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2022年08月17日23:12
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7月28日（木）SARD UNDER GROUND 初のファンクラブイベントレポート ZARDの名曲「お・も・ひ・で」の歌詞に出てくる伊豆の大室山と白浜 B-ingグループ復活
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8/17(水）
1990年代、バブル期末期から崩壊後にかけて日本の音楽業界を席巻したレコード会社B-ingグループが、再びブームを巻き起こそうとしている。2002年に解散したFIELD OF VIEWは、9月28日に21年ぶりの新作シングルＣＤの発売が決定した。
FIELD OF VIEW、20年ぶりのシングルリリースが決定
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9月28日にリリース予定のFIELD OF VIEWの新作「きっと」には、SARD UNDER GROUNDのヴォーカリストの神野友亜がコーラスをつとめる予定である。
前回のSARD UNDER GROUND関連日記
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主題 SARD UNDER GROUND ファンクラブイベントレポート 7月28日（木）渋谷区恵比寿ガーデンホールより
今回のテーマは「SARD UNDER GROUND」のファンクラブイベントのレポートである。ミニライブで披露した歌詞の内容を考察すると共に、トークやゲームコーナーの様子を紹介する。
目次
1．イベント開催前 充実した会場限定特典の内容
2．イベント開始 ミニライブ 「夏の終わりに」と「お・も・ひ・で」の歌詞
3. トークコーナー、夏の思い出について
4. ゲームコーナー、プレゼントについて
5. フィナーレ 今後の音楽活動
過去のSARD UNDER GROUNDの関連日記
2021年10月26日付け 10月16日に行われたSARD UNDER GROUNDのライブレポート
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2022年5月20日付け 宇宙論からZARDの坂井泉水の行方を考察する
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2022年5月27日付け 坂井泉水、突然の旅立ちから本日で15年（2）マルチバース理論
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1.イベント開催前 充実した会場限定の特典内容
ZARDのトリビュートバンド「SARD UNDER GROUND」は、デビュー3年目にして、初めて今夏ファンクラブイベントの開催が実現した。
7月28日（木）に東京都渋谷区恵比寿ガーデンホールで1部、8月1日（月）大阪府BIG CATで昼と夜の完全入れ替え制の2部、合計2会場３回にわたって、開催された。事前の予告では、トーク＆ライブ、スペシャル映像の上映だった。
会場内のＣＤ販売コーナーでは、来場者限定のプレゼントが用意されていた。
�ヾ�に販売済みのＣＤを3000円以上購入で、販売促進ポスター二点のうち一点プレゼント
ポスター商品
・Blue-ray 「SARD UNDER GROUND LIVE TOUR 2021 」2022年3月16日発売
・4ｔｈシングル「空っぽの心」2022年5月18日発売
写真＝SARD UNDER GROUND LIVE TOUR 2021 販売促進ポスター 私が受け取った商品
��2022年9月14日発売のミニアルバム「日の名残り」の事前予約購入者限定で、メンバーのサイン入りカードをプレゼント、
写真＝事前購入者限定で送られるサイン入りカード 私が受け取った商品
そのほか、メンバー3人がプロデュースしたイベント限定商品なども販売されている。
ミニアルバム「日の名残り」の事前予約購入者は、ＣＤが出荷する9月13日（火）から、同月末日まで、渋谷HMV店で受け取りにいくか、または配送料金810円での郵送での受け取りか、選択できる。渋谷HMV店は、駅から徒歩5分未満、午前10時から午後9時まで営業している。私は、現地までとりにくことにした。
2.イベント開始 ミニライブ 「夏の終わりに」と「お・も・ひ・で」の歌詞
オフィシャルファンクラブ「FUNCTION」は、2021年7月1日に発足して丸1年になる。会報誌も規約どおり、年に2回の発行を実現し、夏と冬にグリーティングカードを会員に送った。コロナ禍の影響で、イベントの開催については慎重になっていた。
写真＝会報誌Vol.1の表紙
5月下旬、2ヶ月以上に及ぶ4ｔｈシングル「空っぽの心」のリリース記念イベント終了後、ファンクラブイベント初開催が発表されたのである。
7月28日（木）、平日の午後6時からイベントが始まった。初めにミニライブを行う。バックのギターリストの岩井雄一郎氏とドラマーの車谷啓介氏も加わり、夏を感じるナンバーが披露された。
�，△硫討領�は眩しくて
�⇒菁�の夏も
�２討僚�わりに
�い�・も・ひ・で
メンバーたちは、夏らしく浴衣姿で、長い髪を束ねていた。ヴォーカリストの神野友亜は、マイクを握りながら、情感を込めて歌った。
写真＝SARD UNDER GROUNDのメンバーたち ツィッター サイト名 SARD ANGEL(メンバー公認）運営者:メープルリーフス 8月11日付け
