三浦しをん・EBATO KIYOSHI個展

写真は順に
＊三浦しをん「愛なき世界」（中公文庫）上下巻/表紙
＊EBATO KIYOSHI「レンタル預言者」（立体）
＊EBATO KIYOSHI「花うさぎさん、よろしく」（油絵）

三浦しをん「愛なき世界」（中公文庫）上下巻、読了。
大学院で植物の研究をする博士課程の本村紗英は、人間同士の愛の育みに一切興味を持たない。
その本村が所属する研究室の仲間と共に通う洋食屋の店員・藤丸が彼女に恋をした。
本村の研究対象シロイヌナズナという植物が、藤丸の恋敵である。
研究のことはわからない藤丸だが、出前の時に顕微鏡で見せてもらった細胞片に美と宇宙を感じ、料理で使う野菜にこれまでと違った慈しみを感じるようになったりする。
研究者あるあるの愉快な描写、藤丸の片想いと本村の研究過程が並行して進む。
ヒトへの愛より植物に恋焦がれる本村のような人間が研究者には多いのかもしれない。
生殖を超えたところで共鳴し合うヒトの物語は、本村が研究室でのみ感じる世界と似ているかもしれないと思った。
爽やかな読後感、この作品がとても好きだ❣
今までに読んだことのないタイプの作品で、三浦しをんさんの引き出しの多さに感銘を受けた。

月一で通う銀座一丁目の奥野ビルへ。
14：00〜16：00のの写真集作りのためのMTG後、お隣のギャラリー『巷房』へご挨拶に。
2週に渡って開催中の個展はEBATO KIYOSHI さんの作品。
画廊からご案内ハガキが届いた時から気になっていたアーティストさんだ。
作品名は「レンタル預言者」（立体）
「花うさぎさん、よろしく」
＊作家とギャラリーの許可を得て撮影。
地下にある『巷房2』の中央に鎮座する「レンタル預言者」だが、階段を降りるとドーンと視界に入り、圧巻だった。