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2023年11月05日13:20

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ジェームス・パタースンのCross Down を読んだ

ジェームス・パタースンのCross Down を読んだ。
Along Came A Spider(1993 )で登場したアレックス・クロスの新作です。
久しぶりに読んだが面白い。流石です。書いたのはブレンダン・ドボアとの共著です。
最近のパタースンは大半が共著で新人中堅作家を売り出す役目を果たしています。
彼の本は3億部を超えていて世界一の超リッチ作家です。かなり前で資産700億ですから今は800億くらいでしょう。

非常に読み易く、437頁でも8時間くらいで読めると思います。優しい単語を使っています。
面白くてスピーディな展開は初期の頃と同じです。初期のような連続殺人犯や、誘拐犯の登場はありませんので犯人との駆け引きや騙しあいの楽しみはありません。
現在の時期にあったストーリーです。もう少し複雑にすれば、より面白いかも。
でもNYTベストセラーであり続けるアレックス・クロスが健在です。

シアトル、オマハ、マンハッタンなどで、軍隊のような組織だったグループによるテロ事件が発生し、ついに首都ワシントンでも発生して大統領の指令によりメトロ警察のアレックス・クロスとその相棒ジョン・サンプソンが捜査に当たることになったのだ。

ジョン・サンプソンはクロスの相棒であり、義兄弟です。彼は6フィート5インチ黒人の大男なのは皆さんもご存じでしょう。

しかも1週間後には大規模なテロが計画されていると言う情報が報告されたのである。
そしてメトロ警察本部前に到着したアレックスとサンプソンはアマゾン配送車を装ったグループに襲われたのだ。彼等はテログループに反撃し、2人を射殺、グループの二人は逃げたが負傷した男はボスに殺されてしまった。
一方アレックスは胸を撃たれ重傷、直ちに救急車で病院に運ばれたが重傷だった。一命は取りとめたが、胸に銃弾を残しまま体力の回復を待って手術を行うことになったのだ。
ここからはジョン・サンプソンが大活躍する物語になります。

すぐさま、サンプソンの戦友から「誰も信用するな」と警告が」あります。
彼に会うため出かけるが、ホテルに着くと4人組の男が現れサンプソンを殺害しようとします。
サンプソンはそれを予想し部屋で待機して反撃したのだが、戦友が裏切ったのかと思う。しかしそうではなく、昔の戦友の中に裏切り者がいるのです。

その頃クロスの病室にも看護婦に化けた殺し屋が現れ病室にまで侵入されるが、間一髪で阻止することが出来ます。
そして二人の所へ次々、テロリストが襲ってくるのです。

サンプソンが戦友メルの別荘に行くと、メルに会ったとたんにまた襲われるのである。二人して逆襲したとき、テロリストのボスが「またな、ジョン」と言って去ったのだ。(まるでジョン・ウイックの決めセリフをまねたのか?)
ワシントンの大学でも二人が殺され、各地で車爆破等が相次ぎ、国防省でも大きな組織が動いているとみて政権内も捜査を始めた。

ワシントン・ポストの記者が殺されるなど首都にも不安な空気が流れて来たのである。
政権内の誰かが裏切り情報を流していると思われたのだ。テログループを指揮している人物は政権内の大物としか考えられないのだ。

外国のテロも考えられ、最近アフガニスタンで起きた米軍に化けたテロリストが地元の部落を爆弾で何度も襲撃する事件を探りにサンプソンは単身タジキスタンから国境を越え行くことになります。しかしこれらの事件は明らかに米軍ではなく残虐な殺戮だった。
そこでもテロリストの襲撃でサンプソンも攻撃を受けます。どうしてアフガンまでサンプソンが狙われるのか不可解なのです。単なるタリバンの襲撃なのかわかりません。
帰国しても常にテロリストがサンプソンを追いかけ、クロスの周囲にも次々テロリストが襲ってくるのです。

そしてクロスが事前に調査した書類から、テロリストの攻撃が極めて念密に練られた作戦であることが分かります。襲撃したテロリスト達が逃げ道を準備し、広い範囲で活動しているのです。作戦のテクニック、攻撃の広い範囲、位置を熟知しているのが判明します。

スナイパーによる連続射殺事件が各地で連続しており、それらの近くには陸軍、海兵隊のスナイパー訓練基地が存在したのです。
またセントルイス、カンサスの車爆弾事件も国土安全省の武器倉庫のある基地が近いことが分かります。

ここからは本をお読みください。スポイラーになりますから。
ストーリーは単純で物凄い勢いで進みます。活劇、銃撃戦の描写が詳しく、ディビッド・モレルやクライブ・カスラーを読んでいるような感じです。面白く読めるのは間違いありません。

余談:今回はクロスの出番が少ないので、犯人との駆け引き,騙しあいがないのは仕方がないです。
*パタースンは1990年代の本は、サインがなくても初版でVGなら1,000ドルはします。
* 最近は自筆サインのプレート(リトルブラウン)が本についています。
ほぼ毎月のようにパタースンの小説が出版されています。彼単独の作品は少なくなりました。でも彼の名前があれば本は売れるのです。
次作のアレックス・クロスは「Cross Out」です。

*リチャード・オスマンのThe Last Devil to Dieを読んでしまい、これを書くのが遅れてしまった。非常に面白く、かつ悲しいほろ苦いシリーズ最終作でした。これも必読です。


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