シリーズ累計4千万本を売り上げた原作ビデオゲームは、現代のトレジャーハンターを描くビデオゲームの傑作だ。海賊の子孫を名乗るネイサン・ドレイクは世界を股に掛け「やべやべやべ」*1 と危機を乗り越える。
本作は原作を翻案に映画独自の設定で描く。
いま最も客を呼べるトム・ホランドを主演に迎え、宝探し映画としてほぼ欠点なく展開。原作の知識がなくても十分たのしめる。
兄と生き別れたくましく暮すネイサン(ネイト)。そのネイトは兄が追い求めた「マゼランの黄金」を狙うビクター・サリバン(サリー)と出会う。ネイトはサリーと一緒に冒険へ旅立つ。
墜落寸前の旅客機内で目を覚ます冒頭からとにかくアクションに次ぐアクション。正直なところキャラクターの掘り下げやシリアスさ、歴史の裏打ち、知的部分は非常に薄い。宝探し映画が持つB級的雰囲気と「なんちゃって歴史浪漫」に頭を使う必要などない。
でも本来宝探し映画とはそういうものだ。*2
歴史を無視した地下迷宮が街の地下にあってもいいし、その迷宮の入り口を開く教会の仕掛けがいままで発見されていなくてもいい。マゼランの船をヘリで吊り上げ船上でライバルと戦うはったりおおいに結構。最後は財宝より相棒。
そういうバカバカしさとベタをふくめたダイナミズムこそ宝探し映画の本質。
本作は原作ビデオゲームと宝探し映画の要素を十分引き出し映画『アンチャ―テッド』を実現した。続編制作も納得だ。*3
※1 「やべ」はビデオゲームの中のネイサンの口癖。始終いろいろなトーンで「やべやべやべ」としゃべりまくる。ちなみにビデオゲーム最大の魅力のひとつはネイトの声優・東地宏樹とサリーの声優・千葉 繁のアドリブみたいなかけあいだ。
※2 やたら神格化される「インディ(アナ)・ジョーンズ」シリーズもいま見たらば単純で純粋な娯楽作品でしかないですし。
※3 実際大ヒットにシリーズ続編製作が1週間前に発表されることになった。ビデオゲーム原作映画はもはやイロモノではないのだ。
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