くら寿司は6月1日付けで、社員全員に月額3万円のベースアップすると発表した。その理由は、人材確保のためである。消費者には、商品の値上げに理解を求め、増収分を従業員に還元する。初任給についても、大卒初任給を月額23万円から26万円に改定した。
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<2024年6月4日(火)アルバム「OH MY LOVE」リリース30周年記念>
関連日記 2023年7月10日 アルバム「揺れる想い」リリース30周年記念
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985458793&owner_id=32437106
関連日記 2023年9月16日 ミクロ経済学 ワルラスの法則
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985935178&owner_id=32437106
ZARDの5thアルバム「OHMY LOVE」のリリースは1994年6月4日、丁度30年目を迎えた。初動売上(第1週目)は58万枚、最終的に202万枚を超えるセールスを記録した。1993年7月10日に発売された前作「揺れる想い」に続く、売上ダブルミリオンを達成している。一般の人々の間でも、ZARDの坂井泉水の知名度が高まってきた中、テレビには一切顔を出さず、神秘のベールに包まれていた。今回1994年当時の経済状況と共に、未来の日本を考察する。
写真=OH!MY LOVEのジャケット
人々は、1994年の段階で、景気の波から、再び上昇すると期待していた。前年比マイナス成長だった1993年に続き、94年も経済は底を打ったままだった。経済成長率はプラス0,6%にとどまっていた。
政府に要請されて、日銀は利下げ政策をとった。リストラを敢行した企業が、経営体質の改善を図る中、設備投資をうながした。政府の目玉政策は、金利の自有化である。同1994年10月17日以降、一般市民のお金を預かる銀行が、独自に金利を設定できるようになった。銀行同士の過度な競争を抑制することにより、企業や個人に融資しやすい環境を整えたのである。バブル崩壊の後遺症から、銀行も企業も、個人もリスクを取れなくなった。人々は流動性が高い「現金」に価値を持つようになったのである。消費を控えた結果、経済は落ち込んだままだった。過去の理論と共に、最新金融政策についても紹介する。
第1章 景気の波
我々人間には、調子が良い時もあれば、悪い時もある。半年以上にわたるシーズンを戦う野球の大リーガーでも、必ず成績に波がある。いかに体調をコントロールするのか、日々のトレーニングにもかかっている。確かに完成された一流の野手であれば、バットを振る感覚がずれると、球を当てられなくなり、打率の低下に繋がりやすい。一方で、成長期の野手であれば、バットを振るごとに、球に目がなれて、当てやすくなる。つまりは、経験値を上げることが、成績に直結しやすいのである。
同じように、焼け野原からスタートした戦後の日本は、一貫して右肩上がりで経済成長遂げたとはいえ、繰り返し波があった。過去の景気動向から好況→後退→不況→回復のメカニズムがある。経済学の教科書では短期、中期、長期、合わせて4つの波があると書かれている。景気変動の4つの波は、それぞれ提唱者の名称がつけられた。
・キチンの波(約40カ月周期):在庫循環(企業在庫の増減など)
・ジュグラーの波(7〜10年周期):設備投資循環(設備の買い替えなど)
・クズネッツの波(15~25年周期):建築循環(建て替えなど)
・コンドラチェフの波(50年周期):技術革新
写真 掲載元 miniいけ先生の公民ブログ 2022/03/09 (更新日: 2022/03/10)
【景気循環と4つの波】
https://miniikesensei.com/14/
4つのそれぞれの波は、周期性があるとはいえ、多少なりとも期間は変動する。分析すると、2013年が日本経済の転機となる年だった。日本銀行の第31代総裁ポジションに黒田東彦氏の就任時と重なる。黒田総裁は、日本政府と協力し、デフレ脱却を掲げ、2年で消費者物価指数を2%押し上げる、と明確にインフレターゲットを定めた。金融緩和により、円安へと誘導し、輸出産業の活性化を図り、株価を下支えする。効果は覿面だった。