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3曲目の夏の終わりには、昨2021年9月1日に発売されたグループ3枚目にして初のオリジナルアルバム「オレンジ色の乾杯」の収録曲である。昨年同アルバムを引っさげた東阪ツアーでは、アルバム12曲のうち唯一セットリストからもれた。ファンの希望にこたえ、ファンクラブイベントにて、初披露したのである。
動画＝「夏の終わりに」のミュージックビデオ SARD UNDER GROUND オフィシャルチャンネルより
夏の終わりにの作詞者は神野友亜、ZARDの坂井泉水に倣い、若者の失恋をテーマに書き上げた。
Aメロのサビの一節「夏の終わりに...愛はあなたでいっぱい、遠くで波の音が飛沫を弾く 私のプロフィールもあなたでいっぱい、でも、あなたとの時間（とき）は味わいきれない、戻れなくなるから このままで... これ以上は何ももとめない」
写真＝MV 夏の終わりの一幕 掲載元 You tube SARD UNDER GROUNDオフィシャルチャンネルより
灼熱の夏を謳歌した男女が、秋へ向うにつれて、心のすれ違いにより、決別をする。作詞者神野友亜は、離れていく2人を「遠くで波の音が、飛沫を弾く」と表現している。打ち寄せる波が、岩礁に当たって、砂を洗い流す。夏の終わり、海水浴シーズンのピークを越え、静けさを取り戻した砂浜から引き上げる若者の姿を想像できる。
Cメロのサビで、物語の結末を書いている「あなたとの時間は味わいきれない、戻れなくなるから、このままで、これ以上は何も求めない」
切ない夏の恋物語は、多くのファンからも共感を読んだ。コロナの時代、自治体の長から自粛要請が出て、楽しみにしていたイベントや旅行が無くなり、塞ぎ込んだ人も多いはずである。鬱屈した日々をすごす今の若者の気持ちを代弁していた。
最後に披露したのは、ZARDのカバー曲「お・も・ひ・で」、SARD UNDER GROUNDヴァージョンは、2022年2月9日にリリースされた4ｔｈアルバム「ZARD Tribute�掘廚虜能�12曲目に収録されている。
歌詞の内容から、タイトルどおり、大人になり、アルバムをめくりながら、学生時代を振り返る主人公を描いている。
坂井泉水の作品では珍しく、静岡県伊東市の単性火山の「大室山」を含め地名が登場する。彼女の作品で、地名が出てくるのは「思い出の神戸の町」と書かれた1993年9月4日にリリースされた9thシングル「もう少し あと少し・・・」である。
お・も・ひ・では、神野友亜自身、大変気に入っているという。過去の思い出に浸りながらも、前に進む主人公の姿が見える。
Ａメロの冒頭の一節「まばたきをした一瞬に思いだす あの都会（まち）、遠ざかる 大室山の夕暮れ、愛しき日々」
月日の経過により、過去に起こった出来事は忘れがちだ。人間躓いたとき、過去に遡り、自らの行いを振り返るようになる。
写真＝大室山の外観 掲載元 伊豆高原・美術館めぐり・観光ガイドより
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続いてＢメロの冒頭の一節「晴れ渡る 穏やかな波の調べの白浜 見失う 昔の自分を取り戻したくて」
白浜とは、伊豆の下田町の地名である。木目の細かい砂地の先には、真っ青な海が続く。夏は都会からの若者や家族連れで賑わい、一段と活気を帯びる。
作詞者坂井泉水は、Ｃメロのサビで、次のようにメッセージを残している。「太陽が昇るように前向きに生きたい 自分らしく生きること 自分を愛すること everyday and night 君が教えてくれた 遥かな希望へと」
過去の自分は、希望に満ち溢れていた。年を重ねて、親元から自立を迫られ、進路にも迷った。自分の原点である伊東市と下田市を含む伊豆を旅して、再び新しい人生を踏みだす主人公の姿がある。
写真＝下田市白浜ビーチ 掲載元 ぐるたびーぐるたび 2020年8月21日より
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坂井泉水は、躓いても立ち直る青年をテーマに、歌詞を描いていた。今世代を超えて、多くの人々の心に届いている。
4曲披露すると、バックのバンドメンバーの二人は、ファンから拍手喝采で送られながら、舞台から去っていった。ステージは暗転し、キーボードやベース、ドラムなどの楽器を含むマイクスタンドまで片付けられた。
3.トークコーナー、夏の思い出について
続いて、司会進行役の音楽雑誌Music Freakの編集部の女性が登場した。メンバー3人も、ステージ上で一列に並び、客席のファンに問いかけながら、トークを行った。
初めに司会者が、夏の思い出について、質問をした。坂本ひろ美は、故郷の島根県松江市の地名まで出して、「盆踊り大会」を上げた。山陰地方は、バブル期を発端に立地の良い駅前を中心に開発が進んだ。一歩郊外へいくと、時が止まったかのような、のどかな田園風景が広がる。子供時代には、金魚掬いもしたという。一方ヴォーカリストの滋賀県彦根市出身の神野友亜は、さらに盆踊り大会ついて、掘り下げて語った。彼女は出身地を伏せたふえで、盆踊り大会で、自らステージに立って、歌を披露したことまで打ち明けた。
神野友亜自身は、歌手を育てる事務所が主催するオーディションを受けるため、度々彦根市から上京していたのである。学生時代、放課後は、気に入った歌を口ずさみ、発声練習をしていたという。小さい頃から物怖じせず、人前に積極的に出て、自己アピールしていた。早い段階から、歌手としての頭角を現していたのである。
写真＝彦根城でのお花見の様子 2020年4月4日付け 「来年は家族と一緒にワイワイお花見したいです」と綴った。https:/
対照的に杉岡泉美は、夏といえば「暑い」と端的に言い、涼しい秋のことを持ち出した。
人間誰しも季節によって、好き、嫌いがある。写真撮影する身としては、秋の紅葉、春の桜は、日本の風情を感じることができる。一方夏間は、平地に関すると、花の種類が乏しく、鳥数も極端に少ない。写真愛好家は、避暑を兼ねて、高原地帯に出向く傾向がある。子連れの家族の立場になると、お盆休みを通して、遠方への泊りがけの旅行がしやすい。子供時代、誰しも夏が恋しかったはずである。
