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2022年06月19日19:53

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アンソニー・ホロヴィッツのWith A Mind to Killを読んだ

アンソニー・ホロヴィッツのWith A Mind to Kill を読んだ。
これは絶対のお薦めです。ジェーㇺス・ボンドのフアンでなくとも面白く読めます。
ポスト「イアン・フレミング」の作品の中では最高の出来だと思います。
勿論アンソニーの3部作の中でも最高です。ジョン・ガードナー等は人気を落としただけです。
生誕100周年記念のセバスティアン・フォークスより、ジェフリー・ディヴァ―よりもアンソニーの今回の「ジェームス・ボンド」が最高にボンドらしく面白いのです。
読んでいて、フレミングのジェームス・ボンドタッチを思い出させてくれて、楽しく読めました。
フレミングの作品は雰囲気が少し暗く、当時そんなに売れなくて(残念ながら本当です)、人気もなく、米国ではかなり無視されていました。ボンドが生き残れたのはボンド映画の人気に支えられたのは確かです。(今はフレミングの初版ミントなら百万円以下ではまず買えませんが)

アンソニーのボンドは人気の書評誌Publisher’sWeeklyではイアン・フレミングの原作フアンへの「心のこもったオマージュ」と称えました。
Kirkus Review もフレミング以降のボンドの最高と褒めました(「アンソニーのWhodunnit ほどではないけれど」と前文はありますが)。
イアン・
フレミングのボンドものは1950年代から読んでますが、米国でこれほど褒められたのは、覚えがありません。
作品としてのレベルも高く、読む楽しさはフレミングよりも面白いと言えます。
259頁とフレミングのボンドらしく短いのです。しかも明るいのです。
ストーリーの展開もスリリング、かつスピーディです。

The Man with Golden Gunのミッションの後、2週間後にこの物語は始まります。
舞台がロンドンから、モスクワを経て東ドイツへと動きます。

あのMが殺され、葬儀の場面から立ち去ったのがジェーㇺス・ボンドだった。
こんなショッキングなスタートです。

ジェームス・ボンドが洗脳されて上司Mを殺します。それからロシアのスタルナヤ・ルカに関係するボリス大佐の部下に誘拐されロシアに連れ去られます。
勿論ボンドは上司Mを殺したことにして、ロシアの動きを探るため英国情報局が芝居を打ったのです。
そこでボンドは洗脳されたままの状態であることの検査をボリス大佐の指示で受けることになります。
これに耐えて、初めてジェームス・ボンドを新たな任務に就かせようとボリス大佐は考えます。もし洗脳が解けていればジェームス・ボンドを始末する計画です。

ここからは、もう後半の山場を迎えることになります。
素直に小説を楽しんでください。短くてあっという間に読み終えます。楽しい読後感に浸れます。

この本はボンドフアンなら必携でしょう。特にJonathan Cape版をお勧めします。
中でもWaterstonesのExclusiveSigned Edition(売り切れ) かExclusive Edition は最高です。GB社の限定サイン、番号入り(Cape 版)は£25です。
米国のHarper Collinsは同じデザインながらタイトルの文字の色が少し明るい。
Cape版のサイン本は米国では$50〜60です。
Cape 版は作者名の上にThe Number One Bestsellerとあり、Harper 版はNYT Number One Bestsellerとあります。
この本の装丁などは「面白い(洋書)ミステリーを読んでコレクターに(13)」をご覧ください。

余談;私は欧米のミステリーフアンですが、「ボンド命」のフアンではありませんので個人的な見解です。悪しからず。

この本のジャケット、表紙、エッジのスプレー等に興味のある方は、「ボンド命」とググってみてください。写真があります。(洋書ミステリーの同好の士、日本一のジェーㇺ・ボンド好きの彼に会えますから)

余談2:アンソニー・ホロヴィッツの後の公認ボンド小説は9月1日にKim Sherwood
    のDouble or Nothing が出ます。400頁で女性情報員003が登場します。
    Wの 限定サイン版はこの本と同じようにエッジがスプレーされ、小口に003が 
    刷り込まれています。
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