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2022年10月21日18:57

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リチャード・オスマンThe Bullet that Missedを読んだ

リチャード・オスマンの新作The Bullet that Missedを読んだ。
「木曜殺人クラブ」シリーズの3作目です。
今回はますます面白くなりました。絶対のお勧めです。

タイトルは前作が「二度死んだ男」The man who Died Twice でした。死んだはずの男が実は生きていて、また殺されたと言う意味でした。それも架空の人物の話でした。

今回のタイトルは「撃ち損じた弾丸」という意味かなと初めは思いました。
しかし実は元KGB情報員だったBullet「弾丸」という仇名の男が途中から登場します。
「ヘマをしたブレット(弾丸)」という意味にも読めます。それとも「災難を逃れたブレット(という男)」とも読めます。読みながらその意味の方かとタイトルが変わるみたいで、そこで笑ってしまいました。
タイトルまでネタにして読者に読ませるとは、オスマンらしい! 
コージー・ミステリーなのか考えずに、笑いながら読めばいいのです。

英国元情報部員、元労働組合幹部、元ギャング、麻薬密売人、ペテン師(架空投資詐欺)、元KGB等がお互い昔からの知り合いだったりして、誰が正義の味方なのか、悪なのかわからない高齢の老人たちがクーパーズ・チェース(老人ホーム)を舞台に繰り広げる喜劇であり、元気な老人達の恋愛関係もお達者なのです。日本の有料老人ホームよりはるかに豪華なところのようです。

前作でベス(エリザベス)はベテランのMI5の政府情報機関の出身者だったことも明らかになりました。それだけではありません、ほかの3人のメンバーもクーパーズ・チェースに住んでいるが実はいろいろ過去に秘密を持つ人たちであることが分かります。皆それぞれ脛に傷のある人でもあるのです。しかし全員、心のきれいな善人であり、悪人ではなく、心優しい老人達なのです。
女性も私生活ではバツ1、バツ2は、序の口の当たり前なのです。

最初から、前回のおなじみのメンバーが登場して始まります。
デビュー作は読まなくても、「二度死んだ男」は読まれることをお勧めします。その方がより楽しめます。

今回はメンバーのジョイスがTV局のハンサムな司会者に憧れ、クーパーズ・チェースに番組で来てほしい旨の投書をしたことから始まります。
「木曜日殺人倶楽部」では10年以上前の殺人事件を解明するため、当時TV司会者がこの事件を担当していたのを知ります。そこで彼をホーム来てもらうように計画しました。
当時若手のTVリポーターだったべサニー・ワイツが不審死を遂げていたのです。

彼女は密かに「ポンジー・スキーム」のような詐欺事件を取材していたのです。
その彼女が明日報告すると司会者にメールしていたのです。その後彼女は夜になってから車で出かけ、自殺の名所と言われる崖から車ごと海へ落ちていたのです。しかも彼女は誰か知らない男性と一緒に車に乗っていたことまで分かっていました。
彼女の死体はついに見つからず、行方不明のままなのです。
その当時の詐欺事件にはヘザー・ガルバトという女性が関係していました。彼女から、巨額の金が送金されていたが振込先は不明だったのです。そして、彼女も刑務所の中で不審死を遂げるのです。
イブラヒムは同じ刑務所にいた麻薬密売人のコニーに面会し、情報を得ようとします。コニーがヘザーに会った後すぐに死亡していました。

ベスの所にはバイキングと名乗る男が訪ねてきます。ビクトール・イリッチを殺してほしいと依頼します。イリッチは元KGBレニングラードのボスであだ名はブレットです。
ベスには敵とはいえ彼が優秀なスパイで好意をもっていたのです。バイキングはベスが前回の事件で盗難ダイアモンドの入った駅のロッカーを開けた動画を持っているから、イリッチを殺せと脅迫してきたのです。さもないと、バイキングがベスを殺すと言うのです。
そこへケント警察の署長が現れ、イブラヒムにコニーに面会したことを聞きに来たのです。
またクラブのメンバーには事件の解明には嬉しいことでした。
当然、クリスとドナの老人ホーム担当の警官二人も現れます。
いよいよ事件が複雑化します。まさにドタバタ騒ぎになります。
そしてベスはイリッチに拳銃を構え、実弾を撃ちます。
(もう一度タイトルを思いだして、ベスのセリフで笑ってください)
どんな流れになるか流れに身をまかせ読んでください。老人たちのボケと頓珍漢な会話を
お楽しみください。シリーズの新作ごとに人気が上がるようです。

まあ、読んでみてください。面白いですから。
絶対のお薦めです。 

余談:前作はリチャード・オスマンのThe man who Died Twice (21年10月25日の日記)をググって御笑覧ください。



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