2013年末日経平均株価は1万6291円を記録した。前年末(1万395円)と比べると、年間で57%上げ、41年ぶりの上昇率を記録した。対照的に通貨「円」は対ドルで昨年末の86円から、105円まで値を下げ、34年ぶりの下落率になった。
詳細 日経新聞 2013年12月30日付け
https://www.nikkei.com/article/DGXNASGC30021_Q3A231C1MM8000/
バブル期以来低迷していた株価の上昇は、起こるべくして起こったとの味方もある。なぜなら、景気循環の4つの波を分析すると、2013年の日本経済は、短期・中期・長期・超長期の4つの景気循環のベクトルがすべて上向きになるからである。1967年以来、実に46年振りの黄金サイクルに達していた。
詳細 日本経済新聞 2013年12月22日付け
https://www.nikkei.com/article/DGXNMSFK2001O_Q3A221C1000000/
1967年といえば、東京五輪(1964年)後の証券不況から脱して、いざなぎ景気の真っ只中だった。ZARDの坂井泉水が産まれたのもこの年である。1961年に池田隼人内閣が掲げた国民所得倍増計画が、早くも同年10月に達成していた。1960年の発足時、目標値は1971年だった。翌1968年には、GDPで西ドイツを抜き、アメリカ合衆国についで、世界2位に達していた。1970年には、八幡製鐵と富士製鐵の合併により、新日本製鐵が誕生し、国際競争を勝ち抜くため、規模拡大に踏み切った。当時の65歳以上の高齢化率は7,1%、若い働き手により、経済が支えられていた
対照的に2013年は、高度経済成長期を支えた団塊の世代が、65歳を迎え、仕事を引退する時期とも重なった。前年の2012年12月26日に発足した第2次安倍晋三政権は、手厚い社会保障のために、経済再生が欠かせないと、訴えていた。景気循環においても、上向きつつあった。4.4年周期のキチン・サイクル(在庫投資循環)と9.4年周期のジュグラー・サイクル(設備投資循環)がともに2012年に底をつけ、上昇局面に達していた。
25.5年周期のクズネッツ・サイクル(建設投資循環)は2010年に、56.5年周期と超長期循環のコンドラチェフ・サイクルも2001年に谷底に落ち込んでいた。周期性から底を打つのはしばらく先になる。奇しくも2013年は、東京オリンピック2020の招致が決定した年でもある。建設投資循環のクズネッツ・サイクルからすると、一気に上昇するはずだった。
確かに、日銀がETF(投資信託)を買い入れることにより、株式市場は活性化した。大企業や一部の投資家は恩恵を受けたとはいえ、中小零細企業を含め、一般労働者は景気回復の実感を持てていない。2022年10月1日の推計で、65歳以上の高齢者の割合は、28,9%、1967年に比べると、4倍にも膨れ上がっていた。
東京オリンピックは、新型コロナの影響により、大会自体を1年先延ばしにし、2021年に開催された。東京オリンピック特需は、複数ある。訪日観光客の増加により、観光業やホテル業界が活性化する。また会場周辺に、観光客が立ち寄ることにより、土産物屋、外食チェーン店にお金を落としてくれる。日本政府も、東京オリンピック2020が、経済再生の起爆剤になると考えていた。ところが、新型コロナの影響により、頓挫した。大会1年延期に伴う、追加費用の発生、無観客開催により、訪日観光客による収入が見込めなかったのである。経済的損失は2兆円との試算結果も出ている。
2022年秋以降、観光立国日本を目指すため、日本政府は外国人観光客の受け入れ人数を、コロナ前の2019年以来の水準に戻した。円安と物価の安さが相まって、外国人観光客は、日本での買い物に「割安感」を抱いているという。
