写真は順に
*今野敏・隠蔽捜査8「晴明」(新潮文庫)
*道尾秀介「いけない」(文春文庫)
*ブラウンマッシュルームのコンフィ
今野敏の隠蔽捜査8「晴明」
警視庁の所轄署長から神奈川県警の刑事部長に就任した竜崎伸也は、本作では人柄が随分丸くなった印象。
中華街の老華僑や自由を求めて密入国した中国人運動家の登場は、いかにも神奈川らしい設定。
相変わらず楽しませてもらったが、公安に物分かりの良い人物が存在するかは疑問、竜崎の正論が通り、もちろん読んで溜飲は下がるわけだが。
道尾秀介の「いけない」(文春文庫)
架空の町で起こる事件だが、こちらもモデルは神奈川(鎌倉)ではないかと推測される。
登場人物は皆、非凡な不幸を抱えている。
最後の最後まで油断できない内容だ。
概ね、登場人物は幸せとは言い難い状態で終焉する。
こうでなくっちゃ、道尾秀介の作品は。
人は皆、幸せといえる状況の中でも、多かれ少なかれ不安、焦燥、諦めなど負の心情を抱えて生きている。
小説だから普通の人生よりはドラマチックに描かれているが、手放しでハッピーな結末を迎える作品を描く小説家など、クソつまらないと私は思っている。
キノコのコンフィが好きだ。
マッシュルームやチイタケのコンフィがとりわけ好み。
たっぷりのオリーブオイルとニンニクのみじん切りであっという間に美味しくなる。
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