今回は、前回よりも楽に行けるはず……と目算していたのに、実質二ヶ月かかってしまった。まあ、環境がいろいろと変わってきていて集中しにくいのと、作品だけでなく塾の方も高校受験がいよいよ〜という時期だったのと重なったから――みたいな言い訳はできるんだけど、歳のせいかな〜みたいなのも考えてしまってなあ。
原作が素晴らしいのは、ここまでの展開とちがって、二月一日の受験本番に入ってからの解像度がグググッと増して、二月一日から六日くらいのできごとをコミックス3〜4巻くらいかけて丁寧に描いているのだ。
これをどうノベライズするかで、かなり悩んだのも確か。
そもそも、児童書で群像劇ってのが厳しいってのはあるんだけど。そこはまあここまでの3冊もそうだし、始めてしまった以上やるしかない。
ここまでの「二月の勝者ノベライズ版」で、中心的に描くと決めた生徒たちは32人中の7人で、このキャラクターたちはかなり把握しているのだが、それでも場面が入り乱れ、そのたびに各キャラクターの造形やら背景やらに気持ちを切り替えねばならず、順番にしか書けない己の制作スタイルをちょっと呪った。
このキャラのパートだけ……って、キャラごとに先に書いていけばもう少し楽なのかもだけど、今更スタイルを変えるストレスのほうが、でっかい気がしてしまうのだ。
ただ、「絶対に伏線なんだから、この子もメインにしておきたいな〜」というキャラが、予想通りここへきてがんがんフォーカスされてて、1〜3巻で取り上げてなかったばかりに、このキャラクターのシーンとして描けなかったのが残念だった。
1巻のころから「このキャラも取り上げないと〜」とは思っていたんだけど、打ち合わせで編集さんが「闇っぽい、重い話になりそうなんで」と言って、実際その意見の通りだし、最初の巻でそういうキャラを目立たせてもな〜と私も思ったので、しかたなくそのキャラをメインの一人にするのはやめたんだけど。
ただ、ストーリー的にどうしてもここへ来て流れの中で出さざるを得ない状況になって、そのせいで「とってつけた感」が出ちゃったので、これ大丈夫かなあ……と心配しているところ。大きく直すとすると、かなり大変なんだよね。うーむ。
原作の流れを守って、できるだけ子どもたちの視点からの受験を……というのが、本シリーズの基本コンセプトなので、そこはずれてないとは思うので、なんとかなってるとは思うんだけど。
これも私のくせで、いつでも、書き上げたあとになってもしばらく自信ないんだよなあ。
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