続いては、車の話題に移った。ムードメーカーの杉岡泉美、神野友亜、坂本ひろ美を含め、メンバー3人共、免許を取得している。実際4ｔｈシングルの「空っぽの心」のＭＶやジャケット撮影において、青色のスポーツカーの運転席に座っている。
天然キャラの杉岡泉美自身、運転が好きだと語っていた。いつも笑顔で、メンバーやファンを和ませる彼女は、ドライバー席に座ると、表情が変わるという。テンションがあがる杉岡泉美に対して、メンバー2人は、次のように述べた。「杉ちゃん（杉岡泉美の愛称）は、マリオカートの運転は得意やけれど、実際の運転は怖い」
冗談を言って、会場のファンをリラックスさせた。
写真＝会報Vol.2より 空っぽの心のジャケット撮影
ステージ左側の杉岡泉美(1999年12月15日産ま)と真ん中の神野友亜(西暦2000年9月14日産まれ)のトークに対して、右側からお姉さん的存在の坂本ひろ美(西暦1995年12月29日生まれ）が、間に入る。時に杉岡泉水の言葉に、年下の神野友亜が、疑問を投げかけると、坂本ひろ美がフォローしていた。メンバー3人は、互いに役割をしっかりと分担し、トークを続ける。
4．ゲームコーナー、プレゼントについて
さて司会者から、続いてゲームコーナーの一環として、「スイカ割り」を行うと、アナウンスが入った。客席のファンもゲームに加わった。実際スイカを割るのは、メンバー3人、一人ずつ挑戦をする。
写真＝関西で放送されている「音いたち」収録前の様子 2022年5月24日付け 神野友亜ツィッターhttps:/
タオルで目を隠したメンバーに、ファンが司会者を通して、スイカの位置を伝えた。成功すれば30ポイントが付与される。ポイントが多ければ多いほど、プレゼントをゲットする確立が上がる。コロナ感染拡大防止の観点から、声をだすのは禁止、司会者が、前、右、左とファンに問いかけた。ファンの挙手によって、司会者が目隠ししたメンバーに、方向を教えていた。初めに挑戦したのは杉岡泉美、ファンと司会者が上手くコンタクトをとれず、スイカの位置を正確に伝えられなかった。結果的に杉岡泉美は、空振りに終った。2人目の坂本ひろ美は、ある程度スイカの方角へと歩んでいた。彼女は体の軸が若干ぶれた分、棒を叩いた位置が、ターゲットからわずかにずれてしまった。最初の2人は失敗、ポイントは0のまま、このままではプレゼントの当選者が出なくなる。
最後の3人目の挑戦者である神野友亜は、俄然気合が入っていた。事前に司会者に対して、「成功したらポイントをくれますか？」と問いかけた。ポイントを沢山ゲットすると、ファンに多くのプレゼントを贈ることができる。「ボーナスポイントを含む200ポイントでよろしいですか」と確認した。司会者もＯＫサインを出した。
ファンが正確に神野友亜にスイカの位置を知らせることができると、ヒット確立が上がる。彼女が成功すれば、先の2人のミスを帳消しにしてしまうほどの多くのポイントが入る。客席のファンは、最後のチャンスにかけるべく、一心にステージを見つめた。司会者とコンタクトをとりながら、右、左、と細かく目隠しする神野友亜に指示を送った。神野友亜は、そろり、そろりと歩きながら、方向を確認する。そして、ファンからの合図により、肩より上に棒を持ち上げて、振り下ろした。見事にスイカに命中し、切れ込みが入った。綺麗に真っ二つといかなかったものの、亀裂によって、中の汁が飛び出していた。
結果的に、ファンはボーナスポイント200ポイントをゲットした。マナーをしっかり守り、マスクをしたまま、拍手をして、意志を伝えた。誰一人ルールを敗らなかった。まさに一体感が表されたのである。
メンバー3人は、早速一人ずつ、箱の中からチケットの半券を引き抜く。それぞれ10名ずつ、計30名のプレゼントの当選者を座席番号で読み上げる。当選者は、公演終了後、ファンクラブブースを訪れ、チケット本券と引き換えに、缶バッジをもらう。
写真＝3回に渡ったイベントの景品「缶バッジ」 掲載元 ツィッター ユーザー名としにゃん 2022年8月1日より https:/
必 写真の掲載主としにゃんさんは、２会場3回に渡った公演全てに参加し、それぞれの公演で30名に送られる缶バッジを全てゲットした。
トークコーナー、ゲームコーナー、プレゼントの当選者の読み上げに続き、特設映像の上映で、イベントを締めくくった。
特設映像では、イベント開催時と同じく、浴衣姿の3人が、奈良の旧市街地を散策し、金魚すくいをする様子が映し出された。
写真＝奈良県の金魚の町としてしられる大和郡山の町並み 掲載元 4travel 2011年10月7日付 https:/
杉岡泉水は、度々カメラに顔を近づけて、様子を語った。水につけるたびに、膜がはがれるため、小さな金魚の捕獲にはコツがいる。坂本ひろ美は、しずかにプールに視線を落としたまま、挑戦していた。
夏をテーマにしたファンクラブイベント、最後の挨拶において、メンバーは、今後の希望について述べた。「今後も季節ごとに、FUNCTION(オフィシャルファンクラブ名）のメンバーと、顔を合わせ、距離を縮められたらいいとおもいます」
写真＝8月1日大阪公演前の楽屋 神野友亜 掲載元 8月1日付けツィッター
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5、フィナーレ 今後の音楽活動
初のファンクラブイベントは、「ミニライブ」、メンバーの「プライベートトーク」、「ファンと一体となったゲーム」、メンバーの日常を垣間見ることができる「スペシャル映像」で構成された。
過去に彼女たちは、一般の方々も参加する「ライブ」、全国のＣＤショップを駆け巡るミニライブと特典会を含む「リリース記念イベント」を行ってきた。
写真＝会報誌Vol.2より MV「空っぽの心」のジャケット撮影の一幕
