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2023年08月21日00:12

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8月20日 「ヘンリー八世の私生活」「エノケンのちゃっきり金太」見る

今日は、古い1933年のイギリス映画を見ました。
イギリスは、20世紀初頭には、大した映画産業が無かったのですがこの映画で、世界的な映画大国になったと言われるぐらいのエポックメイキングな映画なのですが。
王様を馬鹿にしているという点で、絶対天皇制だった当時の日本では公開されずに、戦後も回顧展で上映されたぐらいで。日本では殆ど、注目されなかった名作です。
ヘンリー八世とは、子供を産めなくなった妻と離婚して別の女と結婚したいのに、ローマ教皇が許してくれなかったので、イギリス国家をローマ・カトリックから脱退させたほどの専制君主。最初の妻は、スペインの王妃を嫁に貰っていたのですが、子供が出来ない歳になったので、幽閉します。
映画は、その歴史的な事実を飛ばしまして、その後の尋常でない結婚と別れを描きます。
二番目の王妃のアン・ブーリンは浮気したので公開斬首刑に、三番目の王妃は産後に亡くなってしまい、四番目はドイツから王妃を貰ったのですが気が合わないので離婚、五番目の王妃も浮気したので斬首して、六番目は世話好きの口うるさい女房を貰うというコメディでした。
何よりも王を演じたチャールズ・ロートンが専制君主としての横暴さと、汚い食べ方の粗暴さと、好きな女性を斬首にしたりして泣いたりする子供っぽさを見事に演じてます。この見事な怪優ぶりでアカデミー賞を、アメリカ人以外で初めて貰ってました。
良く出来たコメディ映画だと思います。
日本では、殆ど知られてませんが、戦前のイギリスを代表する映画です。
是非、隠れた名作を見たい方にはお勧めの映画だと思いました。

続けて、山本嘉次郎監督が撮った、東宝の前身であるPCLで、土台を作ったドル箱だっ
た、1937年のエノケンの映画を見ました。
これは、谷口千吉が制作主任をして、本多猪四郎と黒澤明が助監督をやったという凄
い映画です。
内容はしかしドタバタコメディで、話はご都合主義的なので、批評家の大半が絶賛した訳ではないのですが。娯楽映画として見たら楽しいです。
元々は、前編後編の3時間以上の大作が、現在、残っているフィルムは半分ぐらいになった
バージョンなので、説明不足のシーンが多いのですが、それでも物語は凡庸でした。
エノケンこと、榎本健一が演じる天才的なスリの金太を、岡っ引きお倉吉がずっと追うの
ですが。
映画としての完成度の高さを目指すなら、むやみやたらに追いかけるのではなく、金太がやけに羽振りが良いのに金の出所を説明できないとか。スリの目撃証言とか、捨てた財布から足が付いたとか.追う側の倉吉の動機が必要なのですが、描かれてません。それどころか、何故か二人は仲良く共闘したりもします。
旅の途中の宿でもバッタリ出会うのですが、何で一緒に協力して女を救おうとしたり、隠れたりするのか、説明が足りず。途中で”おゆき”という旅の途中の娘を救うのですが、何で別の旅館に皆が移動しているのかも、偶然が重なる論理的な説明はありません。
映画としては、ドタバタ喜劇の物語が幼稚すぎますが。
戦前の大コメディアンのエノケンこと榎本健一のコメディアンぶりは、さすがで、たっぷり楽しめます。
話は幼稚でしたが、戦前の大ヒットコメディを見たい方にはお勧めだとは思いました。
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