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2023年10月21日21:04

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豪放にして爽快なウォルトン・・・大フィル定期

期待を大きく上回る。

大阪 フェスティバルホール
大フィル第572回定期演奏会
尾高忠明指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
(コンサートマスター 崔 文洙)
ヴァイオリン:岡本誠司
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 K.216
ウォルトン:交響曲 第1番 変ロ短調

ぐすたふくん、実はこのウォルトンの曲が大好き。いわゆる「20世紀の交響曲」というジャンルは、マーラー没年の1911年より後のもの、と認識すべきと僕は思っていて(だから、シベリウスは第5番以後が20世紀の交響曲になるという立場に僕は立つ)、その中ではとびぬけた名曲だと思っています。

ただ、演奏が上手くいけば抜群の演奏効果と感興を得ることが出来ると思う反面、実演では前に1度接した京響の演奏(2013年2月16日 リーバー指揮)が残念なものだったことから、やはり演奏至難な曲なんだなあ、実演ではなかなかいい演奏に巡り合えないのかなあ、という思いを強く持っていました。その時は、その前に熱烈に京響にこの曲をリクエストしていたこともあり、そのリクエストに応じてくださったとしたら逆に申し訳なかったなあ、とすら思っていたんです。

だから、今回も期待半分、訝しさ半分でチケットを買ったのだけれど・・・・そんなぐすたふくんの杞憂を吹き飛ばすような、素晴らしい演奏だったと思います。

とにかく、尾高さんの指揮が徹頭徹尾確信に満ちたものであることが一番。ここぞという聞かせどころでの抜群の見えを切ってくれます。それをしっかり決めるあたりが、機能的に躍進を遂げた今の大フィルでありまするね。この曲、すごく音が多いので、下手をするとごちゃごちゃっと団子になってしまう嫌いがあり、そこをしっかり各パートが弾ききって、かつエッジを揃えないと映えない。それができる今の大フィルが、なにより立派。

全体としての響きの鳴りっぷりも見事なもの。1楽章や4楽章のクライマックスの腹に堪えるブラスサウンドの重厚な響きは、ヒンデミットの交響楽と通底するものを感じる。その一方で、その緊張が解けた後に見せる涼やかな肌触りのストリングスの旋律から、ブリティッシュ/ノルディックの風と匂いを感じるのも、気持ちのいい限りです。

このシンフォニーの持つ演奏効果を十二分に堪能できた、と言って良い。いやあ、いいもの聴かせてもらいましたねえ。

前半のコンチェルトは、今売り出し中の若手ヴァイオリニストの魅力を乗せるにはうーんという選曲。むしろアンコールに弾いた、トルコ行進曲のすべての音をヴァイオリンに載せたとんでもない曲の方が、ずっと面白かったです。



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