それぞれのイベントには特徴がある。ライブは、ＺＡＲＤの名曲と共に、自らのオリジナル曲を披露する。対照的にリリース記念イベントは、来場者が気軽に訪れることができ、特典会において、メンバーと直接会話を行う。彼女たち自身、「ＺＡＲＤの曲を聴くきっかけを与えてくれた」との言葉が励みになったという。
今回初めて取り組んだファンクラブイベントは、FUNCTION(ファンクラブ名）のメンバー参加型イベントといえる。彼女たちの日常をトークやプライベート映像から知ることができ、ゲームにも加わった。
彼女達は、過去のイベントから脱却した点が一つある。ライブやリリース記念イベントのトークにおいて、必ずZARDの坂井泉水の名を口にしていた。それぞれの坂井泉水に対する思いと共に、参考にすべき点を述べていたのである。神野友亜は、空っぽの心のリリースに合わせて、オリコンのインタビューで、次のように話していた。
インタビュー掲載記事 オリコン 2022年5月22日付けhttps:/
「（ＺＡＲＤの曲を）カバーさせていただくときは、いつも、歌詞を届けることを大切にされていた坂井泉水さんの想いを持って、坂井泉水さんのアクセントの位置やタメの具合などをしっかり吸収して歌うようにしています」
杉岡泉美もベーシストとしての立場から語った。「私も坂井さんと同じように大切に届けるという気持ちを持って、新しいアレンジになっていても、ZARDさんのアレンジも意識しながら演奏しています」
記事には掲載されていなかったものの、キーボードリストの坂本ひろ美も同じく「大切に届ける」との気持ちを持って、弾いているという。
ファンクラブイベントのトークコーナーでは、坂井泉水の名前を出さなかった。その分、自分達のプライベートの一部を明かし、FUNCTIONのメンバーへの思いを口にしたのである。
イベントは開園予定時刻の7時に始まり、8時30分頃に終えた。ステージ前方から順に、列ごとの規制退場が実施された。飛沫防止用のビニールシート越しとはいえ、3人のメンバーに見送られながら、FUNCTIONのメンバーは、帰途についた。私は、「コロナ禍の中、開催していただきありがとうございます。皆様の歌声が、ウクライナの戦地に届くように祈っています」とメッセージを送った。
東欧の一国では、戦争により、両国の軍人を中心に、罪のないウクライナの一般市民まで犠牲を負っている。世界に目を向けると、領土や民族問題、政治不安を抱えている地域も数多い。2021年2月1日には、東南アジアのミャンマーで、クーデターにより、軍隊が独裁政権を樹立した。民主派アウンサンスーチー氏を支持する若者達を弾圧し、報道規制を敷き、権力基盤を確実なものにする。少数民族のロヒンギャに対する締め付け策も一段と強化した。さらに2年遡り、2020年9月27日から11月10日の停戦合意まで、中東のナゴルノ・カラバフ地区の帰属権を巡り、アルメニア軍とアゼルバイジャン軍が戦った。トルコの支援を受けるアゼルバイジャン軍がアルメニア軍を圧倒し、1988年から1994年まで散発的に続いた1回目の戦争により失った地域を占領する。ロシアが仲介に入った停戦協議において、降参したアルメニアのパシニャン首相は、占領された地域の主権を放棄した。戦争を仕掛けたアゼルバイジャンのアリエフ大統領は、コロナ禍で経済が行き詰る中、国民の圧倒的な支持を得て、独裁体制を強化した。
2022年2月24日以降、ウクライナに対する特別軍事作戦が手詰まりになる中、同地域に駐留するロシア軍からも派遣された。治安維持に当たるロシア軍の警備が手薄になる中、8月3日アゼルバイジャン軍の無人機ドローン攻撃により、アルメニア兵士2人とアゼルバイジャン兵士1人の死亡が確認された。治安の悪化により、故郷を離れる人も後をたたない。2020年の紛争前、京都府程の広さの地域に16万人が暮らしていたものの、現在15万人に減少している。
対照的に東アジアの日本では、憲法9条の下、他国の武力闘争に加わらず、77年間平和国家として歩んできた。坂井泉水は、生誕時の1967年から、デビュー時の1991年まで、右肩上がりで経済成長を遂げる日本社会に支えられ、スポーツや音楽活動、詩の作成を含め、好きなことをやり通した。1993年1月26日にリリースされた6ｔｈシングル「負けないで」は、平成の大不況により、失業や就職難に苦しむ人々にエールをおくった。ブレイク後、テレビの前に出ず、神奈川県秦野市から東京都町田市南部へ引越し、マイペースに音楽活動を続けた。彼女がこの世を去った2007年以降、デジタル化が普及するにつれ、人々はＣＤからネット配信へと音楽の聴き方が変わった。ＣＤ売上の低迷に反比例するかのように、コンサートを含め、大規模イベント産業は、成長を続けている。
日本政府は、イベント会社の収益を守るため、2022年3月以降開催人数制限を撤廃した。SARD UNDER GROUNDは、政府の方針に従い、3月20日（日）から5月29日（日）まで、全国各地のＣＤショップを巡る「リリース記念イベント」を実施した。
彼女たちは、ZARDのプロデューサーを勤めた長戸大幸（だいこう）氏に支えられ、2019年9月18日に、1stアルバム「ZARD Tribute」でデビューする。ZARDのヴォーカルを努めた坂井泉水の良さを伝えながら、グループとしての個性を打ち出していた。
神野友亜の誕生日となる9月14日（水）に、ミニアルバム「日の名残り」のリリースを控える。収録7曲のうち、5曲はオリジナル曲だった。
写真＝2022年9月14日（水）にリリース予定のミニアルバム「日の名残」のジャケット 掲載元 SARD UNDER GROUND STAFF Twitter 2022年8月6日付
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ミニアルバムには、5月18日（水）にリリースされた4ｔｈシングルの「空っぽの心」も含まれている。既に彼女たちは、10月に控えるライブツアーの準備にも入っているという。10月10日（月・祝）に大阪府Zepp Nambaで、10月22（日）に東京都Zepp Hanedaで開催する。原則1階オールスタンディングのライブハウスでも、着席指定で行う。タイトル名は「 in the Twigh light」、開演時刻は午後6時、日没間もない黄昏時にスタートする。
