[あらすじ] 「デビルマンのうた」をデビルマンとして歌ったよ。
https://youtu.be/jkvnMeRI_z8
ご存じ、「あっれっはーだれっだっ だれっだっ だれっだっ」
から始まって、
「デビルアローは超音波、デビルイヤーは地獄耳、
デビルウイングは空を飛び、デビルビームは熱光線」
と畳みかけ、
「悪魔の力 身に付けた」
歌い上げる、あの歌である。
アニメ「デビルマン」のオープニング主題歌だ。
※
一方で、エンディングの「今日もどこかでデビルマン」も、
愛されている。
「チャラスチャチャラスチャチャラスチャチャラスチャ」
というギターのコードストロークから始まり、
「ウンドコドコドコ」
とドラムのフィルが入り、
「パッパパーラー」
とラッパ隊が重なり、
「だぁれも知らない知られちゃいけーないー
でビルマーンがだーれーなのーかー」
と歌い出す。
なんたって、このイントロ部分の映像が印象的である。
都市の夕焼けの遠景から、
ゆっくりカメラがパンすると、
建設中のビルの鉄骨に腰かけているデビルマンが画角に入ってくる。
デビルマンの背後から、カメラはグッと正面に回り込み、
物を思う様子で視線を落とすデビルマンの顔に
ズームアップしていく。
デビルマンは腕を組んでいる。
何か思い悩んでいるのだろうか。
少しうつむいている。
しかし、口元はきりりと結んで、強い意志を感じられる。
屈託と強さを合わせ持つその姿に、
子どもながらに魅かれたものだ。
※
あのイントロの映像を、取り込みたい。
歌うのはオープニングの「デビルマンのうた」なんだけれど、
間奏部分にエンディングのイントロの映像をかぶせることにした。
※
まさかデビルマンの扮装をして、工事現場に忍び込んで鉄骨によじ登って
撮影するほど、私もそこまでやんちゃな52歳ではない。
自宅の屋根に登って、ご近所さんの見ていないうちにササッと撮りたいじゃないの。
そのためには準備をしっかりしよう。
まず、絵コンテに書き起こして、流れを頭に入れる。
※
自宅の北東側の屋根の端っこに座ることにした。
屋根に登って、自分の位置にぬいぐるみを置いて、
試しに撮影してみた。
私は、自分で物置の上の波板を張り替えたり、
二階の外壁を塗り替えたり、
雨樋の補修をしたりしている。
だから、ご近所さんも私が屋根の上に出ていても、
さして気に留めない。
何かとやるようになり始めた頃は
「すごいわね。」とか「気を付けてね。」とか
「なんでも自分でやるのね。」とか言われたことも有ったけれど、
この頃は何も言われなくなった。
またなんか家の修繕をしているのね、くらいに思われているのだろう。いい。
※
西の空を含めた遠景から、
カメラをグーッと北へ向け、
座るデビルマンの後ろ姿を捉えたら、
デビルマンの左側から前に回り込む。
そして、正面のちょっと右寄りで低い位置から
顔に接近する。
問題は、屋根の端っこに座るデビルマンの正面に、
どうやってカメラを回り込ませるか。
今ならまず思い付くのはドローンを使うことだ。
しかし、都内のしかも住宅街では、ドローンを飛ばすことは禁止されている。
法に触れたくないよ。
ビデオカメラを三脚に取り付けて、
屋根の上から空中に差し出して撮ることにする。
一脚が有れば軽くて済むのだが、
持っている物でなんとか済ませたい。
長く伸ばして差し出した部分を支えるには、筋力が要る。
それはしんどいので、後ろ側に重りになるようにロープの束を付けてみた。
※
次の問題は、
そのカメラをうまいこと被写体であるデビルマンに向ける方法だ。
三脚にカメラを取り付ける部分を、雲台(うんだい)と言う。
ここのネジを締めきらず、少し緩んだ状態にしておく。
カメラ本体に細めの軽い棒を取り付ける。
後ろに余分に長く伸びていることで、
カメラがどの方向を向いているか、分かりやすくなる。
その棒の端っこに、別の長い棒を繋ぐ。
繋ぎ目はテープで緩く付ける。
関節として動くようにしておく。
この棒を左手で持って動かすことによって、
カメラの角度を調節することができる。
たいへんだけど。
※
更に問題。
ビデオカメラは棒の先で遠く差し出してしまっている。
モニターはカメラの左側に開く仕様だが、
カメラマンはカメラの右側にいる。
だから、モニターが見られない。
何が映っているのか、
被写体であるデビルマンが画角に収まっているのか、
確認しながら撮ることができない。
※
そんな難しい撮影を、我がベーシストやまちゃんにお願いした。
自分はデビルマンだから。
試しにやってみると、かなりたいへんそう。
特に、モニターを見られなくなった地点から、
デビルマンの顔に近付いて行く時のカメラの角度が
うまく合わせられない。
さてどうするか。
そして更なる問題。
つづく
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