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2023年08月13日23:42

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8月13日 「五人の斥候兵」「アラン」見る

今日は、日曜日で台風も来てたので、家で映画を見て過ごしました。
タイトルだけは聞いてたのですが、見たことがなかった戦前の38年に制作された傑作戦争映画を見ました。
日中の全面戦争に発展する前の支那事変の後に撮った中国東北部での戦闘を題材にしていて、田坂具隆監督の演出が冴えてます。
田坂具隆は、小津安二郎や溝口健二が活躍する前の文学映画の巨匠だと思ってますが。この映画でも人間性を発揮して、当時の戦争映画にしては珍しく、日本の兵士たちは助け合い、仲間意識が高くて、友情を感じらます。
中国との戦闘で、前線に立っている小杉勇扮する隊長の部隊は、5人の斥候兵を出して、中国軍の様子を偵察に行きますが。
敵の中国軍に囲まれて、死に物狂いで4人までは部隊に帰ってくるのですが、一人は帰って来ません。
4人の仲間は探そうとしても、隊長からの許可は出ず。
やがて決戦の前に、その行方不明だった兵士が戻ってきて、部隊は大喜び。日本軍は中国軍に勝つのであった。みたいな日本の一人の兵士の命を皆が心配するような戦争映画でした。
娯楽映画みたいに劇伴音楽が無く、ヒーローが登場するような通俗的な戦争映画ではなく、身近にいるような人たちのリアルな戦争映画の雰囲気が感じられました。
戦前の戦争映画の名作を見たい方には、この映画はお勧めだと思いました。

二本目は、ドキュメンタリー映画の父と呼ばれたロバート・フラハティ監督の初期の名作を見ました。
まだドキュメンタリーのカテゴリーが明確でなかった時代の1934年のイギリス映画で。
アイルランドのアラン諸島での現地の男と妻とその息子の一家を追ってます。
男は小さい舟で荒波に漁に出て、舟は大波で穴が空いたりするぐらい危険です。
漁に出てない時は、土地の岩を打ち砕いて畑を作り、妻と息子は海藻を集めたり、島の岩石の間に残っている土を集めて、畑を作ります。
また息子は断崖絶壁で、手で糸を垂らして魚を釣ります。
島に鮫の大群がやってくると、島の男たちは銛で鮫を取りに行きますが、2日ぐらい
引きずられたりしてます。
最後は荒波のため、3人の漁師が乗った舟が海岸に着くのが大変で、舟の中身を出してる間に舟は大破するのですが、命は助かるという凄い迫力のシーンなんですが。はっきり言って、今でいうヤラセだと思います。カットが多すぎます。第一、目の前で実際に漁師たちが死にかけてたら、スタッフはそんなに冷静に撮影できないと思いましたが。
しかし静かだったり、大きく荒れたりする海の撮影が特に素晴らしいです。
貧しくても逞しく生きる一家を描いた人間賛歌です。
古いドキュメンタリーが好きな方には、この映画はまずはお勧めの映画だと思います。

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