三月にとうとう最終回を迎えました。全84話、長いようであっという間でした。
オスマン帝国の歴史の中で女人の時代とよばれた時代に権勢をふるった母后キョセムの物語。最初は側女で、皇帝のお気に入りになり、皇子を産んで、支配力を増して、皇帝の死後は母后として摂政として力を振るった女性の一代記です。
オスマン帝国の後宮(ハレム)が舞台なので、きれいなお姉さんがたくさん出て来るし、母后とか上位の階級の人の衣装と宝飾品がとにかくゴージャス!日本の大奥物も贅を尽くした打掛が出てきて眼福ですが、本当に毎回衣装は楽しみでした。
女性だけではなく皇帝や皇族の衣装も素敵でしたね。またイランとの闘いのシーンはかなりお金がかかっていたと思います。
もちろん ドラマ(創作)なので実際の史実と違うところもあるでしょうし、トルコ本国でも考証が甘いと突っ込みがあるらしいのですが、これまでトルコ発ドラマを見たことがないのでいろいろ発見がありましたよ。
皇帝、ワイン飲んでる~。イスラム教徒は禁酒じゃないんかい! (これについてはエルドワン大統領がこの前作「オスマン帝国外伝 愛と欲望のハレム」で苦言を称したのでストーリーを変えたそうです。またイスラム教の禁酒については最初から禁酒ということではなく時代によって変化があったとか)
日本の大奥は基本外出不許可なんだけど、トルコのハレムはこっそり外出できたらしい。自由過ぎる気がする。
オスマン帝国では皇太子が決まると残りの皇子は権力争いを避けるために殺害されたそうですが、壮麗王スレイマンの愛妾(のちに婚姻関係を結ぶ)ヒュッレムはその風習を踏襲せず、結果、父母を同じくする兄弟の争いが生まれるわけです。
そういうことを避けるために愛妾は息子を産むとお褥から退くのですが、ヒュッレムはそうせず何人も皇子を設けてしまい権力を一手に掌握、、する前に亡くなってしまいます。
そのしばらく後、後宮の権力を握ったキョセムの場合、夫(彼女も奴隷→愛妾→婚姻関係を結ぶ)のアフメトのあと、次皇帝のムスタファ、オスマン、ムラト、イブラヒム、メフメトの後ろで暗躍するのですが、メフメト皇帝の弑逆を企てたのがばれて後宮で殺害されてしまいます。
なかなかすさまじい話です。
私が印象に残ったのはアフメト皇帝の母后サフィエによって皇帝の座に就きかけたムスタファ君(御年6歳)がアフメト皇帝のより幽閉。母を慕って泣く、いたいけなムスタファちゃんだったのですが、次に登場した時は長い幽閉ですっかりメンヘラになった青年。そしてさらに幽閉され続けまだらボケになったおっさんと変化していったのがなんとももの悲しかったです。あのかわいかったムスタファ皇子が。
最初と最後でキョセムの身に着けている衣装、装飾品は天と地ほどの差があるのですが、豪奢な装いに比例して生まれる苦悩。
ちょっと前に北魏の話をNHKでやってたのですが、北魏の場合、妃が子供を生むと妃を殺害していたそうです。結局世子の母になることで妃およびその姻族が権勢をふるうのを避けるためだとか。洋の東西を問わず王家の権力争いは容赦ないです
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