こじんまりといえばその通りかもしれません。
しかし、秋の昼下がりには、ワンマンライブという名がついていても、聴衆数十人程度の“シークレットなステージ”も、また良きものです
。
ということで、如月愛里さん。
先月10月は、このひとのステージを最初の週末と最後の週末に観てきたことになります。
最初の週末は、どちらかといえば賑やかな“吾輩シリーズ”
。
そして、最後の週末だった29日の土曜日は、“シークレット”な雰囲気も感じられるワンマン
。「余白」というタイトルがつけられています。
余白…
生業の場合には、ときとして悪役になることもありますが、
こういう“おと”とか“うた”という名の作品と相対するのは、その余白に隠されたテーマやメッセージを感じ取るお時間。そして、それは聴く側と唄い手さんの双方のやり取りでもあるわけです。
当日記筆者もよくお見かけする、山本佳祐さんのピアノと辻村崇さんのギターに乗っかった3人編成でのステージは、愛里さんが唄い手さんとしてたどってきた道を一緒に振り返るようなものに。。
月初の“吾輩”でも語られていた、もともと吹奏楽の経験もあるという愛里さん。セットの最初のほうに、クラリネットのインスト曲が入っています。最新のお姿ともとになるお姿とが重なる瞬間です。雰囲気は“幾分まったり”ですので、ステージ上での表情もとても穏やか。ぎゅうぎゅうの満席ではない(もともと椅子の間隔を少し空けてある)のは、往時であればあらまぁ…ということもできますが、このご時世、この雰囲気ではありがたい環境です。
駆け出しの頃は、こちらも当日記ではよく登場されているピアニスト島優典さんとの二人三脚。“作曲が島さん”というものが多かったそうで、とにかく想いを知ってほしい…ということだったのかもしれません
。
「はるか」→「雨のstory」→「道」→「月の涙」と続くセットの中には、おそらく筆者が愛里さんをお見かけする以前の曲もあったはず。“知らなかった頃”のお姿を垣間見る感じでしょうか
。
続くセットは、作曲が島さん“ではない”もの。「緑色の月」(VagueのYuさん)に「You’re my precious」(小林未季さん)などのセットが並びます。こういった中で、愛里さんご自身が作曲された歌も着実に増えていったわけで、だんだんといろどりが豊かになっていった頃のことが、自らのコトバで語られていきます
。
努力ももちろんあったと思いますが、いろどりが豊かになり、ふんわりとした雰囲気にも、きりりとした空気感にもなれるという愛里さんの表現は、やがて曲そのものもきちんと評価されていくことになります
。
後半は比較的最近の曲が並ぶセット。大きなところでは、「うわむきごころ」(東京都のパラスポーツ応援ソング)などが挙げられますが、地元の静岡での評価であったり、ゲームソングなどへの採用…と、うたという“子供”が世の中にちゃんと広がっていくさまを追いかけていく感じ
。ご自身でもアイコン的なうたとコメントされていた「回想列車」は、筆者の中でもその通りで、ど田舎育ちの筆者による若干の羨望の目と、4年半前の地元ワンマンの際に初めて訪れた静岡県富士市の光景とが入り混じりながら、毎回何か独特な感情を持ちながら聴いていたりします
。
そして…
アンコールの際に披露された新曲は、この日のお題と同じ「余白」。
ステージの時点では“仮題”でしたが、歌うにあたっての様々な想いを語られてから演奏。聴く側の解釈や想いだけでなく、演じる側が曲に込める想いにも、いろんな変化を許容しながらできた作品。またひとつ、新しいこのひとのアイコン的な存在になっていくのかな。初披露となったこの日の時点では、ゆるっとしたところの象徴というところでしょうか
。
さて、愛里さんの次のバースデーの近辺に、今度は大きなワンマンライブの開催が決定しました。
生業のほうの都合上、筆者はちょっと様子見になってしまっておりますがm(_ _)m
こういう大きな場ならではの余白というものも、きっとあるはず。それがまた伝わっていきますように
。
ありがとうございましたぁ
。
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