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2024年05月01日13:13

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5月連休3日目

 連休3日目の月曜、今日は朝から映画3本。

 まず、1本目は、ブルク13で、
 「あまろっく」

 これは、兵庫県尼崎市を舞台に、年齢も性格も異なる“ツギハギだらけ”の家族の在り方を描く人生賛歌。
 主演は江口のりこ。共演は中条あやみに笑福亭鶴瓶と関西出身者で固めている。

 近松優子は兵庫県尼崎出身。“人生に起こることはなんでも楽しまな”が口グセの能天気な楽天家でぐうたらな父に反発し、大学卒業後、大企業でバリバリ働いてきたが、突然のリストラで、会社をくびになってしまう。
 鉄工所を営む尼崎の実家に戻った優子は、糸が切れたようにダラダラとニートのような生活を続け、そして8年……母を亡くし、独り身の父が、ある日、再婚する、と告げる。その父が再婚相手として家に連れて来たのは、まだ二十歳だと言う美女・早希だった。
 早希は、若い癖に世話焼きで、毎日食事の支度をするだけでなく、優子に縁談を持ち込んだりもする。
 だがそんなにぎやかな暮らしは、父の急死で突然終わってしまった……

 “あまろっく”とは、海抜ゼロメートル地帯の尼崎市を水害から守るために作られた尼崎閘門――通称、尼ロックの事。
 そんな尼ロックに守られ、「オレは我が家の尼ロックや」が口癖のぐうたらな父親と、才走る余りに人の機微が判らない娘、そこに飛び込んで来た、あり得ないくらい若く美しい後妻、と言う設定の人情コメディ――還暦過ぎたおっさんのもとに中条あやみが嫁としてやって来る、と言う。中年男性にとっては、夢としか思えない設定に惹かれて観る事にした次第。
 予告編から、そんな設定を活かした関西風ドタバタコメディを予測していたのだが……意外な事に、鶴瓶演じる父は早々に退場してしまい、映画は、そこから回想シーンを織り交ぜながら、父と言う要を失った家族の再生を描く人間ドラマとなる。
 これはなかなか見応えのあるドラマで、時にホロリともさせつつ、先の読めない展開でハラハラさせた挙句に、急転直下のハッピーエンドを迎える、と言う力技……これは思っていた以上に見応えがあった。

 惜しいのは、タイトルにもなっている尼ロックを始め、尼崎ならではのロケーションの活かし方がイマイチに感じられた所……ここはもう一工夫、もしくはもうひとひねり欲しかった所。
 キャストとしては、やはり江口のりこがいい。珍しい主演で、これは個性を巧く活かした作品になっていると思う。あと、父の若い頃を、尼崎出身の松尾諭が演じているのだが、これがちゃんと鶴瓶の若い頃に見えるのだから、やはり、大したものだ。
 ただ、中条あやみが惜しい……美人なのに文句はないし、実は大阪出身なだけでに関西弁もネイティブで違和感はないのだが、さすがに20歳には見えないし、この役には上品で、おっとりしている感じ……ここは、江口のりこの圧力にも負けない、はっちゃけた若手を起用した方がよかったのではないだろうか?


 続いて2本目もブルク13で、
 「リバウンド」

 これは部員数僅か6名の弱小高校バスケットボール部が全国大会で活躍するに至った実話を基に映画化したもの。

 高校バスケではMVPにも輝いたカン・ヤンヒョンは、プロにはなれず公益勤務要員の職に就いていた。そんな彼が、廃部の危機に瀕した釜山中央高校バスケットボール部の新任コーチに抜擢される。
 学校からは期待されず、歴史あるOB会へ面目を保つために部を存続させればよい、と言われたが、ヤンヒョンは選手をかき集め、大会出場に漕ぎつける。初戦の相手は、高校バスケットボール最強と謳われるソウルの龍山高校だったが……