withコロナ時代に入った今、彼女たちはファンとの距離感を考えながら、音楽活動を続けていく。
1990年代、バブル期末期から崩壊後にかけて日本の音楽業界を席巻したレコード会社B-ingグループが、再びブームを巻き起こそうとしている。2002年に解散したFIELD OF VIEWは、9月28日に21年ぶりの新作シングルＣＤの発売が決定した。
FIELD OF VIEW、20年ぶりのシングルリリースが決定
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9月28日にリリース予定のFIELD OF VIEWの新作「きっと」には、SARD UNDER GROUNDのヴォーカリストの神野友亜がコーラスをつとめる予定である。
前回のSARD UNDER GROUND関連日記
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主題 SARD UNDER GROUND ファンクラブイベントレポート 7月28日（木）渋谷区恵比寿ガーデンホールより
今回のテーマは「SARD UNDER GROUND」のファンクラブイベントのレポートである。ミニライブで披露した歌詞の内容を考察すると共に、トークやゲームコーナーの様子を紹介する。
目次
1．イベント開催前 充実した会場限定特典の内容
2．イベント開始 ミニライブ 「夏の終わりに」と「お・も・ひ・で」の歌詞
3. トークコーナー、夏の思い出について
4. ゲームコーナー、プレゼントについて
5. フィナーレ 今後の音楽活動
過去のSARD UNDER GROUNDの関連日記
2021年10月26日付け 10月16日に行われたSARD UNDER GROUNDのライブレポート
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2022年5月20日付け 宇宙論からZARDの坂井泉水の行方を考察する
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2022年5月27日付け 坂井泉水、突然の旅立ちから本日で15年（2）マルチバース理論
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1.イベント開催前 充実した会場限定の特典内容
ZARDのトリビュートバンド「SARD UNDER GROUND」は、デビュー3年目にして、初めて今夏ファンクラブイベントの開催が実現した。
7月28日（木）に東京都渋谷区恵比寿ガーデンホールで1部、8月1日（月）大阪府BIG CATで昼と夜の完全入れ替え制の2部、合計2会場３回にわたって、開催された。事前の予告では、トーク＆ライブ、スペシャル映像の上映だった。
会場内のＣＤ販売コーナーでは、来場者限定のプレゼントが用意されていた。
�ヾ�に販売済みのＣＤを3000円以上購入で、販売促進ポスター二点のうち一点プレゼント
ポスター商品
・Blue-ray 「SARD UNDER GROUND LIVE TOUR 2021 」2022年3月16日発売
・4ｔｈシングル「空っぽの心」2022年5月18日発売
写真＝SARD UNDER GROUND LIVE TOUR 2021 販売促進ポスター 私が受け取った商品
��2022年9月14日発売のミニアルバム「日の名残り」の事前予約購入者限定で、メンバーのサイン入りカードをプレゼント、
写真＝事前購入者限定で送られるサイン入りカード 私が受け取った商品
そのほか、メンバー3人がプロデュースしたイベント限定商品なども販売されている。
ミニアルバム「日の名残り」の事前予約購入者は、ＣＤが出荷する9月13日（火）から、同月末日まで、渋谷HMV店で受け取りにいくか、または配送料金810円での郵送での受け取りか、選択できる。渋谷HMV店は、駅から徒歩5分未満、午前10時から午後9時まで営業している。私は、現地までとりにくことにした。
2.イベント開始 ミニライブ 「夏の終わりに」と「お・も・ひ・で」の歌詞
オフィシャルファンクラブ「FUNCTION」は、2021年7月1日に発足して丸1年になる。会報誌も規約どおり、年に2回の発行を実現し、夏と冬にグリーティングカードを会員に送った。コロナ禍の影響で、イベントの開催については慎重になっていた。
写真＝会報誌Vol.1の表紙
5月下旬、2ヶ月以上に及ぶ4ｔｈシングル「空っぽの心」のリリース記念イベント終了後、ファンクラブイベント初開催が発表されたのである。
7月28日（木）、平日の午後6時からイベントが始まった。初めにミニライブを行う。バックのギターリストの岩井雄一郎氏とドラマーの車谷啓介氏も加わり、夏を感じるナンバーが披露された。
�，△硫討領�は眩しくて
�⇒菁�の夏も
�２討僚�わりに
�い�・も・ひ・で
メンバーたちは、夏らしく浴衣姿で、長い髪を束ねていた。ヴォーカリストの神野友亜は、マイクを握りながら、情感を込めて歌った。
写真＝SARD UNDER GROUNDのメンバーたち ツィッター サイト名 SARD ANGEL(メンバー公認）運営者:メープルリーフス 8月11日付け
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3曲目の夏の終わりには、昨2021年9月1日に発売されたグループ3枚目にして初のオリジナルアルバム「オレンジ色の乾杯」の収録曲である。昨年同アルバムを引っさげた東阪ツアーでは、アルバム12曲のうち唯一セットリストからもれた。ファンの希望にこたえ、ファンクラブイベントにて、初披露したのである。
動画＝「夏の終わりに」のミュージックビデオ SARD UNDER GROUND オフィシャルチャンネルより
