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2022年12月22日11:46

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東京ミチテラス,お邪魔してその美しさを堪能したいと思います

 東京駅前で開催中の「東京ミチテラス」,是非観に行ってその美しさをしっかり確認し堪能したいと思っています。

 僕の若い頃,年末になると東京駅前では「東京ミレナリオ」というイベントが行われていました。東京駅近くの丸の内が一斉にイルミネーションで彩られ,実に壮大にして繊細な光の芸術を堪能することが出来たものです。僕も毎年観に行ってその美しさに感嘆しておりましたが,或る年からは噂を聞きつけた両親も上京するようになり「これは見事なものだ(ღ✪v✪)!!」と感動していたものです。
 そんな東京ミレナリオも,東京駅の大規模工事に伴い2005(平成17)年を最後に休止されてしまいました。それらの工事は無事完了して東京駅も建設当初の見事な姿を取り戻しましたが,残念ながら東京ミレナリオは再開されないまま今日に至っています。僕は「修復なった東京駅の前で再びミレナリオを鑑賞出来る」と大変楽しみにしていたのですが,その願いはまだ叶えられていません。東京駅地下丸の内口の案内板には今もイラストを添えて「東京ミレナリオ」と記載されたものもあり,是非再びあの見事なイルミネーションによる光の芸術を堪能したいと願っています。各地のイルミネーションは今も大変な人気で大勢の人を集めています。もし東京ミレナリオが再開されれば,交通の便の良さもあり必ずや大勢の人々が丸の内に足を向けるに違いありません。

 では今の東京駅前ではこの時期に全くイベントが行われていないのかといえばそうではなく,数年前から「東京ミチテラス」というイルミネーションが実施されており,僕も以前に実際に足を運んだこともあります。実を言うと,かつての東京ミレナリオの美しさと壮大さとを実際に目にした僕としては「何とも慎ましやかなイベントで,首都の中心部を彩るにしては小規模に過ぎるのではないか」という思いを禁じ得なかったところです。具体的には東京ミレナリオでは道の上にたくさんの光り輝くアーチを掛けて遠くからでもまるでまばゆい宝石のような煌めきを感じさせられたのですが,こちらの東京ミチテラスでは街路樹や建物が様々な色で飾られてはいても,そのような壮大さは感じられません。
 しかし,僕はここで過去の思い出に固執すべきではないでしょう。今はもう東京ミレナリオは開催されてはおらず,現に東京ミチテラスが行われているのです。かつて鑑賞したものの美しさを心に留めそれを折に触れて思い出すのは人生を楽しく豊かなものにしてくれる行為ですが,それに拘って今存在するものの美しさを評価出来なくなるというのは決して良いことでも賢明なことでもありません。僕が色々な美術作品を観ているのはそれらを採点して優劣をつけるためではなく,各々の作品の持つそれぞれの美しさを見出して楽しむためなのですから。

 今年も東京ミチテラスが開催されています。記事によれば,今回のイルミネーションは「鉄道開業150年、丸ビル20周年、新丸ビル15周年と、東京駅・丸の内エリアにとって特別なアニバーサリーイヤーとなった2022年。そんな1年を締めくくる」ものとして,特に力を入れて準備されたもののようです。そんな記念の年に相応しく「テーマカラーは、『感謝・上品・幸福』などの花言葉を持つピンク色のバラ(ピンクローズ)。東京駅丸の内中央広場、行幸通りの樹木の全エリアを、明るいパステルカラーの色彩で染め上げる」とあり,きっと夢のような風景が広がるのではないかと期待出来ます。それは真冬の都心に春が来たような,そんな景色ではないでしょうか。

 是非足を向けてみよう。僕はそう思います。なるほど,東京ミチテラスのイルミネーションにはかつての東京ミレナリオのような豪壮さは無いでしょう。しかし「豪壮でないと美しさも劣る」などと一体誰が決めたというのか。我々日本人はその偏見が誤りであることを誰よりもよく知っている民族です。頭を巡らせば古く安土桃山時代,我々の父祖は金箔などを多用した豪壮華麗な障壁画の美を讃えると同時に,簡素で精神性に満ちた侘茶をも堪能していました。そんな人々の末裔である我々もまた,豪壮な美と簡潔な美との両方を愛でる感性を民族の魂の中に持ち続けているに違いありません。我々が京都に赴けば豪壮な金閣寺に感動し,そして銀閣寺の簡潔な美にも同じように感動するのはその何よりの証拠です。

 東京駅丸の内口に赴き,かつての豪壮な美とはまた違う美に触れてみよう。僕は今,そのように考えております。



東京駅周辺エリアのイルミネーション「東京ミチテラス2022」パステルカラーの明かりが点灯
https://www.fashion-press.net/news/97184
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