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2023年05月05日03:01

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ドラマも小説も良き良き

写真は順に
*連続ドラマW『トッカイ〜不良債権特別回収部〜』Netflix視聴画面より
*辻村深月「傲慢と善良」(朝日文庫)表紙

Netflixで連続ドラマW『トッカイ〜不良債権特別回収部〜』(2021年)全12話鑑賞。
WOWOWのドラマはやはり面白い。
民放は愚かNHKまで昨今はコミックが原作の、ライト過ぎるリアリティにかけたドラマ制作が蔓延る中、圧巻の見応えである。

バブル経済崩壊後の1996年、経営破綻した住宅金融専門会社(住専)の不良債権取り立てを目的とした国策会社「住宅金融債権管理機構(のちの整理回収機構)」が設立された。
中でも悪質債務者への取り立てを任務とする不良債権特別回収部(通称・トッカイ)を描いた、実話を元にした凄絶な奮闘の物語。
主役は住管機構・部長役の伊藤英明だが、社長で弁護士役の橋爪功の存在感が胸を打つ。

文庫部門で版を重ね続けている辻村深月さんの「傲慢と善良」
タイトルの由来は究極の結婚小説とも解釈されるジェーン・オースティン(英)の『高慢と偏見』から。

西澤架(かける)と婚約中だった坂庭真美が、ある日突然行方不明になった。
2人は婚活で知り合ったカップルで式場も予約済み。
しかし真美は婚約直後にストーカー被害にあっていた。
都会的でモテ男の架、田舎育ちで箱入り娘のまま薹が立ち初めていた真美の出会いと交際の過程、そしてストーカーに拉致されたかもしれない行方不明の真美を探し続ける架が、今まで考えもしなかった彼女の本当の姿に少しずつ気づき始め、それは翻って自分自身の言動にも行き当たる。
深い。
架と同様に、私も今まで夢想だにしなかった真美のような生き方をしてきた女性の人生や考え方について掘ることになった。
婚活で知り合ったまま2年も婚約しなかった架が傲慢なのか、箱入り娘で何もかも親が準備してくれた人生を生きてきた世間知らずの真美が善良なのか。
ことはそんなに単純な話ではない。
この本が売れ続けている理由がわかる。
もし読むなら、巻末の朝井リョウ(作家)さんの解説も是非!
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