夏の終わりにの作詞者は神野友亜、ZARDの坂井泉水に倣い、若者の失恋をテーマに書き上げた。
Aメロのサビの一節「夏の終わりに...愛はあなたでいっぱい、遠くで波の音が飛沫を弾く 私のプロフィールもあなたでいっぱい、でも、あなたとの時間（とき）は味わいきれない、戻れなくなるから このままで... これ以上は何ももとめない」
写真＝MV 夏の終わりの一幕 掲載元 You tube SARD UNDER GROUNDオフィシャルチャンネルより
灼熱の夏を謳歌した男女が、秋へ向うにつれて、心のすれ違いにより、決別をする。作詞者神野友亜は、離れていく2人を「遠くで波の音が、飛沫を弾く」と表現している。打ち寄せる波が、岩礁に当たって、砂を洗い流す。夏の終わり、海水浴シーズンのピークを越え、静けさを取り戻した砂浜から引き上げる若者の姿を想像できる。
Cメロのサビで、物語の結末を書いている「あなたとの時間は味わいきれない、戻れなくなるから、このままで、これ以上は何も求めない」
切ない夏の恋物語は、多くのファンからも共感を読んだ。コロナの時代、自治体の長から自粛要請が出て、楽しみにしていたイベントや旅行が無くなり、塞ぎ込んだ人も多いはずである。鬱屈した日々をすごす今の若者の気持ちを代弁していた。
最後に披露したのは、ZARDのカバー曲「お・も・ひ・で」、SARD UNDER GROUNDヴァージョンは、2022年2月9日にリリースされた4ｔｈアルバム「ZARD Tribute�掘廚虜能�12曲目に収録されている。
歌詞の内容から、タイトルどおり、大人になり、アルバムをめくりながら、学生時代を振り返る主人公を描いている。
坂井泉水の作品では珍しく、静岡県伊東市の単性火山の「大室山」を含め地名が登場する。彼女の作品で、地名が出てくるのは「思い出の神戸の町」と書かれた1993年9月4日にリリースされた9thシングル「もう少し あと少し・・・」である。
お・も・ひ・では、神野友亜自身、大変気に入っているという。過去の思い出に浸りながらも、前に進む主人公の姿が見える。
Ａメロの冒頭の一節「まばたきをした一瞬に思いだす あの都会（まち）、遠ざかる 大室山の夕暮れ、愛しき日々」
月日の経過により、過去に起こった出来事は忘れがちだ。人間躓いたとき、過去に遡り、自らの行いを振り返るようになる。
写真＝大室山の外観 掲載元 伊豆高原・美術館めぐり・観光ガイドより
http://
続いてＢメロの冒頭の一節「晴れ渡る 穏やかな波の調べの白浜 見失う 昔の自分を取り戻したくて」
白浜とは、伊豆の下田町の地名である。木目の細かい砂地の先には、真っ青な海が続く。夏は都会からの若者や家族連れで賑わい、一段と活気を帯びる。
作詞者坂井泉水は、Ｃメロのサビで、次のようにメッセージを残している。「太陽が昇るように前向きに生きたい 自分らしく生きること 自分を愛すること everyday and night 君が教えてくれた 遥かな希望へと」
過去の自分は、希望に満ち溢れていた。年を重ねて、親元から自立を迫られ、進路にも迷った。自分の原点である伊東市と下田市を含む伊豆を旅して、再び新しい人生を踏みだす主人公の姿がある。
写真＝下田市白浜ビーチ 掲載元 ぐるたびーぐるたび 2020年8月21日より
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坂井泉水は、躓いても立ち直る青年をテーマに、歌詞を描いていた。今世代を超えて、多くの人々の心に届いている。
4曲披露すると、バックのバンドメンバーの二人は、ファンから拍手喝采で送られながら、舞台から去っていった。ステージは暗転し、キーボードやベース、ドラムなどの楽器を含むマイクスタンドまで片付けられた。
3.トークコーナー、夏の思い出について
続いて、司会進行役の音楽雑誌Music Freakの編集部の女性が登場した。メンバー3人も、ステージ上で一列に並び、客席のファンに問いかけながら、トークを行った。
初めに司会者が、夏の思い出について、質問をした。坂本ひろ美は、故郷の島根県松江市の地名まで出して、「盆踊り大会」を上げた。山陰地方は、バブル期を発端に立地の良い駅前を中心に開発が進んだ。一歩郊外へいくと、時が止まったかのような、のどかな田園風景が広がる。子供時代には、金魚掬いもしたという。一方ヴォーカリストの滋賀県彦根市出身の神野友亜は、さらに盆踊り大会ついて、掘り下げて語った。彼女は出身地を伏せたふえで、盆踊り大会で、自らステージに立って、歌を披露したことまで打ち明けた。
神野友亜自身は、歌手を育てる事務所が主催するオーディションを受けるため、度々彦根市から上京していたのである。学生時代、放課後は、気に入った歌を口ずさみ、発声練習をしていたという。小さい頃から物怖じせず、人前に積極的に出て、自己アピールしていた。早い段階から、歌手としての頭角を現していたのである。
写真＝彦根城でのお花見の様子 2020年4月4日付け 「来年は家族と一緒にワイワイお花見したいです」と綴った。https:/
対照的に杉岡泉美は、夏といえば「暑い」と端的に言い、涼しい秋のことを持ち出した。
人間誰しも季節によって、好き、嫌いがある。写真撮影する身としては、秋の紅葉、春の桜は、日本の風情を感じることができる。一方夏間は、平地に関すると、花の種類が乏しく、鳥数も極端に少ない。写真愛好家は、避暑を兼ねて、高原地帯に出向く傾向がある。子連れの家族の立場になると、お盆休みを通して、遠方への泊りがけの旅行がしやすい。子供時代、誰しも夏が恋しかったはずである。
続いては、車の話題に移った。ムードメーカーの杉岡泉美、神野友亜、坂本ひろ美を含め、メンバー3人共、免許を取得している。実際4ｔｈシングルの「空っぽの心」のＭＶやジャケット撮影において、青色のスポーツカーの運転席に座っている。