東京オリンピック特需効果を失ったとはいえ、次のイベントに備え、積極的に政府は投資を行っている。2025年には、日本国内で2005年の愛知万博に続き、20年振りとなる大阪府で、万国博覧会が開催される。政府は、経済効果について、2兆円との試算結果を出している。2027年には東京→名古屋間で、リニアモーターカーが開通する見込みだ。2029年には大阪府で大阪統合型リゾート(IR)の開業を控える。
写真 掲載元 東洋経済オンライン 2027年リニア開業で、日本はこう変わる
2019年3月14日付
https://toyokeizai.net/articles/-/267877
巨大事業の開始により、2024年に好景気の波がやってくると、分析する経済エコノミストもいる。物価高に襲われた2022年を踏まえて、2023年の4月以降、労働者の賃上げの動きが加速した。ユニクロを展開するファーストリテリングは初任給を25万円から30万円へ、住信SBIネット銀行も、2023年度から初任給を30万円へ引き上げると表明している。新年度に向けて準備が進む2023年3月17日、春闘の平均賃上げ幅は、前年比3,8%、前年の2,1%に続き、2年連続で上昇した。2023年の水準は、1993年以来30年ぶりとなる。
詳細
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-17/RRFR3HT0AFB701
少子化による人手不足が拍車をかけ、労働者を確保するべく、物価高を機に、大企業は軒並み、給与水準を引き上げた。ベースアップにより、人々が消費欲を取り戻すと、景気はよくなる。エコノミストが予想したとおり、2024年には次の景気の波が来るのか、期待は高まっている。
第2章 バブル崩壊後に初めて襲うインフレの波
2024年、新積み立てNISAの開始により、人々の間で貯蓄から投資へとシフト転換するとの期待感から、株価はうなぎのぼりに上昇した。2024年2月22日に、日経平均株価は3万9千98円、過去最高の1989年12月30日に記録した3万8千915円を34年ぶりに更新した。3月21日、東京株式市場で日経平均株価が前営業日比812円06銭(2.03%)高い4万0815円66銭となり、4日につけていた史上最高値(4万0109円23銭)を更新する。
株価では、バブル期を越える水準に達し、投資家の間では、失われた30年から脱したと、日銀の金融緩和政策を評価する。エコノミスト達は、空前の株高の要因を3つ挙げている。一つは、大手輸出企業を中心に、円安の影響により、業績が改善していることにある。もう一つは、資本効率の改善など「企業改革」が進んでいることにある。低金利に支えられ、企業も銀行からお金を借りて、新規事業を興こしやすくなった。
さらに3つ目は少子高齢化による人手不足が重なり、賃金上昇が続いていることにある。
失業者数と賃金の相関関係は、フィリップス曲線により描くことができる。1958年に、英国のアルバン・ウィリアム・フィリップスが、物価と失業率をグラフ化し、政府へ経済対策を提言したことに始まる。
写真=日本のフィリップス曲線 掲載元 フィデリティ投信 2024年5月29日付
https://www.fidelity.co.jp/page/strategist/vol157-essays-on-exchange-rate_vol2
従来の経済学、19世紀から20世紀の古典派や、新古典派の理論では、人々がお金を使うことを躊躇えば、あらゆる産業が停滞し、失業者数の増加に繋がる。景気悪化により、企業が人員削減を迫られれば、余剰労働力が発生する。需給のバランスが崩れ、労働者の賃金は抑制される。ところが、現在の日本では、消費の伸びは決して高くない。株高の恩恵を受ける輸出関連の大企業を除き、下請けを担う中小企業では、業績は決して芳しくないのである。なぜ景気の悪化により、賃金上昇が起こるのか、労働力不足に起因する。確かに、コロナ禍で顕在化したように、酒場や遊技施設などは、我々の生活で無くなっても支障は出ない。一方で、交通インフラのバス業界、鉄道の保守点検作業員、介護のヘルパーなどは、人材を確保できなければ、直接人々の生活を脅かす。業界側も必要なサービスを提供するべく、時には国や自治体に支援を要請する。