辻村深月のファンタジー小説を、「クレしん オトナ帝国」の原恵一監督がアニメ化した作品。
ネタバレすると悪いので、細かいところは省きます。
原恵一監督の作品に「カラフル」という、ファンタジーアニメーション作品がありましたが、この作品も同様のテーマを扱っています。
主人公が鏡の中の不思議な城へ導かれて、数々の経験を通して少しずつ成長するところは、まさに「正統派ファンタジー」。
子供向けの童話やアニメを大人になってから見ていたら、作品の奥にあったテーマに気づいて驚いたことがありませんか?
この作品は、見る人によっては自分の過去の経験を思い出して、つらい気持ちになるかもしれません。
作品のテーマになっている問題は昔からある事で、問題はこの先も続いて行くという、悲観的なところが目につきます。
しかし、そんな事も必ず終わりがあるし、前を向いて行こうという制作者のメッセージが伝わって来て、とても心に響くものがありました。
数々の伏線が、ラストで見事に回収される展開は見事です!
「クエストを全てクリアすると、生還できる替わりに「城で会った友達と一緒に過ごした記憶」が全てリセットされる」という設定は、去年見た橋本環奈主演映画「カラダ探し」にもありましたね。
登場するキャラクターの一人の声をあてている声優さんが某有名アニメの主人公で、あの有名なセリフ「真◯は…」を言った時は思わず爆笑!
興行収益や観客動員数などの「記録に残る作品」か否か?は、狸は興味がありません。
「心に残る作品」として佳作だと思います。
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