mixiユーザー(id:371669)

2024年03月01日11:40

20 view

アカデミー受賞で魅せるウィル・スミス「ドリームプラン」。かくして2月は終わり1年の1/6が終わった。

 2月18日(日)に一昨年2022年6月公開の外国映画「クラウディ・マウンテン」を観る。

「クラウディ・マウンテン」(リー・ジュン)
国家的工事の高速鉄道トンネル掘削工事が、地殻変動を引き起こしてしまうディザスター・パニック大作。地震・山崩れ・洪水・土石流を始め、坑道に閉じ込められた人々の脱出行や、対策のため爆破作戦に伴う爆薬仕掛けのヘリも交えた断崖の航空アクションと、これでもかこれでもかのスペクタクル。CGによるSFXの進歩もあろうが、その大迫力は眼を楽しませる。しかしドラマの方は、母を事故で喪った父子の確執と和解とか、人民軍鉄道兵士の献身的功績とか、平凡で白けるところばかりである。密室脱出のみで大迫力だった「ポセイドン・アドベンチャー」が、上下逆転世界の中において、既成価値観の大逆転の面白さでグイグイ牽引したように、映画はビジュアルの魅惑もともかく、やはり人間ドラマにあることを再認識させられた。(まあまあ)

 同日18日(日)に昨年の令和5年1月公開の日本映画「映画 イチケイのカラス」を観る。

「映画 イチケイのカラス」(田中亮)
「法律は必ずしも万人の為にはならない」「真実を明かすのは必ずしも幸福には繋がらない」「率直な正義感は時に裁判では障壁となる」。法廷ドラマとしてはかなりユニークな視点が散見する。とりわけ公害企業の隠蔽が単なる巨悪ではなく、街を護ろうとした市民達の主導だったという視点は全く斬新である。ただ、ディティールはかなり粗っぽくリアリティを欠く部分が少なくないあたり
が残念だった。(まあまあ)

 2月19日(月)に一昨年2022年2月公開の外国映画「ドリームプラン」を観る。

「ドリームプラン」(レイナルド・マーカス・グリーン)
アフリカ系で初の世界的テニスプレーヤーを姉妹で共に誕生させた父親の初期エピソードの映画化だが、単純な美談サクセスストーリーになっていないのが良い。この父親は、変な商業主義に惑わされず、娘の人格教育に重きを置き、コーチの方針にたいしても父親の立場から異論を唱えて対立し、時に妻とも激しい確執に至る。一面ではやっかいな頑固親父なのであるが、それも含めて魅力的な人間像を表現したアカデミー受賞のウィル・スミスの素晴らしさが全てだ。約2時間半の長尺だが、全く飽きさせなかったのだから大したものである。(よかった。ベストテン級)

 2月21日(水)に一昨年2022年2月公開の外国映画「ティル・デス」を観る。

「ティル・デス」(S・K・デール)
暴漢に襲われ正当防衛で相手の片目を失明させてしまった女性が、担当弁護士と幸福な結婚に至るが、時と共に彼女の愛は醒め、今は愛している不倫相手がいる。しかし、夫は愛を回復したくて思い出の別荘に誘う。しかし、目覚めたら彼女は夫と手錠で繋がれていて、夫はその場で拳銃自殺。外部から遮断され人里離れた雪中で死体に連結された彼女の運命は…という興味深いシチュエーション・スリラーである。その後、何故か夫からメールを受けた不倫相手が訪れ、かと思うとかつての片目失明男が子分を連れて襲撃に訪れ、全ては異常な嫉妬に狂った夫の巧妙な復讐の仕掛けらしきことが判明してくる。危機また危機の展開の中で、死体と手錠で繋がれる者がクルクルと変化し、登場人物が4人に絞られたワンアイディアストーリーとして優れていて私の好きなタイプの作品だが、終始ヒロインの夫の返り血を浴びた衣装や、全体のスプラッタ風演出は私の嗜好には合わない。ラストの後味が良くハッピーエンドなのが救いだった。本作で長編デビューの監督には期待できそうだ(まあまあ)

 同日21日(水)に2021年7月公開キネ旬外国映画の第3位「プロミシング・ヤング・ウーマン」を観る。

「プロミシング・ヤング・ウーマン」(エメラルド・フェネル)
医大生で未来の女医として希望に燃えていたキャリー・マリガンが、男中心社会の学生生活の中で親友が弄ばれ、でも軽くいなされて男共はさしたる制裁を受けることなく、エリート街道を進んでいく事に失望、退学して今はしがないカフェ店員として働きながら、夜な夜なバーに入り浸り泥酔したふりをして、不埒に迫る男達を懲らしめることにささやかな生甲斐を感じている。しかし、学生時代から好意を感じていたと迫ってきたボー・バナムとの再会をきっかけに、かつての学生仲間で今は成功者の面々への報復の試みを開始する。それは小気味よく進展するも、最後はアンハッピーに終わるかに見えるが、ITネットまで活用して報復が貫徹され、見事な女権回復に至る。#MeToo運動を追い風につけた痛快篇だ。ただ、マリガンの偏執的な男中心の社会観への憎悪がもう一つ爽快感を阻害し、世間の圧倒的好評には疑問が残った。ちなみにキネ旬ベストテン入りはもちろん、読者選出でも3位、封切一覧の専門家レビューでも満点の☆5つが一人で残りの二人も☆4つである。アカデミー脚本賞のエメラルド・フェネル(監督も)の力作ぶりは認めるとしても、2011年製作当時#MeToo運動真っ盛りの追い風ムードもあったんじゃなかろうか。(よかった)