神奈川中央交通は、長時間勤務が慢性化していたバスの運転手の給与水準の引き上げを含め、待遇の見直しに踏み切った。顧客には、バス網を維持するべく、人材を確保することが必要と訴えた。原油高によるコスト増や、人材不足に悩んでいることを打ち明けたうえで、値上げについて理解を求めた。2023年7月1日以降、料金が改定された。初乗り運賃を180円から210円へ引き上げた。値上げ幅は、平均20%になる。管轄内の路線において、本厚木駅南口から平塚駅北口の料金は、520円から610円に改定された。大型ドライバーの労働時間が制限される2024年問題を受けて、各バス会社は、減便や路線廃止など対応に追われている。
日銀は、賃上げに伴う形で、インフレが進むと、金融政策を修正する考えを示している。2024年4月時点で、物価上昇は、円安や資源高の影響が強く、景気は良くなっていない。現に、実質賃金は23ヶ月連続下がり続けている。米国が、インフレ対峙のために、利上げを認めた結果、市場では「円」売りに歯止めがかかっていない。日銀は、円安の副作用を踏まえ、長期金利が1パーセントを超える利上げを容認した。財務省は5月31日、4月26日から5月29日までに総額9兆7885億円の為替介入を実施したと発表した。直近で円買い介入した2022年秋の規模を上回った。
金融政策において、参考になる資料がある。1993年にアメリカの経済学者ジョン・ブライアン・テイラーが、実質金利とインフレ率と産出量ギャップに基づき適切な政策金利を決める方程式を打ち出した。名づけて「テイラー・ルール」という。
詳細 Bloomberg 2023年10月3日付
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-03/S1W44LT0G1KW01
詳細 掲載元 日本経済新聞 2024年2月7日付
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78266780W4A200C2KE8000/
式に基づいた政策金利については、現在インフレ率が目標インフレ率を上回るほど、GDP成長率が潜在GDP成長率を上回るほど引き上げられる。反対にその値が下回るほど引き下げられる。日銀は、2013年3月20日に就任した黒田東彦(はるひこ)総裁時代から、目標インフレ率を2年で2パーセントに定めた。2022年以降に、円安と資源高に伴う形で、目標を達成したことになる。2023年度のインフレ率は3,21%、人々がバブル崩壊を実感するようになった1993年以降、最も高い水準となった。日銀も政策転換を迫られた。2024年3月19日の政策会合において、マイナス金利の解除を決めた。もう一つ、長短金利操作YCC(イールドカーブ・コントロール)も撤廃する。確かに利上げを認めたとはいえ、インフレ率と名目金利との間に乖離が生じている。
詳細 科学技術振興機構のページ 12分の3
https://www.jst.go.jp/fund/dl/researchnote21.pdf
テイラー・ルールに従えば、日本の政策金利は6%から7%になる。もっとも政策金利を引き上げると、経済活動は大きな支障を及ぼす。個人では住宅ローンの変動金利の上昇に伴い、支払いが滞り、持ち家を手放す事態にもなりかねない。企業側も、低金利を見越して投資した事業が、重荷になり、経営の圧迫に伴い、リストラを敢行せざるを得なくなる。
長くゼロ金利が続いたことで、インフレ経済にも慣れていない。政府は、貯蓄から投資をうながすものの、人々の間で信用されていないのである。
アメリカでは、テイラー・ルールに反する理論も出されていた。ニューヨーク中銀のウィリアムズ総裁の理論によると、低金利政策による経済活動を活性化する必要性を説く。
詳細 PICTET 2019年7月23日付
https://www.pictet.co.jp/investment-information/market/today/20190723.html