天然キャラの杉岡泉美自身、運転が好きだと語っていた。いつも笑顔で、メンバーやファンを和ませる彼女は、ドライバー席に座ると、表情が変わるという。テンションがあがる杉岡泉美に対して、メンバー2人は、次のように述べた。「杉ちゃん（杉岡泉美の愛称）は、マリオカートの運転は得意やけれど、実際の運転は怖い」
冗談を言って、会場のファンをリラックスさせた。
写真＝会報Vol.2より 空っぽの心のジャケット撮影
ステージ左側の杉岡泉美(1999年12月15日産ま)と真ん中の神野友亜(西暦2000年9月14日産まれ)のトークに対して、右側からお姉さん的存在の坂本ひろ美(西暦1995年12月29日生まれ）が、間に入る。時に杉岡泉水の言葉に、年下の神野友亜が、疑問を投げかけると、坂本ひろ美がフォローしていた。メンバー3人は、互いに役割をしっかりと分担し、トークを続ける。
4．ゲームコーナー、プレゼントについて
さて司会者から、続いてゲームコーナーの一環として、「スイカ割り」を行うと、アナウンスが入った。客席のファンもゲームに加わった。実際スイカを割るのは、メンバー3人、一人ずつ挑戦をする。
写真＝関西で放送されている「音いたち」収録前の様子 2022年5月24日付け 神野友亜ツィッターhttps:/
タオルで目を隠したメンバーに、ファンが司会者を通して、スイカの位置を伝えた。成功すれば30ポイントが付与される。ポイントが多ければ多いほど、プレゼントをゲットする確立が上がる。コロナ感染拡大防止の観点から、声をだすのは禁止、司会者が、前、右、左とファンに問いかけた。ファンの挙手によって、司会者が目隠ししたメンバーに、方向を教えていた。初めに挑戦したのは杉岡泉美、ファンと司会者が上手くコンタクトをとれず、スイカの位置を正確に伝えられなかった。結果的に杉岡泉美は、空振りに終った。2人目の坂本ひろ美は、ある程度スイカの方角へと歩んでいた。彼女は体の軸が若干ぶれた分、棒を叩いた位置が、ターゲットからわずかにずれてしまった。最初の2人は失敗、ポイントは0のまま、このままではプレゼントの当選者が出なくなる。
最後の3人目の挑戦者である神野友亜は、俄然気合が入っていた。事前に司会者に対して、「成功したらポイントをくれますか？」と問いかけた。ポイントを沢山ゲットすると、ファンに多くのプレゼントを贈ることができる。「ボーナスポイントを含む200ポイントでよろしいですか」と確認した。司会者もＯＫサインを出した。
ファンが正確に神野友亜にスイカの位置を知らせることができると、ヒット確立が上がる。彼女が成功すれば、先の2人のミスを帳消しにしてしまうほどの多くのポイントが入る。客席のファンは、最後のチャンスにかけるべく、一心にステージを見つめた。司会者とコンタクトをとりながら、右、左、と細かく目隠しする神野友亜に指示を送った。神野友亜は、そろり、そろりと歩きながら、方向を確認する。そして、ファンからの合図により、肩より上に棒を持ち上げて、振り下ろした。見事にスイカに命中し、切れ込みが入った。綺麗に真っ二つといかなかったものの、亀裂によって、中の汁が飛び出していた。
結果的に、ファンはボーナスポイント200ポイントをゲットした。マナーをしっかり守り、マスクをしたまま、拍手をして、意志を伝えた。誰一人ルールを敗らなかった。まさに一体感が表されたのである。
メンバー3人は、早速一人ずつ、箱の中からチケットの半券を引き抜く。それぞれ10名ずつ、計30名のプレゼントの当選者を座席番号で読み上げる。当選者は、公演終了後、ファンクラブブースを訪れ、チケット本券と引き換えに、缶バッジをもらう。
写真＝3回に渡ったイベントの景品「缶バッジ」 掲載元 ツィッター ユーザー名としにゃん 2022年8月1日より https:/
必 写真の掲載主としにゃんさんは、２会場3回に渡った公演全てに参加し、それぞれの公演で30名に送られる缶バッジを全てゲットした。
トークコーナー、ゲームコーナー、プレゼントの当選者の読み上げに続き、特設映像の上映で、イベントを締めくくった。
特設映像では、イベント開催時と同じく、浴衣姿の3人が、奈良の旧市街地を散策し、金魚すくいをする様子が映し出された。
写真＝奈良県の金魚の町としてしられる大和郡山の町並み 掲載元 4travel 2011年10月7日付 https:/
杉岡泉水は、度々カメラに顔を近づけて、様子を語った。水につけるたびに、膜がはがれるため、小さな金魚の捕獲にはコツがいる。坂本ひろ美は、しずかにプールに視線を落としたまま、挑戦していた。
夏をテーマにしたファンクラブイベント、最後の挨拶において、メンバーは、今後の希望について述べた。「今後も季節ごとに、FUNCTION(オフィシャルファンクラブ名）のメンバーと、顔を合わせ、距離を縮められたらいいとおもいます」
写真＝8月1日大阪公演前の楽屋 神野友亜 掲載元 8月1日付けツィッター
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5、フィナーレ 今後の音楽活動
初のファンクラブイベントは、「ミニライブ」、メンバーの「プライベートトーク」、「ファンと一体となったゲーム」、メンバーの日常を垣間見ることができる「スペシャル映像」で構成された。
過去に彼女たちは、一般の方々も参加する「ライブ」、全国のＣＤショップを駆け巡るミニライブと特典会を含む「リリース記念イベント」を行ってきた。
写真＝会報誌Vol.2より MV「空っぽの心」のジャケット撮影の一幕
それぞれのイベントには特徴がある。ライブは、ＺＡＲＤの名曲と共に、自らのオリジナル曲を披露する。対照的にリリース記念イベントは、来場者が気軽に訪れることができ、特典会において、メンバーと直接会話を行う。彼女たち自身、「ＺＡＲＤの曲を聴くきっかけを与えてくれた」との言葉が励みになったという。
今回初めて取り組んだファンクラブイベントは、FUNCTION(ファンクラブ名）のメンバー参加型イベントといえる。彼女たちの日常をトークやプライベート映像から知ることができ、ゲームにも加わった。
