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2023年04月04日11:54

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ステファンヌ・レイモン氏の陶芸作品,日本でも展示販売して頂けないでしょうか(⋈・◡・)

 とても素敵な陶芸作品,是非日本でも展示・販売して頂けないものでしょうか(⋈・◡・)

 僕は最近になるまで美術鑑賞の楽しみを知りませんでした。しかし人間にとって美に触れる機会は栄養の摂取と同様,興味があるか無いかとは関係無く絶対に必要なことだと僕は考えます。少なくとも人間が人間らしい心を持って過ごすには。かつての僕はそのことに無頓着でしたが,ではその無頓着な僕が無意識のうちにせよどこで美に触れていたかというと一つはクラシック音楽,もう一つは陶芸だったのではないかと考えています。音楽については,僕が中学時代からクラシック音楽を愛聴していたことはしばしば述べているとおりです。一方の陶芸はというと,こちらは音楽ほど意識的ではありませんでしたが,僕の故郷が笠間市の至近で小学校の社会科見学でもしばしば笠間焼の工房に見学に行っていたこと,たまたま同級生のお父様がその笠間焼の陶芸家で「友人のお父さんの晴れ舞台だから」といった理由ではあっても展覧会に鑑賞に行く機会があったこと,また何よりも日常の使用で統制品を日々目にしていたことなどでそれなりに「素敵だなぁ」と感じさせられる機会を持てていたことで,いつの間にか気付かぬうちに美に触れる経験を得ていたのではないかと考えます。

 その陶磁器,或いはもっと大きく捉えて「焼物」といっても良いのでしょうが,美術品であると同時に日常生活に不可欠な実用品でもあるため,世界中殆どの地域にそれぞれの特徴を持った美しい作品が存在します。我々日本人にとっては日本以外のものですと中国や朝鮮半島,或いは茶器の好きな方などであれば東南アジアの焼物を目にする機会も多いことでしょう。それ以外にはコーヒーや紅茶を頂く際にヨーロッパの陶磁器を目にすることも珍しくありません。その他には博物館や美術館で中東の陶磁器が展示される機会もあり,我々はそれぞれの特徴と良さとを存分に楽しむことが可能です。決して目が高いわけではない僕もまた,それらの作品を鑑賞して自分なりに大まかな特徴は把握したつもりでした。
 そんな僕が「おや?(。・о・。)?」と感じたのがこちらの記事「映画の世界を去り、陶芸のアトリエを開いたステファンヌ。」です。これは「Series パリジェンヌの転職と天職」という題名からも明らかなとおり自ら選んだ仕事に取り組むパリ在住の女性を取り上げた連載記事で写真に紹介されているのもヨーロッパ系の女性ですが,一方でやはり写真で紹介されている陶芸作品は我々日本人にとって馴染みの深い,明らかに東洋風のものです。「何だろう(・_・?)」と思って,記事に目を通してみることに致しました。

 こちらの作品を制作したのは,陶芸家にして陶芸教室"Atelier Setsuko"を主宰するステファンヌ・レイモン氏です。同氏はフランスの映像学校の最高峰であるグランデコール"FEMIS"を卒業した元映像作家で,お仕事の傍らでご母堂の趣味だった陶芸を自らも嗜むうち,陶芸家に転身したという経歴をお持ちの方です。同氏は映像の道を断念した理由について,長編作品の監督にはなれずかつカメラ助手という業務は「自分がしていることは十分にクリエイティブではないと感じていた」ということ,そのため自ら短編作品を制作して高く評価されたもののこれは大衆向けの作品ではなく「映画界に自分の居場所を見つけるのは難しい」と感じたこと,また撮影は「パリを離れることも多く、また夜も週末もありません」という性質の仕事で出産・子育てとの両立が極めて困難であることなどを挙げておられます。一方で当初は単なる趣味であった陶芸が「徐々に私の頭の中で場所を占めるように」なってきたこと,映像制作においても実は素材(フィルム)への拘りがあったことに気付き陶芸でもそれと同様の「できあがった時に(ママ)驚き」を感じられること,そしてご母堂との繋がりも感じられることなどから,彼女は陶芸を職業にしようとお考えになったのだということです。加えて日本旅行で鑑賞した日本の陶器に後押しされたこと,そして制作のみならず陶芸教室をも主宰すれば事業としても有望であるばかりか時間に自由も効きお嬢さんを育てるのにも便利であるということも,現在の道を決める理由になったようですね。更に陶土の産地であるブルゴーニュにも家を購入し制作にあたると同時に,将来はそちらでも教室を開催する予定とのことです。
 因みに"Setsuko"というのは日本人女性の名前ですが,レイモン氏は日系人というわけではなく何となくお好きな名前だということで,お嬢さんにもアトリエにも「セツコ」と命名したのだそうです。日本人としては,何だか嬉しくなってしまうお話ですね(◍•ᴗ•◍)

 この記事には「映画の世界を去り、陶芸のアトリエを開いた」と重大な変更が行われたことを示唆するような題名がついていますが,僕はこちらのお話を読んでもステファンヌ・レイモン氏の決断には何の違和感も感じません。僕は美術作品を鑑賞する中で大勢の美大生や美大OBと知り合うことになりましたが,彼らの中で制作に向き合う中で己の才能や傾向に気付き大学での専攻と異なるジャンルの作家になったり,或いは専攻以外のジャンルの作品をも並行して制作したりする人々は少しも珍しくありません。レイモン氏はフランスの映像学校の最高峰である"FEMIS"をご卒業ということで,これは日本で言えば武蔵野美術大学や多摩美術大学・東京造形大学・日本大学芸術学部の映像専攻コースや,或いは東京藝術大学大学院映像研究科を卒業したことに匹敵するでしょうか。わが国でそうした大学を卒業した人々の中にも,絵画や工芸でも優れた成果を出している方は数多く存在します。むしろ僕はステファンヌ・レイモン氏の作品を写真で拝見して「素晴らしい」と思うと同時に「やはり国内最高の美大を卒業した方というのは凄い」と賛嘆の念を感じるばかりです。美術大学での学びというのは専攻と違うジャンルの作品を制作する際にも極めて有益なのに違い無いと僕は考えておりましたが,自らの考えの正しさを改めて確信致した思いです。このことを当のレイモン氏に伺っても,きっと「その通り」と仰るのではないでしょうか。

 こちらの記事にはレイモン氏の作品が幾つか紹介されています。いずれも東洋を強く感じさせる,そして先述のとおり大変素晴らしい作品だと心の底から感じさせられます。現在は年に2回パリのアトリエで販売するのみとのことですが,日本でも展示・販売の機会を作って頂けたらどんなに素敵だろうと願わずにはいられません。自ら「日本の陶器のファン」と仰り日本人のお弟子さんをも持つステファンヌ・レイモン氏に,是非そのことを前向きに検討して頂ければと願って止みません(๑•ᴗ•๑)



映画の世界を去り、陶芸のアトリエを開いたステファンヌ。
https://madamefigaro.jp/series/tenshoku/220722-stephaneraymond.html
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