【単なる覚書きです、スルーしてください】
日本の詩歌には脚韻はなかった(代わり七五をベースにする韻律と掛詞や語呂合わせがあった)。
日本語の文法上および音韻上の特徴からそうなったわけなので、だから、私、Jラップの体言止めを多用してライムを踏むという手法には、いささか懐疑的なんだけどさ。
漢詩には脚韻の伝統があるよね。 じゃあじゃあ、中国語のラップって、自然な展開なんじゃないかな。 そういうのが出てきてるかどうか、ご存じの方おられます?
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と某所に書いてから、自分でネット検索してみた。
そしたらこう:
【中国で盛り上がるヒップホップ、ラップミュージックの未来をつくるチャイニーズラッパー7選】
https://www.fashionsnap.com/article/2019-04-11/7-chinese-rappers/
盛り上がってて、でもってメディア当局がヒップホップを規制対象に選定して、抑圧してるんだってさ。 ブレイクダンスだのタトゥーだの、非道徳的だっていって。
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中国語と日本語の事情の違いについて、高島俊男先生(『漢字と日本人』)のご教示とかを参考にしつつ、少し書いときますよね。
日本語は、明治以降に大量の和製漢語が作られてそれ以前に輸入されてきた漢語に付け加わったため、同音異義語がめちゃくちゃ多くて、体言止めにすればしごく簡単に韻を踏めてしまう。 だから、ライミングの面白さが乏しい。
ましてや、体言止めにしなければ、「〇〇です」「〇〇だ」「〇〇だった」みたいな感じで述語の最後は一律だから、脚韻なんて何の意味もないしね。
じゃあ、漢詩はどうよ、ですか? 日本語と同じくらいに、同音異義語があるんじゃないの、というのは私たち、向こうのことばを知らない者の憶測。
中国語にはイントネーションを大幅活用した四声っていうものがあるから、日本語にすれば同音なものでも、中国語では別の音になる。
だから、押韻の技法とそこから生まれる面白さっていうのが、十分に確保されてるんだよね。
こういうABCみたいなことをちゃんと説明してくれる「識者」のが皆無に近いんだから、コクブンやエイブンの先生方って何をしてるんだろう、とかは思うよね。
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