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2023年11月24日02:03

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三島の美学/大つけ麺博

写真は順に
*三島由紀夫「金閣寺」(新潮文庫)表紙
*ズワイ蟹と鶏の濁り塩そば

三島由紀夫「金閣寺」(新潮文庫)を読んだ。
きっかけは先日NHKで再放送してた特集を観たから。
エッセイストの酒井順子さんが三島の「金閣寺」と水上勉の「金閣炎上」を比較考察する内容で大変興味深かった。
形而上学的で三島独特の美学に溢れる文章は私にはなかなか難解で読みづらい。
主人公で放火犯の青年・溝口は吃りという設定で、大学の友人・柏木は足に先天性の奇形を持つ内飜(反)足の男、2人ともコンプレックスがあるが、柏木の考え方は歪み過ぎてかえって自信過剰の立ち振る舞いをし、その心情にはめまいを覚えるほど困惑させられた。
金閣寺の和尚との埋まらぬ心の行き違いと、子供の頃から刷り込まれた金閣寺至上主義が拭いがたく、それが放火のきっかけではあるが、世間知らずなまま溝口自身が田舎からいきなり仏門(禅宗)に帰依したこと、太平洋戦争で金閣寺が被災を免れたこと、柏木の思考に影響を受けたことは大きい。
金閣寺=彼にとっての美の象徴にがんじがらめに絡め取られ、もはや金閣をこの世から無くしてしまうことしか、自分は生きていけないと思う溝口青年。
全てが金閣寺を中心に回る彼の思考、逃れるためには焼くしかなかった。
いやむしろ焼いてこそ、金閣寺の「美」は永遠になると考えていたようにも読み取れる。
焼失させてしまっても彼は金閣寺から逃れられなかったのだろうという気がしている。
劇団員時代に読んだ三島の「近代能楽集」の中で特に「班女」を何度も思い出しながら読んだ。
何年も待ち人を焦がれで過ごす班女、ある日とうとう待ち人が現れたが、彼女にとってはもはや「待つこと」が至上になり、生身の待ち人の存在を認めなられなくなる、という物語だ。
水上の「金閣炎上」は現在電子書籍でしか手に入らないのでまだ読んでいない。

「大つけ麺博 Presents 日本ラーメン大百科」に行ってきた。
ラーメン大百科ということで今はつけ麺店ばかりでなく、ラーメン店も多く出店。
新宿大久保公園の特設会場で26日まで開催中。
このイベントに出かけたのはもしかしたらコロナ禍以降、3年ぶりだったかも。
食べたのは「ズワイ蟹と鶏の濁り塩そば」(麺処 想 x 麺屋たけ田 のコラボ店)
つけ麺よりラーメン党なので。
トッピングの青菜は柚子皮入りで香りがよく、焼豚も美味しかったけれど、スープは蟹風味が強すぎて好みじゃなかったかも。
ストレート細麺にこだわってチョイスした結果でした。
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