天然水素（３）

さてさて。従来の水素製造法に頼った場合、コスト面でも効率面でもハッキリ言ってお話
にならんと思うのぜ。だからもっと高効率な水素製造法が模索されているわけだ。そんな
ところに最初に書いた地中からナマ水素が噴出した！というので盛り上がっているぜ

アフリカのマリ共和国。軍事クーデターの名所だが、この国にブラケブグー村という村が
ある。ここで以前水を得るために井戸を掘った。ところがその井戸が突然爆発。なにごと
じゃ？と調べてみたらガスが噴出しており水素が９８％メタンが１％窒素が１％

という組成であることがわかった。この井戸掘削はもう数十年も前のことだったそうだが
水を得るために掘ったわけなので、こんな井戸は使い物にナランということで放棄されて
いたという。そこに２０１７年だかに突如カナダのエネルギー企業がやってきて

地中から出てくるガスをエネルギー源として使えんものかの？とやりだした。結果的には
燃料電池などを組み合わせた発電装置を設置し、それ以来絶え間なく電力を産み続けてい
るということだ。こうして地中から噴出したナマ水素はエネルギーとして使えるぜ

ということがわかった。これ以降欧米ではこの地中水素を天然水素などと呼んで盛り上が
っているようなのだ。アメリカ、フランス、カナダ、オーストラリアなどが地中水素探査
事業を立ち上げたぜ。さて地中水素がどういうメカニズムで生成されているのか？だが

現在最も有力な仮説としては、カンラン石という鉱物。これは緑色をした鉱物で特に美し
いものはペリドットという宝石にもなる。カンラン石はとてもありふれた鉱物でマントル
の主成分なんだそうだ。なので大深度の地下には至る所にあることになるわけだな