 2月22日(木)に一昨年の令和4年12月公開の日本映画「吾輩は猫である!」を観る。

「吾輩は猫である!」(笠木 望)
前日にMONDO TVで放映された映画を、偶々2月22日ニャンニャンニャンのネコの日に観た(特筆する程に大した話ではないが…)。題名から連想させるが夏目漱石の古典とは何の関係も無い。強いて言えば主役(?)が保護猫だからまだ名無しでそこに絡むエピソードもあるということか。一匹の猫を中心に、闇金・地下格闘技etc何でもこなす闇組織のオフィスビルを中心にしたアクション篇だ。時制を微妙にズラしながらの一人称視点を変えて描写する語りはかなりユニークだが、武田梨奈の主演作らしく彼女の格闘シーンを魅せるのがネライであり、後半はかなり辻褄が合わなくなったのが残念なところだ。ほとんどの舞台となる富士山麓にある闇組織のオフィスビルが、どうみても空きビルに適当に疎らに事務用品を並べただけなのは(本当の闇オフィスビルを知ってる訳じゃないが)安易で杜撰に見えた。(まあまあ)

 2月26日(月)に2021年8月公開の外国映画「ホテルレイク」を観る。

「ホテルレイク」(ユン・ウンギョン)
ハリウッドを始めとしてあらゆる国の映画のエッセンスを取り込み、それなりの水準で満足させる韓流であるが、今回は日本映画が世界に躍進させたJホラー取り込みである。そもそも韓流のスタートは撮影所システム全盛期の邦画の取り込みから始まっているから、これも必然だろう。本作も「シャイニング」的な要素までも取り込み期待させたのだが、切れ味の悪いどっかで観たホラーの寄せ集めみたいでしかなく失望した。珍しく最近の韓流では期待外れの肩透かしだった。(あまりよくなかった)

 2月27日(火)に2021年11月公開の外国映画「ミラベルと魔法だらけの家」を観る。

「ミラベルと魔法だらけの家」(バイロン・ハワード,ジャレド・ブッシュ)
ディズニー・ミュージカル・アニメだが、魔法がテーマだから絢爛たるイメージの乱舞が楽しい。被迫害者への救いとして神から与えられた奇跡の力が、時を経ると共にその力の維持を図るため、家族の元締めの老婆のエゴから次第に力を失う危機に晒されるテーマは、様々なアナロジーを思わせ興味深い。ここでも姉妹の確執が中核となるのは「アナ雪」の柳の下の泥鰌か。(よかった)

 2月28日(水)に一昨年の令和4年6月公開の日本映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」を観る。

「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」(児玉 徹郎)
私は「ドラゴンボール」初見参で、人気アニメとしては耳にしていたが予備知識はゼロだ。今作は、私が自宅リハビリ生活を余儀なくされた令和3年以後に公開され私にとり新作扱いなので、「アニマックス」放映を録画し初見参と相成った。本作は前作「ドラゴンボール超 プロリー」が世界興収135億円の大入り記録を受けての続編だそうで、ますます一見さんお断りの世界となった。それでも、世界平和を護る地球人と宇宙人の連合組織と、世界征服を企む悪の組織レッドリボン軍が、様々なキャラを繰り出して闘うという基本図式はすぐ判る。しかし、こういうのは各キャラの持ち味やそこに至ったストーリーを熟知してこそ真の面白さが判るもので、その点で私にはイマイチだ。いわばプロレスを、過去の試合内容などが醸し出すレスラーの佇まいも、現在リングに立つまでのストーリーも知らずに観ているようなものである。それでも一流のプロレスは予備知識無しでも面白く魅せるものだが、その意味で「ドラゴンボール」もビジュアルでそれなりに楽しく観られたので、人気シリーズの証明とは言えよう。(まあまあ)

 2月29日(木)に一昨年2022年12月公開の外国映画「兄貴の嫁取物語」を観る。

「兄貴の嫁取物語」(シヴァ)
母親代りで4人の弟の面倒をみてきた荒くれ者で無茶苦茶強い純情男アジット・マクールが、立場上から他人を一家に入れないとして結婚しないと決意を固めている。マクールは懐かしのラジニカーントを彷彿させる小太りの懐かしきインド映画ヒーローだ。弟たちにはいずれも意中の彼女がいて、まずは兄貴の嫁取画策が第一と奮闘する。何とか企みは成功するが、兄の恋した女性の父親が、自分達一家とは全く無縁の非暴力主義者でそれなりの実績を挙げている名士であることが判明、さあどうなる?の展開となるが、そこはインド映画で歌って踊って楽しくやってると、ドンドン解決してしまうのが何とも素晴らしい。(よかった)

 前回日記から2月末までに観た映画は次の15本。

「クラウディ・マウンテン」「映画 イチケイのカラス」「ドリームプラン」
「ティル・デス」「星のフラメンコ」「プロミシング・ヤング・ウーマン」「結婚期」
「吾輩は猫である!」「ホテルレイク」「建築学概論」「ミラベルと魔法だらけの家」
「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」「ザ・マニア 快感生体実験」
「ロスト・シティーZ 失われた黄金都市」「兄貴の嫁取物語」

1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2024年03月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31