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2024年04月10日00:22

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「パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツ」感想

 これは、22歳でパティスリー世界選手権でフランスを優勝に導いた天才パティシエ、ヤジッド・イシュムラエンの自伝を映画化した青春サクセスストーリー。
 主演は、アルジェリア出身で、人気インフルエンサーだと言う、リアド・ベライシェ。

 育児放棄の母親の下、里親の家で育ったヤジッド。そんなヤジッドの楽しみは、スイーツ作りだった。やがて児童養護施設で暮らし始めると、機転を利かせて、10代にしてパリの高級レストランで見習いとして働くチャンスを掴む。
 いつしか、パティスリー世界選手権に出場する事を願うヤジットは、生活の全てをスイーツに注ぎ、時に野宿しながら腕を磨いていくのだが……

 この映画、青春サクセスストーリーで、基本的には好きなタイプの映画なのだが、これはどうにも面白く観られなかった。
 その理由は、ヤジットの自伝を巧く整理出来ていない事にあるように思う――育児放棄され、里親に育てられ、児童養護施設で暮らした……ヤジットはアラブ系移民で、母親は生活保護を受けているような底辺の暮らしだから、ヤジットも多少の悪さもしただろう……それは理解出来るにしても、物語はあちこちに寄り道してはひっかかり、どうにも感情移入が出来なかった。
 育児放棄されようが、ヤジットは、チョコの好きな母親に笑顔で褒めて欲しかった、その為に、世界一のパティシエになる――と言う動機をしっかり描き、いかなる困難も乗り越えて夢を掴む……2時間の映画なのだから、原作のエピソードを思い切って整理すべきだったように思う。

 映画としての見所は、様々なスイーツと、それを作り上げる職人の技……あと、意外にも思えるのが、美食の国であり、自国料理に誇りを持っているフランス人が、外国人に寛容な事――ヤジットはアラブ系だし、劇中に登場するコートダジュールのレストランのトップパティシエは日本人だ。銀座の寿司屋で寿司を握るフランス人など皆無、と言う日本からすると、いささか奇異にも思うが、これが多人種・多民族共生の現代フランスの実態、と言う事か……
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