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2022年02月07日18:42

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ノートの写し190

〇ところで、平衡力に抵抗することは可能なのか。あなたはまさにこのことについて、毎日取り組んである。人生とは平衡力との戦いから成り立つ、あらゆる困難、不快、問題は、平衡力の働きと関係がある。いずれにせよ平衡力に抵抗しても無意味であり、平衡力は何がどうあっても自分の仕事をやってのけることになる。結果を取り除こうとる努力は、何にもならない。返って、状況は深刻化すだけ。平衡力に対処する唯一の手段は、原因の除去、すなわち平衡力を生み出すことになった重要性の過剰ポテンシャルを低くすることにある。人生の状況は大変に多彩であることから、すべて問題のを解決するための万能の処方箋を出すことはできない。私がここで出来るのは、一般的な助言を与えることだけである。
 どの人も重要性という基礎の上にに壁を築く作業に携わっている。その後、壁をよじ登って超えようとするか、それとも頭から壁に突進して穴を開けようとする。障害を克服しようとする代わりに、壁が崩れるよう、基礎部分のレンガを引き抜いてはどうか。我々はみな自分の障害を明確に認識している。だが、障害がどんな基礎の上に築かれているか見極める事は、いつも簡単にできるわけではない。もしあなたが問題だらけの状況に遭遇したならば、どこでやりすぎたのか、どこをつかまれてしまったのか、何に過剰な意義を与えたのか、突き止めてみること。そして、自分が重要性を与えたものを突き止めたら、それと縁を切ること。壁は崩れ、障害は自滅し、問題はひとりでに解決される。障害を克服しようとはしないで、重要性のレベルを引き下げればよい。
 引き下げるという事は、自分の感情と戦う事や感情を抑制することを意味するのではない。過剰な感情や心労は重要性を与えてしまった結果なのである。原因となっている関係を取り除かなければならない。人生に対しては、できる限り哲学的に臨むようアドバイスしたい。そんなことはうんざりだと思っても、聞いてもらいたい。そうして、重要性を与えることは問題以外に何ももたらさないことを認識し、意識的に重要性を引き下げていくこと。
 外的重要性を低くすることは、無視したり過小評価したりする事ではない。反対に、無視することは逆の符号が付いた重要性となる。人生に対する姿勢をもっと簡素なものにする必要がある。無視もせず、誇張もせず、というように、どんな人々なのか、いい人々か又は悪い人々が、という事は、あまり考えすぎないことである。日常の世界のあるがまを受け入れること。
 内的重要性を低くすることは、謙遜や自己卑下とは違う。自分の過ちや罪を悔いあらためる事は、自分の長所を取り立てて強調するのと同じである。ここでの違いは符号がプラスかマイナスかという事だけである。あなたの後悔を必要としているのは、あなたをコントロール下に置きたがっているコマだけである。自分をあるがままに受け入れること。思い切って本当の自分になってみる。自分の長所をほめちぎったり、短所をこき下ろしたりしてはいけない。内なる平穏を求めること。あなたは重要人物ではないが、取るに足らないわけでもない。
 もしあなたの状態が何らかの事柄に強く依存しているのであれば、変わりのものを見つけたらいい。丸太の上を安心して渡るには、保険が必要である。各々の具体的なケースで、この保険に相当するものがあるはずである。それぞれの場所に何が保険となってくれるのか、ただ自分に問いかけてみればいい。平衡力と戦うことは無益なだけであることを思い出すこと。恐怖や動揺を押しつぶするとはできない。しかし、重要性を低くすることだけはできる。それが保険、または予備の亜空間である。どんなに確信があるにしても、一枚のカードに全てを託してはいけない。
 ユーモアの感覚、自嘲する能力、そして、侮辱にならない程度に悪気なく他者を笑う能力などは、唯一過剰ポテンシャルを創らない。こうした能力を備えていれば、あなたが無感情のマネキンになってしまうことはない。ユーモアとは、それ自体が重要性をつけて物々しくすることへの否定であり、風刺画はもったいぶった重要性こそをテーマとしている。
 問題を解決する際には、金貨玉条とも呼ぶべきものが一つある。問題解決に着手する前に、重要性の程度を引き下げるという事である。そうすれば、平衡力が邪魔することはなく、問題解決は簡単にあっけなく済むだろう。
 重要性の程度を引き下げるためには、重要性を与えた結果として問題だらけの状況が発生したという事を思い出し、ハッキリと自覚することが必要である。あらゆる問題は重要性が生み出したものであり、あなたは問題に深くのめりこんでいたのである。こうしたことをあなたは自分にきちんと説明することが出来ず、まるで夢見心地の状態にまだいるのであれば、完全にコマのコントロール下に置かれていることになる。立ち止まり、幻影を振り払い、重要性とは何なのかを思い出して見よう。その後で、重要性を与えた対象と自分との関係を意識的に変えてみる。これはもう難しくない。なぜなら、あらゆる意義付けは邪魔をするだけであることを、あなたはよくわかっているからである。難しいことと言えば、あなたが内的重要性や外的重要性の中でもがいていたことを、適当なころ合いに思い出すことにある。このためには、あなたの内なる見張り役に登場願いたい。内なる見張り役はあなたの内面におけるあらゆる価値を常に見張っている。

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