ウィリアムズ総裁は、コロナ禍前の2019年7月18日に「ゼロ金利制約(ZLB)に近い生活」と題した公演を行った。自然利子率が極めて低い水準における金融政策運営として、�ゞ睛�が低く、利下げ余地が少ない局面であっても、経済悪化の兆候が見られたら待ちの姿勢でなく、迅速に利下げすること、��低金利政策の長期化が望ましいこと、��インフレ率が、目標水準(現在は2%)を一定期間上回ることを許容する、政策運営を論じた。
コロナによる規制がかかった2020年は、アメリカでもゼロ金利政策を実施していた。転機は2022年2月24日に始まったロシア軍によるウクライナ侵攻端を発した資源高によるインフレである。輸入物価上昇に歯止めをかけるべく、政策金利を引き上げ、投資家達にドル買いをうながした。原油先元取引価格が落ち着いた今、ウィリアムズ総裁の提言に従い、政策金利を引き下げる段階に入っている。
金利の引き上げは、政府自身の財源も重荷になる。財務省は2024年4月4日、長期金利がこれまでの想定より1%上がった場合、2033年度の国債の利払い費がさらに8.7兆円増えるとの試算をまとめた。
借金が膨らんでいる以上、金利の上昇により、政府の懐は苦しくなる。2013年に黒田総裁が打ち出したインフレターゲットを2年で2%に設定した理由は、政府の負担を軽くすることにあるともいわれている。低金利とインフレが常態化することにより、資産の多くを現金として保有し、銀行に預けていると、実質目減りしてしまう。リスクをとって、投資をすることにより、資産防御を図るのか、今その選択を迫られている。
第3章 行動経済学 貨幣錯覚
バブル崩壊後、賃金も物価も上昇しない中、人々は流動性の高いお金を溜め込むようになった。兼ねてより、経済学者の中には貨幣錯覚を起こさせる必要性を説いていた。経済学において、「お金」は、物を買う、または溜め込む道具ととらえる。例えば千円札は、見方を変えれば、普通の紙である。紙幣として流通する以上、食料を買う、家賃を払う、または本や漫画の購入などの「手段」として利用価値が高い。いわゆる我々がサービスを受けるための道具である。行動経済学において、「プライミング効果」により、人々は知らず知らずのうちに、お金に釣られ、心境に変化が起きる。
お金が絡むと、人は独占的になりやすい。心理学的には、お金自身その価値よりも、名目の金額で判断する傾向にある。フィリップス曲線から、貨幣錯覚により、失業率が変化することが分かる。失業率と賃金の相関を示したアルバン・ウィリアム・フィリップスと共に、新自由主義者アメリカ人のミルトン・フリードマンは、曲線には短期と長期の2つのパターンがあることに気付いた。横軸の失業率についても2つの場合が想定される。一つは、所属する会社の経営悪化に伴い、解雇される、または倒産による、「自然失業」、もう一つは、景気が上昇局面に入っている際、より良い待遇を求めて、自ら退職する「自発的失業」である。
以下 写真掲載元 引用文 一般社団法人グローバル都市経営学会より マクロ経済学第60回 貨幣錯覚
{引用文}
E点は、自然失業率を示しています。ここで、名目賃金(W)が上昇した場合、自然失業率以下のU1点になったとします。短期フィリップス曲線(π1曲線)上を左上にシフトして、インフレ率がπ1の水準になったとします。ここでは、物価も上昇しているので、実は実質賃金水準(W/P)は変化していません。その状態を「貨幣錯覚(money illusion)」といいます。労働者は名目賃金のみに関心をもっていると考えるので、名目賃金の上昇で雇用量を増加させたのです(雇用量の増加は失業者の減少)。
しかし、物価水準も上昇したことが労働者に周知されるようになれば、その錯覚はなくなり、またもとの自然失業率の状態に戻ると考えます(図表でいえば、E’点)。
このように考えれば、貨幣錯覚を引き起こして一旦はそれ以下の水準に移行しますが、また、長期的フィリップス曲線上に戻るとみています。
よって、長期フィリップス曲線は、自然失業率で垂直な直線となります。
{引用文 終わり}
以下 働き方改革研究所 貨幣錯覚 例題
https://www.teamspirit.co.jp/workforcesuccess/diversity/money-illusion.html
第4章 OH MY LOVEの収録曲から、未来への希望を探る
