TAR、見てきました

話題の映画で、クラオタ向きと言われているので見ないのもなんだなと思い、見てきました。

一言

後味悪い・・・

とにかく、主人公が可哀想で、、、、。まあ、そういう状況に個人を追い込む人間集団の醜さを描くことと、どんなに功成り名遂げた人間であっても逃れられない弱さと愚かさ、そしてそれ故の破滅とを描くことがテーマだろうから、そういう映画だと思って見るべきなんでしょうが、、、。「ヨーロッパ」という貴族的な世界と、「芸術」という名の高尚な言説に対する強烈な皮肉が、さまざまな暗喩を散りばめつつ展開する点、映画としてのクオリティは高いと感じるも、あんまり楽しいものではない。

それと、暗喩と思われるエピソードやシーンが挿入されるために、メインのストーリーとの整合性が見ていてわからなくなってしまうところがある(一体、TARを失脚させるシナリオの首謀者が誰で、誰がどこまでグルだったのか、がいまいちわからない)。それに、「ベニスに死す」と「地獄の黙示録」が本歌取りよろしく背景で鳴っているのはわかるが、僕にとっては、ピンと来る人には来るんでしょうね、言う感じ。

何より、日本人の僕としては、モンスターハンターオーケストラに対して作曲者の意図を説いてみせるTARを滑稽に見せているとしか思えないラストも、あまり良い感じはしなかったです。ここは、意見が分かれるかもしれませんが。

これがアカデミー賞取ったら、嫌だなあ。