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2023年06月10日23:51

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6月10日 「パラレル・マザーズ」「本日休診」見る

今日は、傑作ばかり生みだすスペインの巨匠、ペドロ・アルモドバルの昨年、日本で公開された話題作をやっと配信で見ました。
今までも日常の中の重い人間ドラマを扱ってましたが、これも最高レベルの傑作でした。
お洒落なオープニングなので、お洒落な映画なのかと思ったら。
ペネロペ・クルス扮するお母さんが、育ててる自分の子供に疑問を持ち、DNA検査をしたら自分の子供ではなかったことにショックを受けます。で、産院で一緒だった女性と会い、彼女と住み、レズ関係になり、こっそりDNA検査をしたら、彼女の子供だったという重い話なのですが。
そこには、戦前戦後のスペインのフランコ独裁政権が反対する人達を虐殺した歴史をDNAで証明しようとする彼女と彼氏の活動と相まってます。
自分の育ててる子供がDNAで違うと分かった時に、事実を告白することは、フランコ政権で殺された人を放置するのではなくDNA検査で特定して公表すべきと云う運動とリンクしているという映画の作りでした。
しかしスペインの近代史を知らないと、分からないとは思いますが。
素晴らしい映画なので、是非、映画が分かる人にはお勧めしたい映画だと思いました。

続けて、52年の渋谷実監督のいつもの風刺喜劇を見ました。
主人公は人情溢れる医者で、”医は忍術”として貧乏人の為にはお金もツケで構わないという、昔気質の良いお医者さんです。
さすが当時の松竹の一流映画監督が撮っただけあって、キャストが豪華です。
本日休診というタイトルなら、休診日の一日の事なのかと思ったら。
最初が休診日にしただけで、その後は営業日の医者の様子も描かれたりします。
ただ風刺が今の時代と笑いが違いました。
冒頭で、女の人が強姦されてますが。彼女の処女を奪われた悲劇を、犯人を捕まえて薬を塗ろうとするのをユーモラスに描こうとしているのは、今では笑えないです。
頭の可笑しい三國連太郎も、戦争による悲劇を描いているのですが、精神病の患者としてはリアリティーが無さ過ぎるかな。
井伏鱒二の原作があるから大きくは改変できなかったのかもしれませんが、もっと鈍臭い医者で笑わせる、皮肉でウィットに富むとか、今ならもっとユーモラスに演出するかと思いましたが。
まあまあ面白い風刺喜劇かな。
日本の古いコメディが好きな人にはお勧めかもしれません。
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