彼女達は、過去のイベントから脱却した点が一つある。ライブやリリース記念イベントのトークにおいて、必ずZARDの坂井泉水の名を口にしていた。それぞれの坂井泉水に対する思いと共に、参考にすべき点を述べていたのである。神野友亜は、空っぽの心のリリースに合わせて、オリコンのインタビューで、次のように話していた。
インタビュー掲載記事 オリコン 2022年5月22日付けhttps:/
「（ＺＡＲＤの曲を）カバーさせていただくときは、いつも、歌詞を届けることを大切にされていた坂井泉水さんの想いを持って、坂井泉水さんのアクセントの位置やタメの具合などをしっかり吸収して歌うようにしています」
杉岡泉美もベーシストとしての立場から語った。「私も坂井さんと同じように大切に届けるという気持ちを持って、新しいアレンジになっていても、ZARDさんのアレンジも意識しながら演奏しています」
記事には掲載されていなかったものの、キーボードリストの坂本ひろ美も同じく「大切に届ける」との気持ちを持って、弾いているという。
ファンクラブイベントのトークコーナーでは、坂井泉水の名前を出さなかった。その分、自分達のプライベートの一部を明かし、FUNCTIONのメンバーへの思いを口にしたのである。
イベントは開園予定時刻の7時に始まり、8時30分頃に終えた。ステージ前方から順に、列ごとの規制退場が実施された。飛沫防止用のビニールシート越しとはいえ、3人のメンバーに見送られながら、FUNCTIONのメンバーは、帰途についた。私は、「コロナ禍の中、開催していただきありがとうございます。皆様の歌声が、ウクライナの戦地に届くように祈っています」とメッセージを送った。
東欧の一国では、戦争により、両国の軍人を中心に、罪のないウクライナの一般市民まで犠牲を負っている。世界に目を向けると、領土や民族問題、政治不安を抱えている地域も数多い。2021年2月1日には、東南アジアのミャンマーで、クーデターにより、軍隊が独裁政権を樹立した。民主派アウンサンスーチー氏を支持する若者達を弾圧し、報道規制を敷き、権力基盤を確実なものにする。少数民族のロヒンギャに対する締め付け策も一段と強化した。さらに2年遡り、2020年9月27日から11月10日の停戦合意まで、中東のナゴルノ・カラバフ地区の帰属権を巡り、アルメニア軍とアゼルバイジャン軍が戦った。トルコの支援を受けるアゼルバイジャン軍がアルメニア軍を圧倒し、1988年から1994年まで散発的に続いた1回目の戦争により失った地域を占領する。ロシアが仲介に入った停戦協議において、降参したアルメニアのパシニャン首相は、占領された地域の主権を放棄した。戦争を仕掛けたアゼルバイジャンのアリエフ大統領は、コロナ禍で経済が行き詰る中、国民の圧倒的な支持を得て、独裁体制を強化した。
2022年2月24日以降、ウクライナに対する特別軍事作戦が手詰まりになる中、同地域に駐留するロシア軍からも派遣された。治安維持に当たるロシア軍の警備が手薄になる中、8月3日アゼルバイジャン軍の無人機ドローン攻撃により、アルメニア兵士2人とアゼルバイジャン兵士1人の死亡が確認された。治安の悪化により、故郷を離れる人も後をたたない。2020年の紛争前、京都府程の広さの地域に16万人が暮らしていたものの、現在15万人に減少している。
対照的に東アジアの日本では、憲法9条の下、他国の武力闘争に加わらず、77年間平和国家として歩んできた。坂井泉水は、生誕時の1967年から、デビュー時の1991年まで、右肩上がりで経済成長を遂げる日本社会に支えられ、スポーツや音楽活動、詩の作成を含め、好きなことをやり通した。1993年1月26日にリリースされた6ｔｈシングル「負けないで」は、平成の大不況により、失業や就職難に苦しむ人々にエールをおくった。ブレイク後、テレビの前に出ず、神奈川県秦野市から東京都町田市南部へ引越し、マイペースに音楽活動を続けた。彼女がこの世を去った2007年以降、デジタル化が普及するにつれ、人々はＣＤからネット配信へと音楽の聴き方が変わった。ＣＤ売上の低迷に反比例するかのように、コンサートを含め、大規模イベント産業は、成長を続けている。
日本政府は、イベント会社の収益を守るため、2022年3月以降開催人数制限を撤廃した。SARD UNDER GROUNDは、政府の方針に従い、3月20日（日）から5月29日（日）まで、全国各地のＣＤショップを巡る「リリース記念イベント」を実施した。
彼女たちは、ZARDのプロデューサーを勤めた長戸大幸（だいこう）氏に支えられ、2019年9月18日に、1stアルバム「ZARD Tribute」でデビューする。ZARDのヴォーカルを努めた坂井泉水の良さを伝えながら、グループとしての個性を打ち出していた。
神野友亜の誕生日となる9月14日（水）に、ミニアルバム「日の名残り」のリリースを控える。収録7曲のうち、5曲はオリジナル曲だった。
写真＝2022年9月14日（水）にリリース予定のミニアルバム「日の名残」のジャケット 掲載元 SARD UNDER GROUND STAFF Twitter 2022年8月6日付
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ミニアルバムには、5月18日（水）にリリースされた4ｔｈシングルの「空っぽの心」も含まれている。既に彼女たちは、10月に控えるライブツアーの準備にも入っているという。10月10日（月・祝）に大阪府Zepp Nambaで、10月22（日）に東京都Zepp Hanedaで開催する。原則1階オールスタンディングのライブハウスでも、着席指定で行う。タイトル名は「 in the Twigh light」、開演時刻は午後6時、日没間もない黄昏時にスタートする。
withコロナ時代に入った今、彼女たちはファンとの距離感を考えながら、音楽活動を続けていく。
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