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2024年02月18日10:42

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傘寿を越えた小川欣也に懐かしのピンク映画文化生き残りを見る。

 2月10(土)に令和3年11月公開のピンク映画「密着指導 教えてあげる」を観る。

「密着指導 教えてあげる」(小南敏也)
有名進学高で教え子と関係を持ち追放された教師・古川いおりが、故郷に戻るとかつての憧れの教師・川瀬陽太がイジメっ娘だった同級生・栗林莉里と再婚していたのと出会い、ひょんないきさつで川瀬の連れ子の高校生・金子雄也の住み込み家庭教師に就くことになる。ピンクの定番で当然ながら教師が教え子を淫らな世界に引き込むが、それ以外にも古川の行動が次第に妖しさを増してくる。「テオレマ」もどきの哲学的展開も期待させたが、後段は平凡な因果話に堕ちたのが残念なところ。でも、古川いおりの女の魔性は魅惑的だった。城定秀夫にも就いた小南敏也(監督・脚本)は、今後期待できそうな新人だ。(まあまあ)

 2月14日(水)に2021年7月公開の外国映画「ライトハウス」を観る。

「ライトハウス」(ロバート・エガース)
灯台守訓練のために指導と見習いの二人が、ニューイングランドの孤島に4週間滞在することになるウィレム・ディフォーとロバート・パティンソンが中心となる密室劇。モノクロ・スタンダードのクラシックを意識した凝った創りで、最初は指導者のディフォーが優越的な位置に立つが、ジワジワと若造のバディントンが優位に立つ興味で引っ張る。それだけではなく、人魚などの幻想が絡んできて、現実とも妄想ともつかず過去に二人とも殺人者であったかのようなことも仄めかされる。しかし、私にはこの映画が何を観せたいのか釈然としないまま終わった。カンヌ受賞作でもあり、キネ旬封切一覧の専門家レビュー3人でも五ツ星満点が2人で四ツ星が一人と圧倒的好評であることから、私の嗜好に合わなかったとしか言いようがない。(あまりよくなかった)

 2月15日(木)に一昨年2022年4月公開の外国映画「ハッチング 孵化」を観る。

「ハッチング 孵化」(ハンナ・ベルイホルム)
体操に励む12歳の少女、それに期待して家族動画発信に夢中な母、妻に不倫疑惑が漂うにせよ、幸せな家庭である。そんな時、森から拾った卵を孵化させた少女が、生まれた鳥(?)を溺愛しそれの変身に伴い、恐怖のホラーファンタジーの世界に突入していく。具体的な展開はどう紹介してもネタバレになりそうなので、ここでは自粛するが、卵を育てるまでの歪んだ経緯から鑑みて、これは思春期の不安定な少女心理の発露と私は見た。あるいは、母が娘に期待する願望のおぞましさの象徴かもしれない。人によっては、そんな観方は見当違いと感じるかもしれないが、そう観た私には味わい深い映像世界だった。サンダンスで話題となったフィンランド女性監督のデビュー作だそうで、世界では様々な才能が開花しているものだ。(よかった)

 2月16日(金)に2021年10月公開の外国映画「キラー・ジーンズ」を観る。

「キラー・ジーンズ」(エルザ・ケプハート)
有名アパレル新開発の発売ジーンズが、人が履いてるごとく歩き出し人々を喰らいつくし始める。その背後に企業の闇に対する人の怨みがあり、隠蔽体質が惨劇をエスカレートさせる中味は平凡だが、77分のB級ホラーコメディとしてチープなSFXを楽しめば良い。(まあまあ)

 同日16日(金)に一昨年2022年7月公開の外国映画「女神の継承」を観る。

「女神の継承」(パンジョン・ピサンタナクーン)
悪霊との闘いを描くタイ版「エクソシスト」の趣きで、それをドキュメントする撮影隊を主軸に置いたモキュメンタリー仕掛けだが、過去に「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」「パラノーマル・アクティビティ」など類似品は数知れず、TVヴァラエティでも頻繁に見られるテで、今さら物珍しくはない。終盤のアンハッピーのスプラッタ乱打が異色で、過去に権力を揮って多くの人の怨みを買い、自然破壊までしていたらしい企業に対する報復の総合が悪霊化したようだが、人間の愚かを象徴させたということだろうか。(まあまあ)

 2月17日(土)にピンク映画「女ざかり 白く濡れた太股」を観る。

「女ざかり 白く濡れた太股」(小川欣也)
母の四十九日を終えこれで両親の死を全て看取ってホッとした大学院生が、遺産で残された伊豆の別荘でノンビリ過ごすことにする。管理人がいてお手伝いさんがいて、隣家に未亡人がいて美人で有名な娘がいて、ここにもお手伝いさんがいる。後は古典的ピンクの定番で、とにかく男と女はカラんじゃう。往年のピンク観客は、男と女が出てくれば「早く始めろ〜」とけしかけるばかりだから、この映画もその基本にならいドンドンとカラませちゃうのだ。映画の6〜7割は濡れ場なんじゃなかろうか。唯一それなりの尺があったのは、大学院生と美人娘のデートシーンでサービスのつもりか城ケ崎の景観を見せるが、まあどうでもよろしい。監督は超ベテランの小川欣也。1934年生まれで本作公開は2020年だから傘寿を大きく越えている。伊豆から一歩も出ず女優4人・男優2人以外の出演者はナシ、ディジタル以降70分が定番になったOP映画なのに本作はたった51分。関係者が伊豆慰安旅行のついでにホイホイと(失礼!)撮り上げたような凡ピンクとしか言いようがないが、往年のピンク映画文化生き残りの趣きがあり、貶す気にはなれない。あえて…(よかった)

 前回日記から17日(土)までに観た映画は次の14本。

「行動隊長伝 血盟」「密着指導 教えてあげる」「北国の旅情」「東京は恋する」
「フューチャーワールド」「ジェイコブス・ラダー」「いますぐ抱きしめたい」
「ライトハウス」「7セカンズ」「犯され志願」「ハッチング 孵化」「女神の継承」
「キラー・ジーンズ」「女ざかり 白く濡れた太股」

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