 消耗の激しさ故に、局面に応じ選手を交代させながら戦うバスケットボールで、部員数6名、しかも途中から負傷により5名となって交代枠がないチームが、全国大会の決勝を戦った、と言う漫画でも描かれないようなエピソードが実話だ、と言う所に驚く。
 映画は、その実話である全国大会決勝まで、チームの誕生から描いている。
 韓国映画らしく、前半はコメディタッチの軽い入り方をし、最後に盛り上げるのは勿論、チーム編成、そのドタバタ、手痛い敗戦と、そこからの再起……と言うのは、スポ根映画として定番の作り。意外だったのは、ロマンス描写が一切ない事だが、これは登場人物の多くが実在の人物(コーチと選手は全員がそう)なので、プライベートな部分には踏み込めなかった、と言う事か……
 選手間の因縁などドラマ作り込みながら、迫力ある試合を描いているのも素晴らしく、クライマックスの試合シーンなど、劇場版「スラムダンク」を実写でやっているような感じで、これもまた韓国映画の力量を思い知らされる1本だと言えるだろう。


PS
 エンドロールで、実際の試合のシーンが映し出されるが、映画はそれを忠実に再現している事にも感心……


 その後、桜木町から伊勢佐木町まで、移動途中にケンタでチキンをつまんで今日の昼食とし、3本目の映画は、シネマリンで、
 「〇月〇日、区長になる女。」

 これは、2022年に人口57万人・有権者数47万人を擁する東京都杉並区長選挙で、僅か187票差の僅差で勝利した岸本聡子と、彼女を支えた住民たちに密着したドキュメンタリー。
 監督は、杉並区在住の劇作家・ペヤンヌマキ。

 東京都西端に位置する特別区・杉並区に在住するペヤンヌマキは、ある日、道路整備と区画整理により自宅アパートが取り壊され、区民から愛された川沿いの緑地帯が車道になる、と言う事を知る。散歩道の途中にある樹齢100年の杉の木も伐採されるのだ、と言う……70年前に決まった、今や必然もない工事を推進しようとする区政に疑問を覚えた彼女は、市民運動に参加。その中で、住民たちが2022年の区長選に向け、ひとりの候補者を擁立しようとしている事を知る――岸本聡子。長年欧州で暮らし、NGO職員として世界の自治体における“公共の再生”を調査してきた人物だ。
 そして、金なし、地盤なし、政治経験なし、支えるのは住民たちのみ、と言う岸本聡子の戦いが始まる――

 これは、2022年以降、密かに盛り上がりを見せている選挙を取り上げたドキュメンタリー映画で、2022年の杉波区長選を描いている。
 ただし、これはネツゲンによる一連の映画とは無縁で、映画も、ドキュメンタリーも初めて、と言う劇作家のペヤンヌマキが自ら撮影・監督したもの、となっており、他の映画とは色合いが大分異なる。
 なにより、この映画は、ジャーナリスティックなドキュメンタリーではなく、岸本聡子と、彼女の周囲の人の姿を記録したもので、主張も、ペヤンヌマキを始め、岸本陣営のもののみになる。
 選挙報道では絶対に許されない、その内容を「偏っている」と批判するのは簡単だが、これは選挙報道ではなく、岸本陣営の、いや、彼女を支える杉並区民の声を記録したものだから、これはこれでいい、と言う事なのだろう。
 (制作側は、ドキュメンタリー映画ではなく、「市民映画」だと言っている)

 ただ、そうして記録されているのは、既定の、昭和の男たちによる政治を、女性たちが否定しようとしている、と言う状況だ。
 これは、もう、世の中が変わり始めている、と言うその兆しと見ていいのかも知れない。
 当選した岸本区長には、区議会で既存勢力の上に立つ自民党の男性議員からのバッシングが浴びせられた。それを見た支援者の女性たちは次々に区議会選挙に立候補、現職の男性議員15名が落選して、12名の女性が区議会に入り、杉並区は日本の自治体の中で初めて女性の割合が男性を上回る事になったと言う……

 しかし、ペヤンヌマキ監督は、そんな現状を力んで伝えるのではなく、道路整備が見直され、どうやら杉の木は生き残れそうだ、と言う事の方が嬉しそうではある。


 映画の後、買い物をして帰宅。
 今日の夕食は皿うどん。

 食事後、映画感想を書こうとするも手がつかず、21時前に寝入ってしまった……
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