最多担当された島健氏のバンド演奏、アニメーター小林準治氏の新作短編アニメーションもお祝いに特別上映された。

★14日に上映されたのは以下の7作品(チラシによる)。
・『TOKYOファンタジア』(2005年/8分)
・『穴 The Ten Hole Stories』(2009年/29分)
・『tokyo SOS』(2011年/11分)
・『tokyo 未完成』(2013年/14分30秒)
・『G9+1のナントカ天国』(2016年/22分)
・『九爺一助☆新畫帖』(2017年/6分)
・『…を待ちながら』(2019年/21分)
フォト

小ホールはほぼフラット床に後方のみ階段席。椅子はパイプ椅子に近い。
本来は多目的ホールだからか上映中に何故か左右の壁ばかりか天井の照明までが小さく点灯したままで、やや見にくい。最初は消し忘れかと思ったが何らかの決まりかもしれない。
約200席がほぼ満席の盛況。

作品はメンバーの個性がよく発揮されて面白くも楽しいが、1本につき10人分のオムニバスだから、7本だと短編70本分にあたり、一気に観るにはかなりヘビー。
単純計算でも2時間近いが、短編を数多く観るのは時間以上の集中力と体力が必要で、終わった時にはもう疲労困憊。どこかでお茶でも飲む気力も無く早々に帰ったのだった。

長さも内容もまちまちな作品群だけれど、私が好きなのは『なまくら刀』をもじった『九爺一助☆新畫帖』。何か元があってのパロディはアイディアも湧きやすく面白く仕上がる。
鈴木伸一さんの、武士が試し斬りをしようという相手が『佐武と市』の市やんだったというのが好き。
ひこねのりおさんのは、どれもリズミカルでとにかく観ていて楽しい。
目玉の書き方が独特な福島治(ハル)さんや、さすが短編アニメ作家な古川タクさんもいいし、島村達雄さんが今も『幻影都市』のセンスを持ち続けておられるのもいい。
やはり、10人という大人数で折に触れて互いに助け合い刺激しあいながら作って来られたからこそ20年も長く続けて来られたのだろう。
PAFや、えびせんや、その他全国の自主制作に関わって来られた方々は今どうしているだろうと、ふと感慨に耽ったりもする。

★1日おいて16日は大ホール。
フォト
立派なホールだ。定員約1200も埋まる勢い。客層が明らかに、いわゆるアニメ上映会のものではない。ご親族や仕事関係のお相手も多いのか、ホールのあちこちで挨拶が飛び交う。私は中間の通路に面した列に座ったが、頭を飛び越して通路と客席で挨拶が延々と交わされていた。
フォト
フォト
大ホールには立派な舞台があり、なんと左右に動画机が4台据えられている。
フォト フォト
この為にオープロから運んだそうだ。まさか生作画?と思ったが、単なる舞台装置で、机に向かうのではなく背にして各人がお座りになられていた。

この日の内容は先に書いた通り。
G9+1の方々が客席と舞台を何回も上がり降りされていて端で見て心配してしまったが、皆さんお達者だ。
島村さんは体調の関係で欠席され、ひこねさんも鈴木さんもお年を召したご様子に見えたが、こうして一堂に会することが素晴らしい。

最新作の『As Time Goes By〜時の過ぎゆくままに〜』も、島村さんは上記の通り、鈴木さんは持病の喘息で、もうひと方が目の不調(閃輝暗点)で完成はならなかったそうだが、それでも鈴木さんの分は和田さんの助けもあって原画などの素材を組み立てて披露されていた。さすが一助(いちすけ)。
いやもう、ここまで創作を続けてこられただけで十分に凄いことです。

舞台挨拶では、ひこねさんから次は30周年を目指す(鈴木さんはその時100歳!)発言も飛び出し、実に意気軒高で目出度い限り。実現と皆様の長寿健康を心から祈ります。
G9のGは爺ともグランマグランパともグレートとも意味するそうだ。この辺の自由さも長続きの秘訣なのだろう。
作品の打ち合わせに集まっては楽しい時を重ねる。これも息災の秘訣。
トークで鈴木さんがトキワ壮の仲間は全員あの世へ行ってしまって僕もそろそろかと思うけれど、こっちが楽しくてなかなかその気にならないと仰っていた。その意気ですよ。

島健(しま・けん)さんのバンド演奏も素敵。『白雪姫』のアレンジに始まる。アニドウでは過去に何回もコンサートを催しているが私は聴くのは初めて。大ホールの音響もとてもいい。
島健さんはトークで奥様の島田歌穂さんのことばかり喋っておられたような気がするが、円満で何より。

いろいろあって今日もお腹いっぱいだ。会場には杉井ギサブローさんはじめ様々なVIPの方々も来られていたらしい。休憩時間にロビーに出てみれば良かったかも。
終了後に鈴木さんにご挨拶をと思ったが、次々にサインをねだる人たちに対応されていて諦める。後で考えると、次にいつ会えるか分からないのだった。
会場で受付や物販などを手伝っていた懐かしい人たちともちゃんと話をしておけば良かった。
会場にいると、この日がずっと続くような気がしてしまうので、これはいけない。
今回は「G9+1」の方々のおかげで、こうした場に来ることが出来た。その意味でも非常にありがたい。いつまでも息災でいらしていただきたいものだ。

終幕ではデジタルでお祝いのくす玉も。
フォト

記念のフォトセッションに人が群がる。
フォト


ロビーに飾られた色紙。
フォト

この日の為に、ひこねさんが考案された素敵なロゴの数々。
フォト


会場の杉並公会堂は「ウルトラマン前夜祭」が行われた聖地。壁に記念プレートがある。
フォト
14 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年09月>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

最近の日記

もっと見る