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2024年03月25日10:16

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3月22日 「アジアの嵐」「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事」見る

今日はエイゼンシュタインと並ぶ戦前のソ連を代表する映画監督、プドフキンの1928年のモンゴルを舞台にしたソ連の映画がネットにあったので、再生して見ました。
ソ連の誕生は1922年ですので、まだ誕生間もないソ連で作られたプロパガンダ映画で、モンゴルが独立しようとする話。
これが今では考えられないファンタジックな社会派映画で。
既に、1921年にモンゴル国は成立してるのですが。
この映画はバイールという貧しい猟師が、欧米の白人と毛皮の取引でもめて、山の中へ逃げ。そこで共産主義系のパルチザンと一緒にイギリス帝国軍と戦うが、捕まって処刑されます。
しかしジンギスハーンの子孫である家系図をイギリスの司令官が発見して、イギリス軍は、瀕死のバイールを助け出して、皇帝にして傀儡国家を作って、植民地にしようとするが。白人の差別的な扱いに耐えられずに、バイールはモンゴルが自主的に独立しようとする話でした。
当時のソ連の映画では、イギリス人やアメリカ人を悪い白人として描き、虐げられた原住民のモンゴル人の主役を無邪気に描き、共産主義を良い団体として描くのは、プロパガンダ映画なので良いのですが。
当時既に社会主義国のモンゴルは成立していていたので、チンギスハーンの息子が王になり、独立の英雄となる話には、社会的なリアリティーが全くありません。
モンゴルは当時は欧米の植民地も経験してないので、プドフキンは世界の状況は無視して、しかも過去の皇帝の息子が活躍すると共産主義とはかけ離れてしまうのに、空想のファンタジーとしてモンゴルの独立を描いていたのが、驚きでした。
ただし、1932年に隣の満州では、清の皇帝を担ぎ出して、傀儡国家の満州国は成立してます。かなり先見性があったことになります。
ソ連邦は、映画をプロパガンダとしてかなり力を入れた国なのですが、厳しい検閲で、力を入れた割には、傑作は少ないのですが。
これは、数少ないソ連の傑作映画だと思います。
是非、ソ連の貴重な戦前の傑作を見たい方にはお勧めだと思います。

更にもう一本、N.Y.出身の世界的な巨匠・マーチン・スコセッシュの珍しく暴力的なシーンのない1993年のN.Y.の上流階級を扱ったの映画がテレビで放送されていたので、録画したので見ました。
さすがスコセッシュ監督は、マフィアが全く出てこないで、暴力シーンが全く出てこなくても、映画は良く出来ているのです。
N.Y.の社交界で、貴族のような生活をしている人たちの話で。
主人公を演じるダニエル・デイ・ルイスが、ウィノナ・ライダーと婚約しているのですが、ミシェル・ファイファー演じる幼馴染で奔放な女性が、ヨーロッパの貴族の夫に嫌気がさして、帰ってくるところから始まります。
いつしか主人公は、この自由な伯爵夫人に心を奪われていくのが嫌で、婚約者のウィノナ・ライダーと時期を早めて結婚するのですが、伯爵夫人を忘れられなくなり、不倫をしようとするのだが。
伯爵夫人はヨーロッパに戻ることにして、主人公は忘れられないので、家を出ようとするのだが、妻が妊娠したことにより、家族との生活に入る、という話で。
最後も、数十年が経って、再び会おうとしても、会わないこのひたむきさが良かったです。
暴力も不倫の映画なのに肉体関係もない話が控えめ良いのと、あと美術品、一流の調度品や衣裳を扱った、この映画の贅沢は素晴らしかったです。
実はアメリカでは興行的には成功してないのですが、貴族趣味の映画はアメリカでは受けないのかもしれませんね。
この珍しいN.Y.の上流階級を扱った映画は、不倫をしない不倫の映画としてお勧めです。
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