自宅で見ると気になるシーンを繰り返したりじっくり見直すことができるのはいい。
今回は仲間がすべて亡くなったり投降したりして一人になってしまった小野田寛郎が冒険家で小野田さん発見者となる鈴木紀夫との邂逅のシーンに注目してみた。
酒を飲みながら話すうちに、一瞬画面が若き日の小野田寛郎とその上司の谷口義美に切り替わる。そのシーンの後、小野田さんは上司の谷口を連れて来るように要請する。久しぶりに人と話をして昔を思い出したのか。若い時の自分、初心に帰ったというべきか。
元上司の招聘を願ったのは自分がやってきたことを否定したくなかったというか間違ってなかったのを確認したかったのか。というか恐らくここまできたから日本に戻るきっかけが欲しかったのか。
映画のテーマは30年間戦い続けた兵士の内面を描くということで、実際によく描けていると思う。
ラストシーン、ヘリコプターに乗り込む小野田さんの足をカメラが映す。足が地を離れた後、ヘリに乗った小野田さんの顔、窓越しに見える島の風景を映す。30年の戦いが終わった瞬間である。
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