1994年と比べると、2024年労働者の給料水準は確かに上がった。物価は現在の方が高く、労働者の社会保険費用を含め、税負担は増えている。円相場は、94年6月21日に、初めて100円を割り込み、99,85円を記録した。2024年の円相場は、4月29日に一時、34年ぶりの水準となる160円を付けた。この30年で、国際競争力は確実に落ちている。諸外国は軒並み、消費が堅調に伸びたことにより、緩やかなインフレが続いていた。企業は設備投資を行い、新規産業を興こした。一方で、日本はバブル崩壊後、低金利政策を続けたものの、企業も個人も守りの姿勢に入っていた。気付けば、IT化について、後進国になってしまったのである。2022年、日本の経済では、ロシア軍によるウクライナ侵攻を発端に、確かに物価と共に、賃金も上昇した。働く人の懐が厳しくなる中、労使交渉の末に、大企業を中心に、賃上げを認めた。名目賃金は増えたとはいえ、インフレの影響を差し引くと、2023年度の実質賃金は前年比マイナス2,5%になる。物価上昇が止まり、来年以降も賃上げが続けば、実質賃金のマイナス幅は縮小するとみられている。日本経済では、物価上昇が先行することにより、名目賃金が増えても、労働者の購買意欲は上がらない。つまり、貨幣錯覚は現在起きていないことになる。あくまでも賃上げは、景気の良し悪しに関わらず、必要な人材を確保するため、待遇改善をすることにある。2024年の春闘では、賃上げの原資が乏しい中小企業でも、軒並みベースアップが行われていた。事業継続に必要な労働者が集らなければ、人手不足倒産に繋がる。2025年以降、中小事業者の存続には、賃上げが鍵を握る。先進国を中心に21世紀半ばから後半にかけて、本格的な人口減少時代に直面する。古典派や新古典派、またはケインズ経済学は通用しない。新たな理論が求められている。
OHMY LOVEに収録された10曲は、共通して若者をモチーフにしている。昭和の右肩上がりの経済成長期を知る坂井泉水は、若者に対して未来を託していた。バブル崩壊により、先行きが暗い中、一昔前の昭和の若者を描いた歌詞に、人々はかつての明るい将来を描いた自分を思いだすことができる。過去を振り返ることは、確かに後ろ向き思考と捉えがちだ。1960年代にアメリカの精神科医、ロバート・バトラー氏が提唱した「回想法」に基づくと、懐かしさから、活力が沸き起こるという。精神科の治療にも取り入れられ、認知症の予防や、うつ病からの回復、また終末期医療にも使われているという。
詳細 回想法 脳科学に基づくブレインフィットネス 2022年5月17日付
https://www.active-brain-club.com/ecscripts/reqapp.dll?APPNAME=forward&PRGNAME=ab_brain_detail&ARGUMENTS=-A1,-A,-A20220513112144770,-A
詳細 医療プレミア 2022年10月29日付
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20221028/med/00m/100/007000c
写真=坂井泉水 2024年顕花サイトより
https://wezard.net/flowers_2024/
働き盛りの世代でも、仕事が一段落つき、ふと過去に立ち返ることにより、リラックスできる。その理由は、中脳のドーパミン神経から、分泌物が放出されるからである。心理学では、「報酬」が得られた際、ドーパミン神経が刺激されていく。シンガポール国立大学を始め、海外の大学の研究によると、回想法により、「主観的幸福感」が高まることも明らかになった。主観的幸福感とは収入、学歴、健康状態といった客観的な条件とかかわりなく、「自分は幸せ」と感じられる状態のことを差す。
ZARDの坂井泉水は、亡くなって17年たっても、人々の心を掴み取っていた。彼女の歌詞に触れることにより、主観的幸福感が高まり、悩みを忘れ、一筋の希望を見出すからである。令和時代に、再評価されるようになった。
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