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2023年06月12日21:42

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6月12日 「白痴」「THE ICEMAN 氷の処刑人」見る

今日は、黒澤明監督が51年に、ロシアの文豪ドストエフスキーの原作を映画化した大作を見ました。
今の計算された日本映画では考えられないのですが、もともと2部作の4時間以上の映画だったのに、松竹の城戸四郎が公職追放から戻ってきて、試写を見て、短くするように言った為に、3時間弱になったのですが。御蔭でナレーションやテロップでの説明が入り、途中の心理描写も薄くなったために、黒澤映画の中では失敗作と言われた映画です。
しかも松竹は編集されなかったネガを失ってしまったそうです。
今ではディレクターズカットとかできるのに、50年代にはその発想はなく、大量に製作された映画のフィルムをきちんと保存することをしなかったので、残念な大作となりましたが、それでも良く出来ていると思います。
原作のロシアを北海道に舞台を移して、白痴と言われる精神薄弱者を森雅之、町の顔役の愛人を原節子、原節子を愛する野獣のような男を三船敏郎、聖人のような森雅之と婚約するのを久我美子が演じてますが。
森雅之は博愛で原節子を愛しますが、原節子は愛人として生活していたので森雅之の愛を恋愛ととらえます。自分のようなふしだらな女性は聖人のような森雅之には向かないからと、三船敏郎の愛人になります。そして久我美子に森雅之と結婚するように手紙で勧めるのですが、嫉妬した久我美子が原節子に厳しいことを言ったら、逆上した原節子が森雅之の心を奪おうとするという、ドロドロな4角関係です。
最後は、原節子は殺され、三船敏郎は流刑、森雅之は頭がおかしくなり、久我美子が「私こそが白痴だった」と台詞で見事に終わらせてましたが、カットが足りないです。
例えば前半部分の最後で、何で突然、三船敏郎が訪ねてきた森雅之をナイフで殺そうとするのか、殺意が突然、過ぎるし。久我美子が嫉妬するほど、原節子が森雅之を愛しているシーンが無い気はしますが。
元の状態から1時間近く切ったら、感情も上手く繋がらない気もしますが。
でも今では良く出来た映画として、再評価されてます。
黒澤明のような大監督の映画の中では人気のある方ではないかもしれませんが。
一見の価値のある映画だと思いました。

続いて、あまり大々的には公開されなかった映画でも見ようかな、と。
実話を元にした2012年の映画で、家では良い夫で良い父親でありながら、仕事では100人以上を殺していたという殺し屋の話を、ネット配信で見ました。
実在の人物で、刑務所でのインタビューなども残っているので、アメリカでは有名人なのですが。
良く悪役で登場するマイケル・シャノンが主役を演じていて、大味の役者なのかと思っていたら、意外に演技が上手いのでリアリティーがあります。
ポルノ映画のダビングの仕事をしていた貧乏な時に結婚するのですが、マフィアにケチを付けられて失業。しかし人を殺す才能を見抜いたマフィアが殺しを依頼すると大金を得ます。
しかしマフィアの身内を殺したことで、仕事を干されたので、フリーランスの殺し屋としてアイスクリーム屋を表看板にする殺し屋と組んで、死体をアイスボックスに入れて死体処理を含めての殺し屋になります。
殺し屋の商売は成功すると思いきや、案の定マフィアに怒られたら、今度は次々とマフィアや仲間を殺していき、さすがに最後には警察に捕まるという話です。
良いキャストで、演出も無難で、良くできた映画だと思いますが、なかなかヒットしませんでしたが。
実話をもとにした重みと、面白い映画だと思います。
意外に面白い映画を探している方にはお勧めだと思います。
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