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2023年10月12日10:35

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大洗町の「潮騒の湯」における素晴らしい取組を知って

 このように人々が美術に触れられる場を設けるというのは,美術家にとっても我々市民にとっても大変素晴らしいことですね(◍•ᴗ•◍) 僕はこちらの取組にインスパイアされて,素人考えながら幾つかのアイデアを思いついてしまいました。

 我々が美術に触れられる場というと,僕たちが真っ先に思い浮かべるのは美術館でしょう。或いは画廊などを思いつく方もいらっしゃるかもしれません。そうした場が美術鑑賞にとって極めて有益な場所であることは,これは全く間違いの無いことです。しかしこれらに足を運ぶ人々の大多数は既に美術を愛好している人か,少なくとも「観てみたい」と思っている人でしょう。無論,美術好きではなくても「何となく気紛れに足を運んでみたら,素敵な作品に触れた」というのもあり得る話ではありますが,新規の美術好きを増やし裾野を広げるという点ではこれらの施設は必ずしも最善とは言い難い面がありそうです。
 その点,百貨店内の画廊というのは美術に関心の無かった人にその良さを伝えるのに大きな役割を果たしているというべきでしょう。美術品以外を購入に来た人たちも,時間が少々余った際などに店内の画廊を除くことは珍しくありません。そんな中で美術の良さに気付く人もきっと稀ではないでしょう。しかし百貨店というのはそもそも大きな都市意外には滅多に無く,また残念なことに現在では昔に比べて減少を続けています。

 そんな状況の中,美術好きな人々以外にも美術に触れる機会を提供する興味深い取組が行われていることを知りました。茨城県大洗町の温泉施設「潮騒の湯」(記事には「日帰り温泉施設」とありますが,実際にはペンションもあって宿泊可能です)では大広間・土産コーナー・大浴場に通じる通路などに茨城県在住者を中心とするプロの画家の作品を展示し,しかも展示作品は定期的に交換するということです。これは同施設のスタッフの和田道子氏が趣味の絵画鑑賞を通じて知り合った画家たちの作品を多くの人に鑑賞してもらいたいと考えて始めた取り組みで,2023(令和5)年の2月にスタートしたものです。入浴施設ですので当然ながら入場料(平日は大人900円,小学生までの子供600円。休日は大人1,100円,子供700円)が必要ですが,絵画鑑賞のみを目的とする入場は無料だということです。
 これは素晴らしい取組ですね。もともと日本では「銭湯絵」といって浴場に絵を描いて入浴者の鑑賞に供する伝統がありましたが,こちらは浴場ではなく入浴の前後に本格的な絵画を鑑賞出来るようにしたということで,伝統を踏まえながらも変化球の取組というべきでしょうか。
 これは非常に有意義な取組として,高く評価すべきでしょう。入浴というのは美術鑑賞とは全く別の営みですから,浴場には当然ながら美術には何の興味も無い方も来場します。そうした人々の集う場に押しつけがましくない形で優れた美術作品を沢山展示することで,入浴客の中から新たな美術愛好家が生まれてくる可能性は非常に高い。それは画家たちから見れば展示の場を得ることであると同時にいわば新規顧客の開拓でもあり,当然ながら絵画の制作販売という職業上の利益にも繋がる。さりげない形で美術の裾野を広げ振興するという極めて有益な取組と言えるのではないか。絵画鑑賞という趣味を仕事に活かして美術振興という取組に昇華させた和田道子氏に対し,同じく美術を愛好する社会人として僕は驚嘆と深い尊敬の念を抱いてしまいます。また入浴施設でありながら絵画鑑賞のみを願う者には無料入場を認めている「潮騒の湯」もまた,利益計上のみならず美術振興という社会的利益の実現のためにも活躍する企業として深い敬意を抱くところです。

 この素晴らしい取組をさらに有益な形に膨らませるべく,僕は幾つかのアイデアを思いつきました。中には既に行われていることもあるかもしれませんが。
 まず,展示作品の作者たちの展覧会等の案内状等を設置すべきだということ。入浴客の中から「これは素敵な作品だ。この画家の作品をもっと鑑賞してみたい」という希望が出て来るであろうことは容易に想像可能で,そうした希望に即応することで折角抱いた美術への関心を鑑賞者の心に確実に根付かせ大きく育むためにも,これは大いに役立つに違いありません。また,こちらの施設に作者を招き在廊してもらう日を設定することも一案ですね。作者さんのお話を聴くことで作品への理解を深め更に関心を持つようになる人というのも,きっと存在することでしょう。更に,こちらの「潮騒の湯」で作品の販売を行うこと,つまり画商の兼業も考えてはどうか。鑑賞者が抱いた「この作品を欲しい」という思いが冷めてしまう前に即応出来れば販売も容易になるでしょうし,これは画家にとって直接の利益になります。そしてこうした取組について同業他社にも呼びかけ「温泉巡りと美術鑑賞」という新たな楽しみを人々に提供することも視野に入って参ります。もともと温泉好きというのは今日はこちら明日はこちらとあちこちの入浴施設を巡る傾向があります。何処の日帰り温泉に行ってもそれぞれの施設で色々な美術に触れられれば,美術に関心を持たなかった人々に美術の良さを伝える効果はより大きくなるのではないか。無論,こちらの「潮騒の湯」で美術に関心を持った人々やそれ以前から美術好きだった人々にとっても新たな楽しみの提供として大いに喜ばれることでしょう。

 ・・・などと素人考えの夢を大きく膨らませてしまいました。それが何処まで実現可能かは判りませんが,まずは僕としても「潮騒の湯」にお邪魔して温泉に浸かり美術を鑑賞するという贅沢な楽しみを実際に味わってみたい。そんなことを強く願っております。それはきっと,何物にも代えがたい素晴らしい楽しみであるに違いありません♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪



絵画鑑賞だけは無料 日帰り温泉施設「潮騒の湯」(茨城・大洗町)
https://yomiuri-townnews.com/painting-in-the-bath/2023/10/03/
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